※最新記事「2016年・最新の統計情報から見る、世界のネット・SNSの利用状況」はこちらからご確認ください。
先週、1月23日、英ロンドンに本社を置くソーシャルメディア・コンサルティング企業「We Are Social」から、最新の調査報告「Digital, Social & Mobile in 2015」が発表されました。
これは、世界のインターネットやソーシャルメディアの利用状況の統計をまとめたデータ集となっています。全世界の傾向だけでなく、30カ国の国別のデータも掲載されており、通常あまり目にできない国の情報も載っているため、非常に興味深い内容となっています。
今日は、この報告の中から抜粋して、2015年最新の、世界のネット・SNS利用状況について見てみることにしましょう。
世界の動向
まずは全世界のネット分野の概況について見てみましょう。世界の人口、約72.1億人のうち、日常的にインターネットを利用しているユーザーは、約30.1億人(全人口の42%)で、昨年比21%増加しています。ソーシャルメディアを利用しているユーザーは約20.8億人で、昨年比12%増加しています。携帯電話のユーザーはネットユーザーの人口よりも多く、約36.4億人です。
一日あたりにインターネット利用に費やす時間を国別に表したグラフです。世界平均は4.4時間(4時間24分)となっています。平均より利用が長い国は、比較的、東南アジア・南米の国が多いように思えます。日本は意外に平均よりだいぶ低く、3.1時間(3時間6分)となっています。
インターネットにアクセスするデバイスのシェアを表したものです。PCからスマートフォンにシフトしているのは、日本だけではなく、全世界的な傾向のようです。PC経由のアクセスは昨年比13%減なのに対し、携帯電話経由のアクセスは39%の増加、タブレットPC経由のアクセスは17%の増加になっています。ソーシャルメディアのサービス毎の、アクティブユーザーの数はどうなっているでしょうか。全世界で見ると、Facebookがトップになっています。facebook messengerや、facebook傘下であるWhats app、Instagramも含めて考えると、圧倒的なシェアといえるでしょう。それに次ぐ、QQ(中国版Skype)・Qzone(ブログサービス)は、米国はじめ他国発のSNSを遮断している中国独自のSNS。ほぼ単一国でこの位置を占めるのはさすが人口大国といったところでしょうか。
一日にソーシャルメディア利用に費やす時間の、国別平均値を表すグラフです。世界平均は2.4時間(2時間24分)です。前述の、ネット接続時間のグラフに比例する傾向にあります。日本は0.7時間(42分)と世界的に見ると、大分短い方です。SNS好きのアルゼンチン・フィリピンのネットユーザーと比べると6分の1の接触時間になっています。
携帯電話の状況を見てみましょう。全世界での携帯電話の登録数はおよそ71億台と言われています。これは世界全人口の98%にあたる数字ですが、実際は複数台持ちのユーザーも居るので、もっと少ない割合になるはずです。下のグラフは、携帯電話料金は前払い(pre-paid)か、後払い(post-paid)かの比率を表したものです。日本では、通常、月毎の後払いが多いですが、世界的には後払いが主流となっています。比較的、開発途上国が多いように思えます。
本サイト記事でも度々、ご紹介させて頂いているインドネシアのモバイル事情ですが、ほぼ100%がプリペイドとなっています。ユーザーは、プルサと呼ばれる通信容量を、コンビニ等でiTuneカードのような要領で購入し、自分の電話番号に紐付けるする形で料金を支払っています。(参考:「インドネシアのモバイル通信計測マップ ~ジャカルタの4GLTEサービス”BOLT!”を使ってみた」)
各国の状況
このレポートの中では、全世界とは別に30カ国の国と地域において、「Country Snapshots」として、デバイスごとの伸長率・メディアごとの接触時間・ネットの利用状況・デバイスごとのトラフィック率・SNSの利用状況・携帯電話の利用状況・Eコマースの利用状況を報告しています。
SNSのサービス毎のアクティブユーザー数を示したグラフを基に、3つの国について人気のSNSサービスについて見てみましょう。
まずはアメリカです。世界的に利用されているSNSの多くはこの国が発祥となっています。結果は、Facebook一強といったところでしょうか。全世界の傾向と同様に、Facebook傘下のサービスを含めると非常に大きな割合を占めていることが分かります。続いて、Twitter・Pinterest・G+となっています。
我が国日本ではその状況が少し異なります。FacebookよりもTwitterのアクティブユーザーが多い数字が出ています。また、mixi・LINE・モバゲー・グリーといった、日本独自のプラットフォームもある程度割合があることが分かります。SNSの利用率は地域差が出るものです。
更に顕著な例は、中国です。海外のSNSサービスは基本的に使えない中国内では独自のSNSが多くの割合を締めています。WeChat(中国版LINE)・weibo(中国版Twitter)Youku(中国版YouTube)などが上位にランクされています。
ちなみに、当社では、こうした中国独自のSNSを活用し、中国からの訪日観光客向けの口コミプロモーションのサービスを提供しています。ご興味ある方は是非、お問い合わせ下さい。
いかがだったでしょうか。ネットやSNSの利用状況など、マーケターにとって必要な情報・数値が、全世界の傾向だけでなく、様々な国と比較することができます。今後の提案やレポートなどに活用できるのではないでしょうか。