「京都祇園祭 LIVE ON USTREAM」 視聴者の反応から感じたこと

こんにちは。高寺 です。こちらのエントリーをご覧の方の中にも、弊社が先週末に行った京都祇園祭のUst中継をご覧頂いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?その節は どうもありがとうございました。今日は、その時の取組を振り返りながら、いろいろ考察していきたく思います。

実際にどういう考えの元、どういったプロモーションを行ったかという部分は、黒沼によるエントリーを読んでいただければと思います。また、取組みの概要については山田によるエントリーでお伝えしています。

京都祇園祭 LIVE ON USTREAM Facebookページで、僕達が行っていること。<準備編> | ACTZERO – 株式会社アクトゼロ
速報「京都祇園祭 LIVE ON USTREAM」レポート| ACTZERO – 株式会社アクトゼロ

また、Ustream上に、祭のハイライトとも言える、7/17の山鉾巡行当日のアーカイブ映像も公開しています。エントリーと併せてご確認頂けますとより当日の様子を連想しながらご覧いただけると思います。

Ustream | 京都祇園祭 LIVE ON USTREAM

USTREAM中継の同時視聴者数/twitterログから

USTREAM 中継は、7/15~17日の総計およそ14時間に渡り、行いました。内容は、お囃子を演奏する様子や、移動を伴う行事の密着映像を、私のナレーションとと もに生中継するというものでした。撮影しながら、ナレーションをしゃべり、ツイートを確認しながらその反応、しかも背中には中継機材の大荷物… という大変な装備と作業の中お届けしました。(中継システムや技術的なことに関しては、また来週改めて。)

このような中継で、最終的に総視聴者数「38,882人」を記録しました。最高同時視聴者数は830人。京都市内は快晴で35.7℃にも達する猛暑の中、私と山田が大汗を流しながら努力した甲斐があったというものです。3日間でツイートされた数は3,046(7/18日現在)に達しました。

下 のグラフは、最も視聴者数の多かった、7/17の山鉾巡行の中継を10分ごとに区切ってツイート数とその時の同時視聴者数の関連を示したグラフです。(ど ちらの数も、およその数になります。)9時頃に配信を開始し、一気に同時視聴者数は100人くらいまで達した後、数百人まで比較的早い時間に達したと思わ れます。このグラフから、中継の内容を振り返り、いくつかポイントをまとめてみましょう。

一般の観光客では見れない視点の映像

ま ず、はじめのツイートの山が、10:20~10:29の間にあります。この10分間でおよそ60ツイートされました。この時、南観音山では四条新町で4回 あるうちの1回目の※「辻回し」と呼ばれる作業が行われていました。これは、優雅にゆったりと進行する山鉾巡行の中で、数少ない迫力あるシーンで非常に観 光客にも人気があります。

※辻回し:山鉾はハンドルのように方向を自由に変える機構はなく、直進しかできない。市内を練り歩く山鉾巡行のうち、4箇所で90度方向を転換する場面があり、車輪の下に割り竹を敷き、合図に併せて一斉に横から引っ張って車輪を滑らせて角を曲がる行事。

他 に、12:30~12:39と、13:50~13:59にもツイート数の山がありますが、こちらも辻回しが行われていました。このとき、カメラは山のすぐ 横から、10トンもの重さのものが動く、迫力ある映像を撮っていました。観光客の皆さんは、はるか遠くから眺めている場面です。普通の人では見ることので きない視点からの映像、Ustでしか見ることができない視点からの映像は、やはり視聴者の食い付きが非常に良かったです。

ハプニング性

13:00~13:09 の間にも山があります。この頃、ちょうど山の真下からの映像を撮影していました。はしごを通して、山の上でお囃子を演奏しているメンバーが、山の下でつい て歩いていたメンバーと交代している様子を収めることができました。この映像も、一般の人では見られない視点で好評を博していました。

 その後、一息付いた頃、ビデオカメラのバッテリーが落ちてしまい、しばらく気づかずにいたのです。(映像のプロとしてお恥ずかしいことですが、持ち出しの予算の中、ギリギリのスタッフ体制で行っていたもので…。)

実 は、それまで暑さからくるバッテリーの過蓄熱により、システムがダウンするシーンが多々ありました。配信3日目になる頃には配信停止が、恒例の”バッテ リー交換タイム”だと視聴者の皆様から認知されており、どこか楽しんでいるような同情と励ましの声を多数頂いていました。   

前 日には、バッテリーが足りないため、宿泊先のホテルまで取りに行った山田の様子も中継され、山田さんに対するつぶやきも多数発せられました。アクシデント も含めて、現在進行形の出来事がそのまま配信され、視聴者と共有するという、Ustreamならではの楽しみ方ができたシーンだったと思います。つい、完 璧を求めてしまいがちな番組制作の中で、ハプニングが起こる隙間を意図的に設けておくのも盛り上がりに繋がるのかもしれません。

マニアックな情報

少 し小さくはありますが、11:50~11:59の間にも、ツイートの山が見られます。この時、カメラは、山鉾巡行の最後尾ならではの光景を捉えていまし た。32基の山鉾の最後尾を行く南観音山の後ろでは、邪魔にならないように折りたたんでいた信号機を元に戻す作業を行っていたのです。さすが祭礼都市・京 都。街の設計にまで祭礼が関っていることが垣間見えるエピソードです。

狭 く深い、マニアックな情報は、視聴者にとって共有したくなる豆知識。浅く広い情報よりも、食いつき方が違うのは明らかでした。また、手前味噌ながら、10 年以上祇園祭を撮影していると、私自身、祭りにまつわる知識も深くなり、大抵の事は説明できるようになっています。拙いしゃべりではありましたが、情報の 質の高さから、視聴者の皆様ご好評いただけました。

感動とねぎらいのフィナーレ

そして、ツイート数のピークは、南観音山が到着し、山鉾巡行が終了する14:20~14:29の間でした。中継の終了間際、ソーシャルストリームには、視聴者からの感想やお礼、ねぎらいのツイートが続きました。

コンテンツの良さは勿論のこと、暑い中、さまざまなトラブルを抱えつつ、一生懸命中継をお届けした私たちの姿に、視聴者の皆さんは共感を感じていただけた結果、最高同時視聴者数830人、総視聴者数38882人という数字を作りだしたのではないでしょうか。

当然ですが中継終了後、ツイート数は激減しています。Ust中は大盛り上がりするのに、配信が終わると視聴者が散っていってしまうこの様子を毎度眺めていると、「後の祭」という言葉を思い出します。(この語源は実は祇園祭に由来するのです。)

こ のUstreamの盛り上がりを継続し、次回に結びつけるため、コミュニティーの受け皿としてFacebookページを設けて、情報発信・ファン同士の交 流を行う施策を弊社ではご提案しています。今回の祇園祭企画でも、Facebookページを設けて情報発信のプラットフォームとし、来年への架け橋とする 試みを同時に行いました。そんなFacebookやtwitterでの取組みについては、改めて黒沼がお伝えいたします。お楽しみに。

末尾になりましたが、京都祇園祭Live On Ustreamをご覧頂いたすべての皆様へお礼申し上げます。ありがとうございました!