京都祇園祭 LIVE ON USTREAM Facebookページで、僕達が行っていること。<準備編>

こんにちは、アクトゼロの黒沼です。ソーシャルメディアインサイトです。

京都祇園祭 (Kyoto Gion Matsuri) LIVE ON USTREAM Facebookページ

 

一昨日のポストに続いて、「京都祇園祭 LIVE ON USTREAM Facebookページ(以下、祇園USTページ)」の話題になってしまって、すみません。

祇園祭について興味がない人も、ちょっとお待ちを。今回の記事は、Facebookページの運営ノウハウの基本的で実践的なエントリーとなると考えています。是非最後までどうぞ。

今回の、USTREAMからTwitter運営、Facebookページ企画・制作・運営までを含むすべての費用は、アクトゼロの持ち出しで行っています。その核となるメンバーは、学生時代より京都祇園祭を体験し取材をするうちに、すっかり惚れ込んでしまったアクトゼロの人間たちです。アクトゼロという会社が始まって以来、この季節になると祇園祭のデジタルアーカイブ化を毎年行ってきました。いまでは、アクトゼロとしてのCSR活動の一環で行っています。

何故わざわざ、費用持ち出しで祇園祭のプロモーションを毎年行っているかというと、「祇園祭の魅力を伝えたい」という基本的な気持ちは当然として、同時にその瞬間瞬間でのアクトゼロのプロモーション力を図る試金石として機能しているからです。

今年はソーシャルメディアを使って、祇園祭という題材をいかにプロモーションするかというテストに、僕たちは挑戦しているわけです。今回は、その取組について、具体的に行なった施策を、今の段階ですべて明らかにしておきます。ソーシャルメディア上の盛り上げに苦労されている方にとってはいくつかは役に立つ情報があるかと思います。また、プロモーション期間終了時に、その結果もすべてお伝えしたいと考えています。

今回のプロモーションでは、一切広告費用は発生していません。もちろん予算的な都合もあるのですが、バナーで集客する広告モデルに頼らず、インターネット上のコミュニケーションベースで、どれだけのユーザーに何を提供できるのかについては、今後僕達(もちろんこのポストを読む皆さんも)が真剣に考えていかなくてはいけない、重要なテーマだと感じています。個人的には、媒体のユーザー適応で、広告クリエイティブの果たせる機能の限界化は、そう遠くない未来に来ると感じています。そのことはいずれ別のエントリーで。では、さっそく。

 

USTREAM中継をメインに

今回、祇園祭をプロモーションするに当たって、まず有力に思えたのは、USTREAM中継でした。

ぼくは、うまれてから大阪→山形→福岡→滋賀・京都→東京と、結構点々としてきたのですが、大学で立命館大学に通うまでは「祇園祭」の存在を知りませんでした。ただ単に、僕が浅はかだっただけかもしれないのですが、日本三大祭の一角としての「祇園祭」の知名度は全国的にどうなのかな?と考えています。山鉾の姿を見たこともない人もおおいのでは?祭りを未見のユーザーに、どういった魅力があるのかを伝える必要があります。

祇園祭は一般に認識されているより、ずっと長い期間をかけて京都全域で行われる祭りですが、そのピークは「山鉾巡行」と、その前夜に行われる「宵山」という夜祭です。

宵山では、翌日の巡行の晴れを祈るお囃子が流れたり、山鉾ちょうちんに火がともったりと、夜の京都の顔を十分に楽しむことができます。山鉾巡行では、各町に所属する山鉾が交通規制された京都の碁盤路を、一斉に練り歩くという、非日常体験を味わえます。暑い京都の強い日差しと共に、参加者に強烈に夏のイメージを残すイベントです。

これらの祭りの美点を伝えるためには、「映像」しかないと考えました。宵町の音や空気感、山鉾巡行の迫力と、その強い日差しを感じさせるためには、それがベストだという結論に達しました。USTREAMを使って中継を行うことで、ユーザーに、UST経由で見ている祭りが、今まさに京都では行われているという同時性を感じさせることで、祭りに参加しているのに感覚に近い体験を与えられるのではないかと考えています。

 

ベースをどこに据えるか

USTREAMの番組ページのみでは、伝えられる情報量に限りがあるため、USTREAMのサイト外部に、拠点となるサイトを設ける必要がありました。

USTREAMと相性のいいTwitterを使用することを考えると、その時点で「Facebookページ」一択でした。Facebookには、Twitter連携機能もあり、専用のUstreamアプリも存在しています。国内ユーザー数の少なさを考えると一見不安に思えますが、未登録ユーザーでも閲覧可能なので、最低限必要な情報へのアクセスは確保できることと、ターゲットユーザー層が、成人~年長者までと広めであることを考えると、割と相性の良いメディアな気もします。そしてさらには、短期間で制作ができます。

先週の9日(土)に要件がまとまり、英語対応用の翻訳依頼を出しながら、デザイン作業は11日(火)で終わり、13日(木)にはページが完成していました。

 

Facebookページでの施策

今回のUSTREAM中継では、カメラを担当している高寺が番組中のしゃべりの部分での進行役も兼ねるため、ソーシャルメディア上でも、取材者(高寺・山田)の顔を、全面に出していく方針としました。
本当ならば、浴衣美人の一人でも用意したいところでしたが、タイムアップで断念(来年こそは)。ウォールの更新 は、誰の発言かがわかるように「高寺・山田」各人の名前を添えることとし、生の人間が取材している事を想像しやすくしています。

友人・知人にご協力お願いし、25人のファンを得た後、オリジナルアドレス「http://www.facebook.com/kyotogionmatsuri」を取得。ページネームは「京都祇園祭 (Kyoto Gion Matsuri) LIVE ON USTREAM」と、ひとめで何をやっているページかが分かる名前で決定。京都祇園祭Kyoto Gion Matsuriを併記しているのはもちろん、海外対応のためです。そして、わざわざ「京都」を含めているのも、「京都」というワードで検索するユーザーにアピールするためです。

USTREAM配信とともに、海外からのユーザーが来ることを見越して、日英両言語対応とし、国内外問わず京都にまつわるコミュニティへのウォール投稿をおこないました。
ファン30,000人を超える「楽天トラベル」には、公式に自らウォールでご紹介していただきました。ありがとうございました。http://www.facebook.com/RakutenTravel

  

Twitter上での施策

Twitterアカウントには、アクトゼロでかつて「映像プロモーションのニュースサイト」をやっていた頃に使用していて、サイト閉鎖後も死蔵していたTwitterアカウント(フォロワー数250人程度)を再利用。

フォロワーの皆さんに「祇園祭USTREAM」用のアカウントとして再開することをお伝えした後、ツイート再開。一般に最も使われている祇園祭のハッシュタグ #gion を投稿に添えつつ、今企画用のハッシュタグを #gionUST に決定。日本語ハッシュタグも考えるも、なんとなく時期尚早な印象なのでやめる。

Facebookのウォールより、さらにより細かく情報発信をおこなうと同時に、「祇園祭開催を知っているが参加できない」今回のメインターゲットユーザーのみなさまへの直接プロモーションを始めます。

Twitter検索機能を利用し、「祇園祭 行けない」で検索。祇園祭に行きたいのに、行けないとお嘆きのみなさんに、Ustream中継があることをお知らせしていきます。ツイートが気に入っていただけたユーザーさんには、RTしてさらに拡散していただけることも多いので、ツイッター上での拡散という意味では、とても有効です。喜んでもらえて、やっている方も楽しい。
 

その他ネットメディア上での施策

Facebookページが開設された同日、プレスリリースを打ちました。

結果、RBBmediaさんに掲載されました。その影響で、各ニュースメディアに掲載していただきました。

[RBBmedia]
 http://www.rbbtoday.com/article/2011/07/14/78938.html
[WOMANinfoseek]
 http://woman.infoseek.co.jp/news/entertainment/story.html?q=rbbtoday_78895
[livedoorニュース]
 http://news.livedoor.com/article/detail/5708245/
[Yahoo!ヘッドライン]
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110713-00000013-rbb-ent

同日、弊社山田が記事「祇園祭であえて挑戦する、ソーシャルメディア活用におけるタブー」をアクトゼロWebへ掲載。
同記事を、イケダハヤト様のブログ 「ソーシャルウェブが拓く未来」に寄稿させていただきました。
その他、ITmediaオルタナティブメディアの僕のブログ「Social Streamline」にも掲載。
さらに、AdverTimesの提供する「アドバタ会議」にも登録させていただきました。

そして、当然この記事もプロモーションの一環です。:)

 

まとめ

ここまでが、USTREAM中継開始前の時点で、アクトゼロで行ったプロモーション施策です。 

2011/07/14の23時現在で京都祇園祭 (Kyoto Gion Matsuri) LIVE ON USTREAM Facebookページのファンの数は273です。2日間で広告なしで、ここまで伸びました。最終的にどれくらい集まって、そのユーザーにどういった体験を残せるでしょうか。来週末の続報をお待ちください。