最近、web動画シーンで注目を浴びているのが、6秒・15秒といった短い時間の制限付きで表現をする”マイクロビデオ”。Twitterが買収した「Vine」と、Facebookが買収した「Instagram」につきましては、本サイトでも度々ご紹介しているので既にご存じの方も多いかと思います。気軽に視聴できる短尺の映像がSNSを介して広まっていくことで、新しいコミュニケーションを生み出しています。
弊社でも、先日、京都の祇園祭をFacebookとInstagram動画で紹介する企画を行いました。
京都祇園祭 Instagram Facebookページ
企画を通し、Instagram動画・マイクロビデオについて気づいた点がありました。
・短い尺で、撮影対象のどこを切り取るか、撮影者のセンス・構成力が必要になる。
・15秒の映像は、アプリ上で録画ボタンを押している間に撮影。
事前に撮影したビデオからアップできない。
→事前にネタを仕込んでおいたパフォーマンス等の映像を撮るのには適している。
ハプニング的に撮れたものを公開する使い方には適していない。
こうした特性があるマイクロビデオですが、世界中ではこれらを活用したプロモーションの事例があるようです。今日はその事例についてご紹介してみようと思います。
Dunkin’ Donuts Hops on Twitter’s Vine for Latest Campaign
アメリカのドーナッツチェーンであるダンキンドーナッツが、今年の5月にVineを使って行ったキャンペーン。”ダンキンドーナッツのアイスコーヒーはどのような元気を与えるか?”というテーマに従って、ユーザーにVine で6秒の動画を撮影させ、ハッシュタグ#iceDDを付けて投稿させるというコンテストです。優勝者には、一年間アイスコーヒーが無料になるそうです。
ハッシュタグ#iceDDで検索すると、さまざまなユーザーが投稿したアイスコーヒー動画を観ることができます。
Honda 「WantNeweCar」
アメリカのホンダが、今月の15日に一日限りで行ったキャンペーン。
サマークリアランスセールのプロモーションとして、Twitterのハッシュタグ#WantNewCarを付けたテキストのメッセージ全てに対し、Honda側が、Vineによる動画でレスポンスをするという企画です。”返答にVineの動画を使う”というところが新しいキャンペーンといえるでしょう。
https://twitter.com/Honda/media/grid
例えば、「ホンダの車を運転したことがありません。どんな感じなの?」という質問に対して、店員(役?)が「こんな感じ!」と言って、6秒の動画でおどけた回答をしています。
Hey @bwidow752006, head to the Honda Summer Clearance Event & stop wondering: http://t.co/Tw83GrkWpX #WantNewCar
— Honda (@Honda) July 15, 2013
#wantnewcarのハッシュタグ付きのコメントは6895件に達し、約1480万インプレッションに達したようです。7/14日~16日朝までの間、“Honda”というワードは約2億4700万のインプレッションを得たそうです。
#REDWorldRecord
AIDS撲滅運動を推進している組織「RED」が6月に行ったキャンペーン。AIDS発見から32周年にあたる日に、世界中の人からVineによる動画を投稿してもらい、一日あたりのVine投稿数で世界記録を作ろうという企画です。何か赤いものを撮影した動画か、自分自身の声でメッセージを込めた動画を、#REDWorldRecordのハッシュタグを付けて投稿します。
ハッシュタグ#REDWorldRecordで検索すると、様々なVine動画を見ることができます。遠くはケニア・タイ・イギリス等、多くの国や地域から投稿があったようです。投稿者の中から抽選で1人の動画が、ニューヨークのタイムズスクエアのスクリーンに映し出されるのだとか。
映画「JOBS」トレーラー
webプロモーション活用にはVineが先行しているようですが、スティーブ・ジョブ氏の伝記映画「JOBS」の予告編がInstagramで公開されています。15秒という尺は、テレビCMの尺と同じで、情報量としても丁度良いのかもしれません。
現状、スマートフォンで撮影した動画しかアップロード出来ないInstagramですが、この動画の画質クォリティーを考えると、編集済みのビデオファイルをアップロードしているように思えます。恐らく、現在は限定的なパートナーにのみ許可されているのでしょう。いずれ、一般のユーザーも、編集等した手の込んだ動画をアップロードできるようになるといろいろ表現の幅が広がりますね。
jobsthefilmというアカウントで3本のトレーラー動画が公開されています
LAWSON 6秒間のプロモーションビデオコンテスト
日本でもVineを使ったプロモーションが行われ始めています。SNSでの取り組みをいち早く行うことで有名な、コンビニチェーンのLAWSONが、Vineを使ったプロモーションキャンペーンをまさに今、7/16~8/12の期間で行なっています。
LAWSON みんなで作るフローズンスイーツ 6秒間のプロモーションビデオコンテスト
新商品である、フローズンスイーツを題材としたプロモーション動画をVineで作成し、Twitteの公式アカウントをフォローした上で、#lawson_iceのハッシュタグで投稿すると応募完了。キャンペーンサイト上に掲載され、審査の結果、商品がプレゼントされます。
まだ登場して間もない、マイクロビデオ+SNSという表現ですが、少しづつ試行がなされ始めています。新しいキャンペーンの形として、今後、活用できる表現となっていくのか注視したく思います。
※参考サイト
ClickZ Dunkin’ Donuts Hops on Twitter’s Vine for Latest Campaign
REELSEO Honda Campaign Triples Twitter Engagement
TNW (RED) looks to set a Vine World Record to mark the 32nd anniversary of the discovery of AIDS