バリ島(インドネシア)のウェブ制作会社を訪問してみた

先週一週間、海外(インドネシア・バリ島)へ行って来ました。昨年に引き続き(参照:ジャカルタ娘達に聞いた!インドネシアのSNS・スマホ事情)、何故か最近ご縁のある2度目の訪尼でした。

チャプチャイ(インドネシアの中華風野菜炒め)が個人的にヒット。
ビンタンビールが、料理と、蒸し暑い気候にまた良く合う・・・。

春の訪れがまだ遠い日本と違い、バリ島は雨季(夜~午前中は雨で、午後は晴れでした)とはいえ、連日31度の真夏の日々が続き、すっかり黒く焼けて帰って来ました。滞在中は観光する機会もあり、バイクをレンタルしてあちこち訪問することができました。

宿泊地からバイクで1時間のタナロット寺院。道を迷いながらようやく到着。
海に浮かんでいるような岩の上に建てられている。本当は夕景が素晴らしいとか。

まさかこんな場所にこんな看板が・・・

その帰り道、再度、派手に道を迷いながらも、そろそろ市街地に差し掛かろうとした時、バイクを運転しながら視界に入った、あまりにも想定外の看板に思わず二度見してしまいました。

 !?

日常を離れたリゾート地で、あまりにも一気に日常に引き戻される文字「WEB DESIGN」。web制作会社があったのです。インドネシアでもネットは欠かせないツールになりつつあるのでしょう。とはいえ、周囲は寺や、木工所、畑などが並ぶのどかな風景。一体、どんなサイトが作られているのでしょうか。興味津々となり、フラリとオフィスにお伺いすると、インタビューにも快諾!お話を伺ってみることにしてみました。

カンプンデザイン社(kampung desain)
左:ジェイポさん(プログラマー) 右:アグスさん(デザイナー)

カンプンデザイン社のスタッフにインタビュー

 ◆どんなwebサイトを制作しているのですか?
会社プロフィールや、オンラインショップのサイトを作ることが多いです。また、バリ島は世界有数のリゾート島なので、地域柄、ホテルやヴィラ(離れの宿)のサイトや、伝統工芸(彫刻・木工)の販売サイト等を制作することが多いです。
制作事例:
Dewi Ratih Bali(バリ伝統工芸品):http://balineseumbrella.com/  
Rich Stone(石像販売):http://rich-stonebali.com/
Oshan Villas(ホテル・ヴィラ):http://oshanvillas.com/
QC 30′ AUTOMATIC CARWASH(洗車場): http://carwashindonesia.com/

◆制作体制は?
主に私達二人で担当しています。忙しい時期には、他社にヘルプをお願いすることもあります。会社には私たちの他、営業担当の社長と事務員がいます。

制作のフローとして、まずは、クライアントと打合せを行い、ニーズを聞き出すことから始まります。コンセプトを決定し、共有した上で、デザインに入ります。デザインはPhotoshopで行います。

デザインが出来上がると、JPEGなどの画像に出力して、クライアントにチェックしてもらい、修正すべきところは修正します。最終的に、クライアントの了解を得た後、プログラミングを行います。当社では、CMSを使ったサイト制作をしているので、ページ数はクライアントが好きなだけ増やせることができます。

制作のフローは、日本と全く変わらないようですね。当たり前でしょうけども。

◆インドネシアの人はどのようなデザインを好みますか?

シンプルなユーザーインターフェースを好む傾向にあると思います。なので、メニュー画面部分も、概要だけを掲出しておいて、クリックすると詳細が出てくるようなドロップダウンメニューをよく使います。

また、1カラムで構成させ、大きいサイズのヘッダーでグラフィックやメッセージを強調することが多いと思います。ファーストビューで何のサイトなのかすぐに理解できるようなデザインがクライアントから好まれます。

ただ、バリ島の会社やホテルのサイトは、世界中のいろいろな国の旅行者が見ることが多いので、あまり特にインドネシア人の好みにばかり限定することはあまりありません。 

◆大体、制作費はお幾らくらいかかりますか?

料金は制作一式を商品パッケージとして、一定の価格にしています。パッケージには、デザイン・CMS構築と、ドメイン取得/設定・ホスティング(1年間)・Eメールの利用が含まれています。

料金表を基に説明してくれました。Allインドネシア語でしたが・・・。

パッケージの種類として、ブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナの4種類を準備しています。上級になるほど、サーバ容量が大きくなったり、デザインが高度になったりします。

料金ですが、最も安価なブロンズの場合、サーバ容量は50MBで、Rp3,500,000(約31,500円)になります。制作はCMSの構築までで、コンテンツの流しこみは基本的にはクライアントにお願いしています。

現地の物価を考えると、相応の額なのでしょうが、日本ではCMSを使って一企業サイトを作るには、到底難しい額ですね・・・。ゴールドでもRp7,000,000(約6.3万円)、プラチナでもRp10,000,000(約9万円)は行かないとのことです。製造業が人件費の安さから、中国やタイからインドネシアにシフトしているとよく聞きますが、それも納得です。web制作の場合、日本語や、日本のデザイン教育の観点から難しそうですが・・・。

 ◆あ、このサイト、ソーシャルコネクトを実装していますね?

はい。最近のクライアントの多くは、FacebookやTwitterでシェアできるようにして欲しいと要望します。インドネシアではFacebookとTwitterのユーザーが多いですからね。特に若い世代でネットやスマートフォンを使っている人の殆どは、SNSを利用しています。

◆Facebookページの制作は行いますか?また、アグスさんもSNSやスマートフォンはお使いですか?

当社もFacebookページを持っていますが、残念ながらまだファンページの制作等は行なっていません。私個人的にはもちろんSNSはよく使いますよ。目的は友人とのコミュニケーションですね。小学校から専門学校の間までの沢山の友人が、今何をしているのか、どんな生活を送っているのか情報共有するために使っています。

スマートフォンは、Sony EricssonのEXPERIAを使っています。Androidですね。およそ200$くらいしました。インドネシアでは、AndroidやiPhoneよりも、ブラックベリーが一番売れていますね。若い人の殆どはブラックベリーを使っています。なので、インドネシアでは、FacebookよりもTwitterよりも、ブラックベリーメッセンジャーが最も使われているものなのかもしれませんね。SNSに分類できるかどうかわかりませんが。

 ◆ジェイポさんはFacebookは使っていますか?

 私はページを作らずに、友人のページを見ているだけですね。けっこうこういう使い方をしている人も多いですよ。なぜなら、インドネシア人は感情的になりがちで、Facebook上で喧嘩をすることも少なくありません。その結果、ブロックされたりとかされたくないので、初めから見ているだけのユーザーもいます。

シンプルで機能的なオフィス内観。

以上、バリ島で、まさかのインドネシアのウェブ制作会社の方にインタビューを敢行してきました。国ぞ違えど共通したところや、ご当地ならではの事情があったりと、興味深い時間を過ごせました。今後も海外に行った際には、現地のweb制作会社を訪問してみて、レポートしてみようと思います。

カンプンデザイン社(kampung desain)
サイト:http://www.kampungdesain.com/
Facebookページ:http://www.facebook.com/pages/Kampung-Desain/118255114866053
住所:JL Ry Kerobokan No 90 Banjar Campuhan Badung Bali
電話:+62 361 7850653
E-mail:info@kampungdesain.com 



トランジットのジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港では、前回の記事でお世話になった
ジャカルタ娘達に会って食事をご一緒してから帰国してきました。

Photo By kibitan