ジャカルタ娘達に聞いた!インドネシアのSNS・スマホ事情

先月、観光と仕事半々の目的で、インドネシアへ行って来ました。世界で4番目の人口数を誇るインドネシアは発展途中のとてもエネルギッシュな雰囲気で溢れていました。昼間は赤道直下の暑さですが、夜は冷房が要らないくらい涼しく、人々はとても親切・フレンドリー。食べ物も日本人の口に合います。私達、日本人にとってインドネシアはなかなか楽しめる国だと言えるでしょう。

写真左:ナシゴレン。いわゆるチャーハン。毎日食べていました。 写真右:サテー。いわゆる焼き鳥です。ピーナッツ風味の甘味噌が鶏肉・牛肉に合います。

観光で訪れたのは、首都ジャカルタから国内便で一時間ほど離れたジョグジャカルタという、日本でいうと京都のような地方都市で、様々な遺跡で有名な素敵なところでした。帰り道、ジャカルタに寄って撮影の仕事を行ったのですが、その時、お世話してくれたのがNさん。日本語を勉強中で、ある程度は話せるため、現地人とのコミュニケーションの際にとても助けて下さいました。人懐こい彼等とのコミュニケーションの思い出とともに、親インドネシアの感情を抱きつつ、帰国の途につきました。


写真左:昔からずっと行きたかった仏教遺跡のボロブドゥール。実は祇園祭・南観音山のルーツがここにあるのです…。それはまた別の機会で。 写真右:撮影でお世話になったジャカルタの食品会社の皆さん。

「デラさん、こんにちはー!」公衆電話からの電話の着信は、インドネシアでお世話になったNさん。友人3人とともに、先週日本に遊びに来たのです。恩返しの意味もこめて、お台場・秋葉原と案内してきました。

以前、弊社黒沼の記事「Facebookで、とにかくファン数を増やしたい時に使える裏技」で、インドネシアのFacebookユーザーの多さとアクティブユーザーの多さについてお伝えしましたが、果たして、現実は一体どうなっているのでしょうか。インドネシアのSNSサービスやスマートフォン事情についてインタビューしてみました。

ジャカルタ娘達のバックグラウンド

4人は数年前に日本語会話の教室で知り合って以来の仲とのことで、Nさん以外は日本語は殆ど忘れてしまい、話せるのは挨拶程度。Nさんは、ゆっくり平易な日本語であれば日常会話ができる程度でしょうか。4人とも英語は達者です。彼女達の年齢は、26~28歳。大学を卒業して4~5年程度の社会人経験があるようです。いわゆるホワイトカラーに属し、食品メーカー(人事部)・金融関係・役所などに勤めているとのことでした。

インタビュー開始

彼女たちたっての希望で、秋葉原のメイド喫茶へ。「おいしくなぁ~れ。萌え萌えキュン♥」と、メイドさんとおまじないをかけたドリンクを飲みつつ、インタビュー開始。

◆皆さんはFacebookなどのSNSは使っているんですか?
「よく使いますよ。」「私はFacebookよりTwitterのほうが好きです。」

◆どんな目的で使うことが多いですか?
「仲間を増やすためかな…」「古い友達がどうしているか分かるし…」「古い友達だけでなく、新しい友達にも会えるのが楽しいですね。彼らが何を考えているか話を聞けるし、写真なんかも見ることができますし。インドネシアの人たちは社交的ですので、ソーシャルネットワークを使うのが好きなのでしょう。」

◆SNSを使うとき、どんなデバイスを使いますか?
「PCだったり、スマートフォンを使いますね。」

◆スマートフォンはどんな機種を使っていますか?
「(3人が声を併せて)Blackberry!」「私はAndroid」

◆Blackberry!インドネシアではBlackberryは人気があるんですか?
「はい。とてもとても人気です。」「多分、スマートフォンのシェアの半分くらいはBlackberryで、次がアンドロイド、最後がiPhoneだと思います。」「インドネシアではiPhoneは高いんです。端末のモデルにもよりますが、560万ルピア(約5.6万円)くらいするんです。Blackberryはその半分位で買えます。Androidの端末は350万ルピアくらい。SAMSUNGの端末なら150万ルピアくらいかな。」

「日本でiPhoneを買ったら、インドネシアで使えますか?」
「たぶんだめでしょう。なぜなら、日本のキャリアの制限がとても厳しいですから。ですから、おそらくインドネシアでは日本のiPhoneは使えないと思います。」
「残念ですねー。ここ(日本)では安いですか?」
「日本では同じキャリアーを2年使うという契約を結ぶと無料でiPhoneが使えることもありますよ。」
「おー!!(4人、感嘆の声)」「羨ましいですね…。」

写真左:まずはお台場散策。仕事で行くことは多いですが、観光で行くのは初めてかも…。 写真右:ランチのリクエストに「お好み焼き」。インドネシアで年に数回開かれる日本にまつわる祭でお好み焼き・たこ焼きの味を知ったのだとか。ただ、全員ムスリムのため、豚肉の入っていないメニューで。

◆BlackberryでFacebookを使うのですか?
「私はたまにですね、パソコンかラップトップのほうを使います。多くの人はBlackberryでFacebookを更新しますが、私はあまりしません。頻繁には更新しないんです。」「私も同じ感じですね。あまり書き込みたくない…」「フェイスブックは友達と繋がっているために使いますが、あまりプライベートを人とシェアしたくないんです。」

◆インドネシアの企業がフェイスブックにファンページを設けることは多いのですか?
「ファンページを持っているところもあります。」「Nさんの勤める食品会社もファンページがあります。」

◆企業のファンページはよくチェックしたりするのですか?
「はい。私はよくチェックします。私のデジタルカメラはPanasonicのLumixですが、最新のモデルの情報をファンページやwebをチェックして購入を決めました。」「私はときどきチェックします。新しいキャンペーンをチェックするのは好きです。」

◆日本では最近、Facebookで企業が行うキャンペーンの事例が多くなっていますが、インドネシアでも多いですか?
「Nさんの食品会社の商品は全てFacebookに情報を掲載しています。クイズに答えるとプレゼントが貰えるといったキャンペーンもよく行なっています。」

「私が今の会社に転職したのも、リクルートメント活動はFacebookで行ったんです。私はファインス、IT、コンピューターエンジニアリングなどの分野で探した結果、今の仕事に就きました。」「私は会社の人事部で中途採用を担当していますが、求人をするとき、私が情報をまとめてFacebookでアナウンスしています。けっこう頻繁に行なっていますよ。」

「日本ではFacebookでの求人などはあまり無いのですか?」
「日本では昨年くらいからFacebook人気が高まり始めたので、まだ発展途上ですが、最近ではリクルート活動にFacebookを活用する事例も増えていますよ。」
「日本ではツイッターとフェイスブックはどちらが人気がありますか。」
「日本ではTwitterの方が先に普及したので、ユーザー数でもTwitterの方が多いですよ。」
(以下、日本のSNS事情について逆インタビュー。)

お好み焼きは大好評。ですが、途中から4人がバッグから取り出したのはインドネシアのチリソース。日本人が海外に醤油を持っていくようなものでしょうか。私も試してみましたが、あら不思議。海鮮塩焼きそばが、たちまちミーゴレンに早変わり。

「インドネシアの人は、本当にソーシャルネットワーキングが好きです。たぶんほとんどの人がTwitetr、FacebookとLinkedinを使っています。」

「Linkedin」 http://www.linkedin.com/ ビジネスに特化したサービスを特徴としており、2011年3月現在の登録ユーザーは全世界で1億人を超える。利用者の履歴書情報を中心とし、サービスの中で求人や商談を行ったり、専門家とコンタクトを取ることができる。日本語対応・日本向ローカライズは現在のところ未対応。
→参考:Linkedinが変えるビジネスマッチング http://www.linkedin-jp.com/start/start.html 

◆いつごろからソーシャルネットワークを使うようになりましたか。2-3年前?
「いえ、もっと前です。Facebookが流行る以前からです。Friendster)がありました。その後Facebookに。ミュージシャンはマイスペース(My Space)を使うことが多いですね。」

◆随分沢山の種類のSNSを使っていますね?
「Facebook、LinkedinにTwitter!」「私は沢山使っていますよ。Facebook・Twitter・Multipy・Linkedin・MySpace。」「私はFacebookとTwitterの2つだけ。」「Linkedin・Facebook・Twitterです。」

「日本人はmixi使うでしょう?」
「mixi知ってるの?皆さんもmixi使ってるの?」
「いいえ。私たちはメールアドレスが使えないので会員になれません」
「あ、そうか!携帯電話のメールアドレスが必要ですもんね。」(私も先日、会員になろうと思ったところ、携帯メルアドが無く会員になれなかったことが…)
「そうなんです。本当は、mixiで日本の情報を知りたいんですけどね…」
「どんな情報を知りたいのですか?」
「日本のドラマやアイドル・歌手の情報を知りたいですね。(4人中2人はジャニーズの大ファンで、DVDを大量に買っていました。明日は原宿に行くとはしゃいでいました)日本ではちょっと古いですが『さよならが言えなくて』が人気があります。」「Twitterで日本の情報もよく得ています。ドラマとか歌とか。地震の時も頻繁に情報が発信されていましたね。」「Twitterは日本の情報を知るにはとても重要なツールです。」 

写真左:4人中3人はBlackberry。 写真右:AKB48に大興奮。とにかく日本のアイドルや歌手・アニメが大好きなのだとか。

 インタビュー後、秋葉原の電気街で海外向けのお店を何店か回りました。Nさんはデジカメとお母さんへのお土産に時計を買っていくのだとか。しかし、外国人の方を連れて歩くと、改めて思うのですが、お台場も秋葉原も外国人の観光客の方が本当に多いですね。

次にジャカルタに来た時は必ず連絡くださいね、と告げられ、4人とはお別れしました。先月のインドネシア滞在中から、そのフレンドリーな国民性を感じていましたが、社交性が高いインドネシア人の国民性がSNSとマッチしたからこそ広く普及したのだろうと、強く感じさせられました。以上、インドネシアのSNS・スマホ事情についてのレポートでした。