みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。
気付けばFacebook上で繋がっている「友達」が、仕事関係の人間ばかりになってしまっていることって結構ありますよね?
始めはリアル友達だらけだった繋がりも、仕事で挨拶を交わした人が一人増え、二人増え…。
そうなってしまうと、Facebookに投稿する内容が、意識せずとも、仕事関係者に見られても大丈夫なものになりがちで、もう少し趣味の投稿をしたいのに…と思っている人も多いのではないかと思います。
であれば、好きなもの同士で繋がっちゃえばいいじゃん!ということで、特化型のコミュニケーションサービスが色々と台頭してきています。2年ほど前にご紹介したように、かなりピンポイントなジャンルに絞ったサービスもあるわけですが、対象となる母数が多くないため、登録者数にも限度がるというデメリットもあります。
そこで、サービス自体をジャンルに絞るのではなく、多くの利用者を確保し、その中から同じ趣味を持つ人同士が繋がるというスタイルを取るサービスが出てきました。
同じ趣味の人と繋がる「metoo」
新しくサービスが始まった「metoo」は、多くの利用者の中から同じ趣味の人と繋がり交流することに重点をおいたサービスです。
基本的にはスマートフォン上でアプリを介して利用するサービスで、サービス紹介のサイト(PC)を見てみると、“気軽に”であるとか“趣味”といったフレーズがサイト上に散りばめられており、Facebookのように生活に密着したSNSと異なる立ち位置であることが分かります。
それが最も顕著なのは、「FacebookやTwitter」というサービスをこれまで通り使いながら、「“趣味”を通じたコミュニケーションに使ってね」と明確に宣言しているところでしょうか。
どうせ「FacebookとかTwitterとか」の代わりにはなりえないし…という空気を感じないこともないですね…。
登録は入力フォームを使用したもの以外にも、FacebookやTwitterのアカウントを使って利用することができます。
ただ、Twitterアカウントを使って登録してみたのですが、Twitter認証後に色々と入力するフォームが出てくるために、結果的にTwitterのアカウントを使わなかったとしても手間はあまり変わらないのでは?と思ってしまいました。
インターフェイスや使い勝手は、FacebookやTwitterとは少し違ったものになっており、慣れるまでに少し時間が掛かるかもしれません。
自分から情報を発信する場合、まず「トピックの作成」といった形で、世界中のユーザーに向けて、交流したいトピックを作成する必要があります。
そのトピックを軸にして、コミュニケーションが発生する訳ですが、例えば「おススメの○○は何ですか?」というトピックに対して、それを見た同じ趣味や嗜好を持つ他のユーザーが「ポスト」というアクションで、「自分がおススメする○○」をトピックに対して発言していく流れになります。
「トピック」というのは他のユーザーに対しての問いかけで、「ポスト」がその返答というとイメージしやすいと思います。
「ポスト」ごとに「コメント」や「metoo」ボタン(Facebookの「いいね!」と同じようなボタン)で、コミュニケーションを行うことができます。「トピック」を立てなくても「ポスト」だけでの参加も可能です。
全体的な印象としては、SNSというよりはコミュニケーション機能が付いた掲示板(BBS)に近いように思います。
各「トピック」の作成時に“タグ”を付与することによって、自分に興味がある「トピック」を“タグ”によって探し出すことができます。
また、その他の特徴としては、「トピック」や「ポスト」を作成する際に、「Google翻訳」の機能が付与されている点が挙げられます。
サービスの紹介サイト上でもしきりにアピールされている通り、世界中のユーザー同士の交流を想定しているためだと考えられます。
「トピック」を眺めてみると日本のユーザーがほとんどであるようで、今のところ必要性は感じませんが、今後のユーザー登録状況次第では、とても重要な機能となるかもしれません。
そういえば、Facebookもニュースフィードに表示される投稿に、「翻訳する」という機能がついていましたが、その変わりといったところでしょうか。
特化型SNSは市民権を得られるか?
「metoo」は、サービス自体は特定のジャンルをターゲットとしたものではありませんが、サービス内での情報カテゴリを細分化して、そのカテゴリごとにユーザーが交流を行えるよな仕組みが用意されています。
骨格としては、掲示板サービスに近い形を取っていると思いますが、ユーザー交流の方法(コメントや「metoo」ボタン)は、SNS的な手法を取っており、掲示板とSNSのいいとこどりのサービスのように感じます。
そういった点から、FacebookやTwitterに取って代わるものではなく、新たなサービスとして利用してもらうという狙いは自然な流れなのかもしれません。
では、この趣味性の高いコミュニケーションに特化したサービスが、多くのユーザーに受け入れられるのかどうかというと、2つの大きな障壁が存在しているのではないかと考えています。具体的には2つのサービスなのですが…。
①コミュニケーション重視であれば「Twitter」
Twitterは匿名やニックネームで利用しているユーザーも多く、リアルな友達との関係以外でも、趣味専用のアカウントを作ってして、1人のユーザーが複数アカウントを使い分けているケースがしばしば見受けられます。
特に多いと感じるのは、アニメや漫画、アイドルや音楽等の趣味のアカウントで、プロフィールアイコンがすでにお気に入りのキャラクターやアイドルになっているなど、かなり趣味性の高い利用が既に行われています。
そういったファン同士の繋がりがすでに出来上がっているものに、取って代わることができるかどうかというのが1つ目のポイント。
②趣味性の高い生の情報であれば「2ちゃんねる」
本音に近い「生の声」を聞くという面では、匿名掲示板の「2ちゃんねる」は、未だに多くのユーザーが利用しています。
もちろんノイズ情報も多く、「ステマ」が行われていることも大きく取り上げられましたが、専門的で趣味性の高い「板」が多く存在し、かなりマニアックな情報がやり取りされています。
その匿名性が高いリアルな情報交流が行えるかどうかというのが、2つ目のポイントになると考えられます。
他にも、公正な議論や交流であれば「Facebook」、友達との直接的な連絡手段として「LINE」等、すでにあらゆる交流のスタイルごとにメジャーなサービスが存在しているため、新たなカテゴリを創造しようとしているのではないかと想像できます。
もちろん、同じサービスを継続的に使っているユーザーの中には、“飽きて”しまったり、“疲れて”しまったりする人達も出てくことは間違いありません。そういった中、これまでの“しがらみ”から解放されて、自由なコミュニケーションを行いたいユーザーにとって、新天地として「metoo」が受け入れられる可能性は捨てきれません。
とはいえ、サービスは始まったばかりですので、これからどんどんアップデートされていくはずです。ユーザーの利用状況を見極め、一歩一歩継続的に改善されていけば、新たなコミュニケーションツールとして、存在感を示すことができるのではないでしょうか。
アクトゼロ / 山田