こんにちは、アクトゼロの山田です。
ここ数年のインターネット広告の流れの中で、じわじわとその存在感を増し、いつしか主役級にまで成長したのがインフィード広告です。
プラットフォームごと、場合によっては、ネイティブ広告などと言われたりしますが、従来型の広告とは明らかに異なるアプローチでインターネットユーザーに接触を計る広告の形態です。
スマートフォン時代に合ったインフィード広告
「インフィード広告」の定義としては、ソーシャルメディア、例えば、FacebookのニュースフィードやTwitterのタイムラインといった様々な投稿が表示されるエリア(フィード)の中に掲示される広告を指します。ただ、現在はソーシャルメディアだけでなく、ニュースメディアやキュレーションメディアといった情報発信型メディア(ニュースメディア)も、ソーシャルメディアのフィード形式を取り入れたものが多く、そういったメディア上での露出もインフィード広告に含まれています。スマートフォンの普及によって、ソーシャルメディアの利用が急速に広まり、情報をフィード形式に表示することが一般化したことから生まれた、正に時代が生んだ広告の形と言えます。
このインフィード広告という言葉の認知も含め、一気に盛り上がるきっかけとなったのは、昨年ヤフーが「インフィード広告」をリリースしたことによります。日本で最も有名なサイトと言える「Yahoo! JAPAN」のスマホ版トップページが、ソーシャルメディアライクなタイムライン形式にリニューアルされたことにより導入されました。以前より、日本におけるインターネット広告の分野では、「Yahoo! JAPAN」のブランドの持つ力は圧倒的で、インフィード広告の利用で、そのトップページに広告を出稿できるようになったことから、大きな話題になりました。また、「Yahoo! JAPAN」は知名度だけなく、配信面として捉えた際にも、クリーンなイメージを持つブランドであるため、多くの企業にとって、自社のイメージを損なうことがない魅力的な媒体です。
そして、ヤフーだけでなく、「LINE」も今年の6月に「LINE Ads Platform」の本格運用を開始したことで、さらにインフィード広告が注目を浴びることになります。「LINE」のインフィード広告は、Facebookと同様にLINEのタイムライン、さらに、フィード形式で記事が掲載されている「LINE NEWS」も配信面として設定されています。日本におけるコミュニケーションツールとしては最大規模を誇る「LINE」のインフィード広告が本格化されたことで、今後より一層「インフィード広告」全体が盛り上がっていくことは間違いなさそうです。
伝え方は「コンテンツ的な見え方」を意識して
このインフィード広告、配信される広告面の関係から、これまでの広告クリエイティブ(バナー等)とは大きく異なる考え方が必要です。つまり、いかにも広告然とした訴求をメインとしたもの、例えば「価格が安い」や「数量限定」といったものでは、表示される際に前後の文脈を無視した「異質なもの」として、ユーザーにとってネガティブな印象を与え、効果を生み出しにくいと考えられます。そのため、あくまでも、フィード内の他の投稿(記事)を意識し、コンテンツ的な見え方を意識する必要があります。
こういったクリエイティブの考え方は、FacebookやTwitterの(オーガニックでの)運用に似ており、フィードという様々な情報が流れる中にあって、ユーザーの目に留め、興味を抱かせクリックを誘発させなければなりません。そのためには、商売っ気を感じさせるのではなく、広告に接触したインターネットユーザーにとって有益な何かを感じ取ってもらうことが必要なのです。フィードの文脈の中で、広告を通じ、その先にある「何か」に興味を抱かせ、クリックのモチベーションへと繋げてきます。
そういった意味では、インフィード広告という新たな広告配信の“面”が生まれてきたことによって、インターネット広告を介したコミュニケーションというものが、新たな時代に突入したと言えるかもしれません。
アクトゼロ / 山田