日常のソーシャルメディアで目にする、友達の子供の写真。可愛らしい姿に目を細める機会も多いのではないでしょうか。子供の成長の姿を、友人に見せたい親心というものでしょう。

その一方、友人間の限定公開とはいえ、インターネット上に公開したデータは何らかの形で保存され、公開され続けられる可能性があります。友人間による内々だけのやりとりだと思っていたTwitterやLINE上で、不適切な投稿が炎上して身元が匿名・暴露される事象も昨今多く見られます。

こうしたネット上の情報を、悪意を持った人間に利用される可能性は無いとは限りません。子供の顔は勿論、普段親から呼ばれる呼び名が分かるだけでなく、タイムラインの他の投稿から、その家庭の生活圏・そして生活ぶりまで…。Googleストリートビューを使えば、住居のロケハンがPCの前でも可能です。SNS投稿が、犯罪のヒントを与えているかもしれない危険性を認識しなければならないと私は常々思っています。（参考：SNSに公開している写真、大丈夫？Exifから分かってしまう個人情報）

家族内向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」

https://mitene.us/

先日13日、株式会社ミクシィが公開したスマートフォン向けアプリ「家族アルバム みてね」は、スマホで撮影された写真や動画を、家族間だけで共有するためのアプリです。ミクシィ創業者で取締役会長の笠原氏が手がけるプロジェクトで、自らの娘さんの写真を親と共有する際に困った経験から開発したのだとか。

アプリは子供の親がアルバムを作成し、写真や動画をアップロード。写真・動画を閲覧できるのは、親が招待した家族のみなので安心して共有することができます。また、写真によって共有範囲を夫婦間だけに限ることも可能。招待側は送られたメールに記載されているURLからブラウザで閲覧することができます。”みたよ”と閲覧履歴が残ったり、メッセージのやり取りをすることもできます。

アップロードされた写真は撮影日順で自動的に整理されたり、動画を20本以上アップロードすると、1秒づつ切り取ったダイジェスト動画が自動的に作成され、手軽に成長の様子を見ることができます。このアプリの利用には料金は無料で容量も無制限となっています。

アルバムを作成するには、パパかママによって行われます。今回、このアプリを試すために、私の妹Nに協力してもらいました。度々私の記事で登場してきますが、現在、次の5月に2歳の誕生日を迎える予定の娘の子育てに奮闘中です。ちなみに、旦那のO君はいまだガラケー主義なので、今回出番がありませんでした。

妹のスマホの画面がカメラで撮影したもののため画質が悪くてすみません。お母さんの情報を入力してアルバムを作成すると、子供の名前・性別・誕生日を入力します。

 続いて、家族をアルバムに招待します。デフォルトにおじはなく、”親戚ほか”で私のアカウントを作成してメールを送ります。

下の左画像は、招待された私に届いたメールの画面。アルバムにアクセスできるURLが通知されます。下の右画像は、お母さん側の端末の様子で、みてね上に公開する写真をスマホの中から選択します。アップロードする際に、家族全員に公開か夫婦間のみに公開するかを選択できます。

招待された側は、URLをクリックすると、親側が公開した写真・動画を閲覧できます。閲覧すると、親側に”みたよ”の通知があります。写真を見てのメッセージのやりとりもできます。

ほんの少しの間しか使っていませんが、公開側（親側）も勿論ですが、招待側のインターフェースが非常に簡単に設計されているのが良かったです。遠方の年老いた両親が使うことを想定していることがよく分かり、「これならうちの親でも使えそう」と思えると思います。

逆に要望としては、まずはPCからのアップロードに対応してもらいたいと思いました。これまでの写真・動画は、全てがスマホに保存されている訳ではなく、PCに保存している人も多いでしょう。また、スマホではなく、デジカメやビデオカメラで撮影した写真・動画も公開したくなるはず。

また、写真・動画の公開は、親から招待側だけの一方通行ですが、招待側にも公開権限を付与できる仕組みも欲しい所です。例えば、親側が検閲した上で公開を許可する仕組みがあればと思いました。

ここ最近、匿名型や、クローズド型のSNSが注目されてきていますが、セキュアに家族や親戚間のみで写真・動画を共有できるクローズなSNS「みてね」の今後の改善が楽しみです。

プレスリリース：http://mixi.co.jp/press/2015/0413/16143/

Photo by seasmoked