動画もOKだった!かなり便利な飛行機内WiFi ~JALのサービスを国際便で検証!

忙しいビジネスの最中、インターネットから離れることができる唯一の時間といえば、出張などの際の”飛行機での移動中”を思い出すのではないでしょうか。スマホの電源を切って、ゆっくりとコーヒーでも飲みながら機内誌や景色を眺める安らぎの非日常な一時を楽しみにする方も多いと思います。

ところが、現在ではそれは昔の話となりつつあります。2014年、JAL・スカイマークと、国内線の各キャリアで機内WiFi接続サービスが開始されました。JALの場合、時間・距離に応じて400円~の有料で、スカイマークに至っては無料で機内でインターネットにWiFi経由で接続することができます。

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国際線に目を向けると、実は機内WiFiによるインターネット接続サービスは2000年代初頭に、ボーイング社による「Connexion by Boeing」というサービスが各キャリアで行われていました。しかし、今日ほどスマホなど、WiFiに接続できる機器が普及していないこともあり、2006年にひっそりと撤退しています。

その後、我が国の航空会社では、2012年7月、JALが国際線機内インターネット接続サービス 「JAL SKY Wi-Fi」を、ニューヨーク線でサービスを開始し、現在では8路線でサービスを展開しています。ANAでも2014年3月より「ANA Wi-Fiサービス」と称し、サービスを開始しました。

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 https://www.jal.co.jp/inflight/inter/sky_wifi/

通信は航空機の上空に飛んでいる衛星経由で行われ、地上の基地局と通信してインターネットへ接続しています。成田~ニューヨーク間の飛行ルートでは3~4個の通信衛星でカバーしているため、飛行エリアごとにカバーしている通信衛星を乗り継ぎながら通信を確保しているのだとか。

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https://www.ituaj.jp/wp-content/uploads/2013/04/2013_05-3_spsky.pdfより

先日、インドネシアのバリ・ジャカルタに行って来た際、モバイル通信に関する記事(その1その2)をお送りしましたが、この時搭乗したJALの飛行機で、実際に「JAL SKY Wi-Fi」を使ってみました。今日はその時のレポートをお届けします。

「JAL SKY Wi-Fi」を使ってみる

 JALの成田発ジャカルタ行きのJL725便は、WiFiサービスを行っている機材を使っています。事前にwebで調べることもできますし、対応機材の搭乗口付近や、機内にはマークが掲げてあります。

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離陸し、しばらくすると「ポーン」という音とともにベルト着用サインが消灯し、席を離れてトイレに行ったり、座席を倒したりできるようになりますが、この時からWiFi接続サービスも開始されます。

座席には接続ガイドが準備されていました。早速、PCとクレジットカードで契約を行います。1時間限定のプラン($11.95)か、搭乗中の区間ずっと使えるフライトプラン($21.95)が選べます。2015年3月末までは、およそ10%程度の割引キャンペンが行われています。JALカードだと更に10%程度OFFになります。

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PCでWiFi接続先を探すと、 Japan Airlinesの表示があるので接続し、ブラウザを立ち上げると、申込画面が立ち上がります。緯度の高い北極圏の近くなど飛行ルートや、荒天により使えないこともあるのだとか。ジャカルタへは日本から南下するので北極圏は関係ありませんし、今日は快晴なので接続は大丈夫でしょう。

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フローに従って申し込みを進めていくと、途中からサービスの提供元と思われる、ドイツに本拠地を置く通信会社Tmobileの決済画面に遷移しますが、フローに従えば問題なく手続きできます。もちろん日本語表記ですので不安なく進めることができます。全ての手続きが終われば接続に成功です。

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この時点で静岡上空といったところでしょうか。早速、回線速度を計測してみます。下り・上りとも3回計測してみました。下りは296.94kbps、122.15kbps、317.34kbps。上りは201.28kbps、196.57kbps、201.51kbpsという結果でした。航空機の中だと思えば健闘しているといえるでしょう。動画の視聴や、重いサイトを閲覧するには力不足ですが、テキストによるメールの送受信であれば問題なく行えるレベルといったところでしょうか。

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ここから先は、PCをしまい、スマートフォンから接続していきます。なお、このサービスでは1つのIDで接続できる端末は1台のみになります。同じID・PWでスマホからログインすると、PCの方は排他されていました。

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スマートフォンで接続した頃、飛行機は四国に差し掛かるところでした。この時点で速度を計測すると、下り平均1.26Mbps、上り平均0.42Mbpsと、先程よりもかなり良い結果が出ました。

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この位の速度が出ていれば、辛うじて動画のストリーミングも視聴可能でした。(大分、ブロックノイズが目立ちますが、コマ落ちはそれほど起こりませんでした。)

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沖縄から先、日本の領海を離れ、台湾の方が近くなってきた頃計測。上りは厳しいですが、下りはなかなかよい感じの速度が出ています。

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完全に海外に。台湾とフィリピンの間辺りでは、下り3Mbps超えの時もあり、絶好調です。

20141219_16インドネシアに入り、赤道上あたりの位置では、下り平均で3Mbps超えとなりました。

20141219_17海外からのアクセスになりますが、日本国内のwebサービスも問題なく利用できます。Facebook・Twitter・LINEなど、SNSは勿論、amazon.co.jpも問題なく機内から購入手続きをすることができました。

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使ってみると、地上に居るときとほとんど変わることなくインターネットに接続し、ネット閲覧やメールの送受信をすることができました。ネットが使えることで、出張時など機内でも仕事しなければなくなる人もでてきますが、日常的にスマートフォン等を使っているユーザーにとっては長時間のフライトでも退屈せずに過ごすことができるようになるでしょう。

これまで、準備された映画や音楽・機内誌しかエンターテイメントが無かった環境から、機内での新たな過ごし方が選択できるようになった変化は大きいと思います。