映像広告・テレビCMのマルチユース~デジタルサイネージ

皆さん、こんにちは。アクトゼロの記事で、映像関係のコンテンツを担当している高寺です。

字幕付きのTVCM

TVCM、それは、映像による広告手段で、誰もが真っ先に思い浮かべる手法ではないでしょうか。1953年、民放テレビ開局に伴い、我が国で初めてテレビでCMが流されて以来、現在においても大衆に対して、宣伝・広報において強い影響を与え続けているといえるでしょう。そんなTVCMで少しこれまでと違う取り組みが開始しました。

花王、字幕付きCMの放送を開始(2012年1月13日AdverTimes

花王は13日から、一社提供番組「A-Studio」(TBS系列)で字幕付きのテレビCMを出稿する。地上デジタル放送の一機能として視聴者が字幕の有無を選べる、クローズド・キャプション方式を採用した。 <中略> 日本民間放送連盟が2010年2月に字幕付きCMのワーキンググループを設け、翌11年9月に試験放送に関する留意事項を取りまとめたほか、在京5局が試験的に受け入れ体制を整えるなど、字幕付きCM放送のための整備は進んでいる。
 

通常のテレビ番組のセリフ等と同様に、視聴者のリモコン操作等によって、画面に「字幕」を表示することができる。 ※画像は花王ニュースリリース『「字幕付きのテレビコマーシャル」を試験的に放映』より。

難聴者や、視聴者の高齢化だけでなく、テレビの視聴スタイルの多様化によって、音声を消した状態での視聴にも対応するのが目的のようです。

先行している字幕入りCM~デジタルサイネージ

字幕入りTVCMと聞いて、連想されるのは電車内のデジタルサイネージです。専用のコンテンツを制作・放映しているケースも多く見られますが、同じくらいの割合で、TVCMに字幕を挿入したものを放映しているケースも多くみられます。本来、TVCMは映像と音声で構成して視聴者に訴求するものですが、電車内という密閉された特殊な環境のため、利用者の便宜を考えた結果、レギュレーションとして映像だけによる表現に限ったのでしょう。前例の字幕入りTVCMを、そのままサイネージに転用するといったこともいずれ可能になるのではないでしょうか。

デジタルサイネージ(Digital Signage)とは、コンビニやスーパー、駅構内や電車内、街頭などで、映像ディスプレイに表示する広告のことを示します。4マス(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)や、webに続く媒体として注目されており、2016年には1兆円の市場規模に広がるとも言われています。とくに近年、技術の進化により、液晶パネルやネットワーク環境のコストがこなれてきたこともあり、よりその存在感を強めています。

出稿側から見て、デジタルサイネージの利点として挙げられるのは、街中での生活導線においても情報を訴求する機会を生み出せたという点でしょう。「外出時」にデジタルサイネージによるプロモーションで商品・サービスを“刷り込み”、「帰宅後」に接触する既存メディアで“刷り込み”を“認知”に変化させて購買につなげることが可能になります。


 また、デジタルサイネージは、条件に応じて放映・表示するコンテンツを変化させることが可能な点も魅力でしょう。時間帯に応じてサイネージ前を通過する視聴者に応じてコンテンツを変えたり、顔認識を用いて視聴者の性別・年代に応じたコンテンツを変化させることができます。また、そもそも設置するロケーションにより、他媒体と比べ、細かくセグメントされたターゲットにリーチすることができます。

 訴求したい商品の特性に応じて、柔軟かつ効率的な広報戦略を立てやすいのが、デジタルサイネージの利点の一つと言えるでしょう。

課題

現在、デジタルサイネージが抱える課題として、素材として入稿するフォーマットが統一されていないことが挙げられます。先に挙げた、字幕入りTVCMの例も、前述の記事によると、”局で字幕方式が異なったりするため、字幕付きCMを一般的なCM同様に放送するには、まだ道のりは遠い”ようです。同じTVCM同士であっても統一されていないことは、他媒体であるデジタルサイネージとの統一などはその先と言えるでしょう。

鉄道内デジタルサイネージにしても、鉄道業者や路線が異なると、画面のアスペクト比(縦横の比率。旧来のテレビが4:3、最近の標準である横長テレビが16:9)も異なったりしているため、モニターの規格を活用できていないコンテンツをしばしば目撃します。この辺りの統一の無さも、出稿側・制作側にとっては大きな課題です。

 

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