4割のユーザーはダウンロードの参考に視聴する!?スマホのアプリ紹介動画

企業向けの映像といえば、マニュアルビデオ等の社内利用目的のものの他に、会社案内や商品/サービス紹介といった対外的なPR利用目的のものがよく制作されると思います。これらの映像の流通形態は、DVDや古くはVHSテープなどに記録して配布・上映する流れよりも、近年ではwebに公開することでより多くの人に簡便に視聴してもらう流れが主流になっています。

弊社でも様々な作品を制作させて頂いていますが、最近、特に目立ってきたジャンルとして挙げられるのが「アプリ紹介動画」です。これはスマートフォンの普及とともに、利用者がアプリを購入・ダウンロードすることが日常の行動になった証といえるのではないでしょうか。

増加し続けるスマホアプリと動画による紹介

実際、公開されているスマホ向けアプリ数は非常に多く、調べてみると、世界全体の数字として、Androidで663464本(2013.3.16現在)・iPhoneで775,000本以上(2013.1.7Apple Press Infoより)がこの世に存在しているようです。

Androidアプリ数の推移(http://www.appbrain.com/stats/number-of-android-appsより)

AndroidのアプリDLサイト「GooglePlay」では、各アプリごとに内容を説明した文章やスクリーンキャプチャの画像の他に、YouTubeにアップロードした動画も掲載することができます。(動画公開はマストではないため、掲載していないアプリもあります。)

限られた文章とテキストでは伝えきれないアプリについての情報、実際にインストールした後の使用感を動画で伝えることができます。 

(左:Android画面 右:PC画面)

また、 アプリの存在自体を知らなかったユーザーに対してもYouTube経由で認知させたり、バイラルさせることも可能ですし、そのままYouTube動画広告の素材としても利用することができます。アプリを普及させたい制作・販売側としては、少しでもアプリの魅力を伝える手法として注目されています。Googleplayの”人気のアプリ(有料)”のベスト50を調べてみると、半数以上である26アプリに、何らかしらの動画がアップされていました。(2013.3.17調査)

約4割のユーザーは動画を参考にしている

では、実際のユーザーは、アプリをダウンロードする際にこうした動画を参考にしているのでしょうか?情報をネットで探してみたのですが、残念ながら都合の良いものを見つけることができなかったため、弊社独自にインターネットユーザーに対してアンケートを行なってみました。

モリタポータル コッソリアンケートを利用:結果

約40%のユーザーは動画を参考にしていることが分かりました。(よく参考にしている:17.8% たまに参考にしている:21.2%) あまり参考にすることはないが、アプリ紹介動画を視聴したことがある層も含めると、53%=半数以上のユーザーは、一度以上はアプリ紹介動画を目にしたことがあるといえるでしょう。以下、ユーザーからのご意見です。(原文ママ)

<参考にしている側>
・ 説明だけじゃよく分からない場合が多いからすぐ理解するには動画見た方が早い
・ 操作感が知りたい物などで、たまに参考にしてます。
・やっぱり動画があると落とすとき分かりやすくていい。動画は短くて、余計な文字だけの画面とかないほうがもっといい。
・似たような機能のソフトをどれにしようかと迷った時、比較の参考にするのに動画見たりすることはあるよ。
・アプリに関わらず、動作を詳しく知らないものを購入検討する時に動画がついてればたいてい見るよ
・動作速度とか操作に対しての反応の良さが見たいときは動画が参考になる

<参考にしていない側>
・そもそもGoogle Playというものを利用したことがないしするつもりもない
・説明やスクショで分かる事が多いので動画はまず見ませんが説明やスクショだけだとなかなか気付けない小ネタや便利機能みたいなものが動画だと説明してあります、みたいな形だと動画を見ようって思えます
・別に動画は参考にしないな、動画は都合の良い宣伝でしかないと思ってる 個人ブログ漁って個人の感想を聞くほうがいい
・どうも動画っていう形式じたいがまだるっこしくて見る気がしない。動画そのものを鑑賞する目的ならいいけど、何かの説明とかはもう面倒だから文字にしてくれと切実に思う。ちょっと戻って見直すとかの微調整やりにくいし。 

どんなアプリ紹介動画があるのか? 

公開されているアプリ紹介動画を見ていると、いくつかの種類に分けられるようです。Googleplayの”人気のアプリ(有料)”のトップ100の動画からいくつかご紹介します。 

<VPタイプ>
 アプリの魅力を紹介するために、訴求点などをまとめて構成したり、CGやテロップ等を活用してインパクトを与えつつ分かりやすく制作したものです。高度な専門技術が必要なので、制作会社が制作することが多いと思います。Googleplayに掲載する目的だけでなく、webサイトに掲載したり、店頭や街頭等のデジタルサイネージに掲出させる目的を兼ねて制作することが多いようです。

<CMタイプ>
テレビCM等をそのまま流用したパターンです。15秒や30秒と非常に短いため、機能の詳細説明を伝えるというよりも、イメージを伝えることが目的となります。

<アプリの画面そのままタイプ>
 特にゲームアプリに多いようですが、ゲーム自体のCGをそのまま映像にしたものも多く見られます。十分にゲームのCG自体のクォリティーが高いため、視聴者の目を惹くことができます。

<プレゼンテーションタイプ>
淡々とアプリを使っている様子を撮影した動画や、開発者などが自らプレゼンテーションをしながら紹介する動画。海外のアプリでは、後者のタイプが多く見受けられました。 ビジネス向けや、スマホの機能拡張を目的としたアプリに多いようです。開発者が制作したと思われるものが多く、動画自体のクォリティーはあまり高くありませんが、必要最低限の説明ができれば良いと割りきって考えられているのではないでしょうか。

webで動画を視聴させるということ

アプリ紹介動画に限らず、PCやスマホの前の視聴者に対し、web動画を視聴させる際に気をつけるべきポイントがいくつかあります。

ドラマやバラエティー番組のような、エンターテイメント性があって視聴者自らが観たいと思うコンテンツと違うため、あまり長すぎる動画は視聴途中の離脱率が高いと言えます。理想は1分~1分30秒、どんなに長くても3分程度に留めるべきです。

また、構成も重要です。テンポの良い構成・展開の動画の場合、視聴者は実際の時間尺よりも短く感じます。そして、短い時間尺の中では、訴求点の全てを網羅して表現することはまず不可能です。訴求したいポイントの中でも、重要度の高いものを選び、それ以外の要素を削ぎ落とす勇気が重要です。商品のリリース側は、どのポイントにも愛着があり、なかなか編集しきれない場合があります。そのため、第三者の目から構成を考えた方が、良い動画コンテンツになるのかもしれません。

YouTubeを介してSNS等での情報拡散を狙うのであれば、一ひねり・二ひねりした、インパクトのある面白いアイデアが必要でしょう。

短い時間尺の中で、分かりやすく、インパクトがあり、魅力的に思える動画を制作することは、さまざまなテクニックが必要なので、一般の方にはなかなか難しいと思います。そうした技術やノウハウ、そしてアイデアが必要な場合、是非弊社にご相談下さい!

Photo by onigiri-kun