アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。
前回、広告からコンテンツへというテーマで記事を書きました(コンテンツがあふれる時代マーケティングはどう変化するべきか)。これからは、企業とコンテンツホルダーの間でコラボレーションが盛んになるという内容でご紹介したのですが、今回はそういった事例のひとつとして当ブログでも何度も取り上げている、ニコニコ主催・人間対コンピュータの将棋対決企画「電王戦」シリーズに技術協力している、DENSO(デンソー)についてお送りします。
コンピューターソフトの代指しとして活躍するロボット「電王手くん」
コンピューターソフトと人間が打つ対決なので、誰かが人間の打つ現実世界の盤上にコンピューターの指示を伝えなければなりません。第2回電王戦までは人間が代指しを務めていましたが、第3回電王戦からはDENSOの工業用ロボットをベースにした「電王手くん」が開発されました。
この会場で人間と電王手くん(コンピュータ)が将棋を指すなんて、なんてシュールな画なんだ。楽しみすぎる。 >前RT
— もく (@hinomimoku) 2014, 3月 14
電王手くん開発者、すごい好印象ですね。
— redboltz (@redboltz) 2014, 3月 15
菅井さん、電王手くんが動き始めてちょっと吹いてるw pic.twitter.com/t7ldCnDb1n
— almostdead2012 (@almostdead2012) 2014, 3月 15
電王手くんの開発者さんのインタビュー、いい人感たくさんで和む。デンソーすごい
— たかの (@takanorz) 2014, 3月 15
電王手くん、あれを1ヵ月で作れたってのが凄いな。基本産業用ロボットの技術の応用とは言え、要件定義から開発、テスト、納品をこの期間で出来たというのは驚くばかり。デンソーさんに敬意を表してDEN王手くんとするのはいかがでしょうか? #電王戦
— タカツカ (@takatsukat) 2014, 3月 15
電王手くんが登場する以前にも、工場などの現場では工業用ロボットがバリバリ働いていたはずです。しかし、電王戦という舞台でその実力が示されることで初めて、DENSOの技術力に多くの一般ユーザーが衝撃を受けました。
これはコンテンツを通したDENSOのブランディングに大きく寄与するものです。このコラボレーションがなければ、Twitter上で工業用ロボットについて語られることはなかったことでしょう。
電王戦FINALに向けて発表された新機種「電王手さん」
そして、電王戦の最新イベント用に新たに開発された「電王手さん」動画がこちらです。前回の「電王手くん」は工業用ロボットをベースにしていましたが今回はついに、医療用ロボットをベースとし将棋の「成駒」の動きを一手でできるように進化しました。
ネットメディア上でも続々取り上げられ、Twitter上でも現在進行形で拡散が進んでいっています。
もう将棋以外で戦っても勝てる気がしない(;・∀・)ツヨソウ【デンソーがまた才能の無駄遣いした! 将棋電王戦FINALの代指しロボ「電王手くん」が超進化しすぎて「電王手さん」に名称変更 – ねとらぼ】 http://t.co/6xn4gh8ey4 @itm_nlabさんから
— セイコ (@seiko87) 2015, 3月 5
成りのギミックはすごいと思ったわ。比較的堅い会社がこういう遊び心があるのはとても好感。 / “デンソーがまた才能の無駄遣いした! 将棋電王戦FINALの代指しロボ「電王手くん」が超進化しすぎて「電王手さん」に名称変更 – ねとらぼ” http://t.co/177VLuOtfl
— Hajimechan@育児奮闘中 (@hajimechan0323) 2015, 3月 5
技術のムダ使い、だがそれが素晴らしい! 将棋電王戦の指し手は“成り”もできる「電王手さん」に(MONOist) – Yahoo!ニュース http://t.co/x66E4X1RVY
— 麦酒@鹿屋基地 (@kcac1438) 2015, 3月 5
B2Bのマーケティング(及びブランディング)では、そもそもターゲットの数が限定的なため効果的なコミュニケーションが取りにくいという難しさがあります。もちろんターゲティングを狭めて直接B2Bの取引相手を狙い撃ちすることも重要なのですが、今回デンソーは、無関係の一般ユーザーをふわっと包みこんで、「社会」と「自社の技術力」の接点を電王戦というイベントの中で表現することを目指しました。結果として、ネットメディアや将棋に関するメディアなどで大きなパブリシティ効果を生み出しています。
多くの視聴者が「愛すべき企業」として認知を得ることで、B2Bのコンペ現場でも採用されやすい空気づくりに貢献する以外にも、単独で3万8千人・連結で14万人弱を抱えるデンソー社員へ向けたロイヤリティ向上効果でも、良い影響を産んでいるのではないかと思います。
[アクトゼロ/黒沼(@torukuronuma)]