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自動車無関心層への認知拡大を!TOYOTAの意欲的すぎるチャレンジ「リアル車将棋」

アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

内閣府・消費動向調査によると、29歳以下の自動車保有率低下傾向が続いています。

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若年世帯主の普及率が低いのは相変わらず。2005年と2011年には60歳以上の世代を上回る状況が発生したが、それもつかの間。全般的には全世代の中で一番低い普及率となる立ち位置が継続している。しかも直近2014年では前年からさらに0.9%ポイント低下し、5割切れも間近な状態となった。(中略)現状では、乗用車の保有は30歳未満では大体2世帯に1世帯のみ。それに対して30-59歳の世帯では5世帯のうち4世帯強となる。未婚が多い30歳未満では、乗用車の必然性も低いということだろう。
年齢階層別の乗用車普及率をグラフ化してみる(2014年)(最新) – ガベージニュース 

TOYOTAは、様々なコンテンツチャンネルで意欲的な若年層へのアプローチを続けています。アクアのTVCMではBGMに人気テレビゲーム「ドラゴンクエスト」「モンスターハンター」などのゲーム音楽を使用したり、ニコニコ動画のボカロ曲「千本桜」を人気演奏者の「まらしぃ」氏によるピアノ演奏で採用するなど、大きな話題を呼びました。その前は賛否両論ありましたが、初音ミクの採用などもありましたね。

また、人気リアリティ番組テラスハウスでは、番組内でトヨタ車でのドライブシーンを登場させるなど、CMだけではない露出方法に取り組んでいました。

そして来月2月8日に開かれる驚愕のイベント「電王戦×TOYOTA リアル車将棋」

ニコニコ動画で将棋のプロ棋士がコンピューターソフトと対局することで人気を集めるイベント「電王戦」。今回は人間対コンピューターではなく、羽生名人と新星豊島将之七段が実際のトヨタ車を駒として使う将棋「車将棋」を開催するのです。

羽生名人側の王将、飛車、角行などそれぞれの駒には、TOYOTAを代表する過去の名車が割り当てられていますが、対する豊島七段の駒にはネット投票で現行車種が割り振られる予定で、そのPR動画が公開されています。

車好きにアピールするだけではなく、無関心な人にこそ声をかけ続ける

平均賃金の低下など、若年層の中で「車を持つ」という選択肢がかつてほど当たり前ではなくなってきています。自動車を必要とする層にだけアピールをしていれば売れる時代ではなくなったということです。

将棋もまた固定ファンだけを大事にするだけではなく、将棋を知らない一般層を開拓していく試みの中で人間対コンピューターという「電王戦」イベントが生まれました。

今回の「リアル車将棋」は一見無茶な取り組みのようですが、このイベントで起きていることは「自動車ファン」と「将棋ファン」の交換である以上に、その無茶さが引き起こす「お祭り感」を使った、どちらにも興味のない層の開拓作業でもあるのです。

[アクトゼロ/黒沼(@torukuronuma)]