Facebookの“保存”機能によって、企業のSNS運用はどう変わるのか?

みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

ソーシャルメディアを企業が利用する理由はいくつかありますが、直接的にお客様との関係構築を目的とするものやシェアによる拡散を目的とすることなどがまず思い浮かびます。
また、タイムラインやニュースフィード上に、新しい投稿がどんどん表示される特性から、リアルタイムな情報を発信するという目的も、忘れてはならない点と言えます。

しかし、タイムラインやニュースフィード流れて行った投稿を後から見ようと思っても、どんどん新しい投稿が表示されてしまって、なかなか見つけ出せないという経験をされている方も多いのではないでしょうか。

そんな時、後で読んだり、気になった情報を保存しておいたりできる、そういった機能があればいいのに…という方に朗報なのが、Facebookがリリースした新しい機能です。

Facebook「保存」で情報のクリップ

今回、Facebookがリリースした新たな機能は「保存」と呼ばれるもので、ニュースフィード上の情報をFacebook上に保存する機能です。
情報と言ってもいろいろあるのですが、ここではリンク(URL)、場所、映画、TV番組、音楽といったものを指し、Facebookのメニュー内に設置される「保存済み」という項目内に集約されます。

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特徴的なのは、投稿そのものを保存するのではなく、投稿内に含まれるURL等の情報を保存する点です。
また、Facebookページ自体も保存することができるため、いいページだとユーザーが判断して保存されると、新たな接点がひとつできることになります。

ユーザーの保存するアクションは非常にシンプルで、投稿の右上からメニューを開き、そのメニュー内から「保存」を選択するだけとなります。

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保存した内容は、「保存済み」メニューからアクセスすることができ、ニュースフィード上にも流れてくる仕組みです。
ちなみに、このリストはプロフィールに紐付いて他人に公開されるものではなく、本人のみが閲覧できる仕様になっています。

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内容的には、あまりヘビーではない、Facebookを少し便利に使える機能といったレベルと言えそうです。

企業のアカウントでは運用のちょっとした見直しが必要

個人的には、この「保存」機能が追加されたことによって、企業がFacebookの運用方針を見直すタイミングが来たのではないかと思っています。
これまでのコミュニケーションや、速報性といったFacebookの側面に加えて、“保存”される情報を意識する必要が出てきたためです。

見直すポイントして、大きく2点挙げられます。

URLや場所等、保存可能な情報の付加
まずなんといっても、保存される情報自体を投稿に盛り込んでいく必要があります。手軽にできる方法としては、外部へのリンク先URLを投稿に付加することで、取り組むことができます。
ただ、どんなURLでもいいというわけではなく、記事の内容と連携したURLがあるのがベストだと考えられます。

保存したくなる情報であること

保存したくなる情報であること

価値のある情報の発信
そして、ユーザーにとって、保存する価値のある情報であることを念頭に置かなければいけません。もちろん、価値を感じる基準は、人それぞれではありますが、過去に投稿した記事の中からエンゲージメントの高かったものを見てみるだけでも、ユーザーがどういった情報に価値を見出しているのか、その傾向くらいは分かるかもしれません。
また、後でじっくり見てみよう、と思わせる手法も必要になってきます。同時に投稿する写真や記事テキストなど、これまでの“目に留まる”という露出方法だけではなく、内容をしっかり伝えることも重要になってくると言えます。

企業がソーシャルメディアを運用していくということは、こうした仕様の変更や機能追加に柔軟に対応していくことでもあります。
これまでのやり方が通用しなくなることも、十分に考えられることから、ユーザーがどのように使っているか、もしくは将来的に使っていくだろうか、という着眼点は忘れてはいけないポイントです。
多くの投稿の中でも埋もれることがないよう、自社の持つ有益な情報を、適切な形で発信していくこと、その流れを作っていくことが、常に求められていると言えるかもしれません。

アクトゼロ / 山田