すべてのFacebookページ担当者に伝えたい、国内大手企業のFacebook運用に携わって見えてきた要点まとめ

こんにちは寒くなって来ました。アクトゼロ黒沼です。ソーシャルメディアインサイトです。

前回の記事「もう一度考えてみよう。企業は何故ソーシャルメディアを使うべきなのか。」では、企業がソーシャルメディアを使う理由について、ソーシャルメディアではユーザーに「体験」を伝えることができるメディアであること、企業とユーザーの係わりを、単に商品・サービスのやり取り、ではないと理解する企業にとっては、チャンスであるということをお話ししました。今回はより実践的な内容をお伝えします。

アクトゼロでは昨年の今頃、Facebookが日本に本格上陸して以降、数多く国内大手企業のFacebookページ運用に携わってきました。どの企業にとっても初めてのことで、Facebookの度重なる仕様変更もあったため、まさに手探りの連続だったわけですが、なかでも特に困難を極めたのは、Facebookページを立ち上げること…ではなく、Facebookページの「ウォール」を中心とした、ユーザーとのコミュニケーション(対話)方法についてでした。

Facebookページの運用担当の方ならピンとくるかと思いますが、Facebookページは、ウォール上でのコミュニケーションが正しく行われないと、すぐに忘れ去られてしまいます。どれだけオリジナルのタブを増やしても、アプリを作ってもこれは変わりません。

Facebook上ですべての企業(個人)は、ユーザーのホーム画面に、発言が現れて初めて「存在」していると認知されます。Webサイトでは、たまに更新すればよかったコミュニケーションのラリーを、Facebook上では、毎日数往復行う必要があるのです。(Twitterはもっと大変ですが)

今日は、Facebookのウォール運用について、現時点でアクトゼロが導きだしたすべてのポイントについて、お伝えします。是非みなさまのFacebook運用にお役立て下さい。

ユーザーとのコミュニケーション(対話)について

・キャラクター設定と頻度

開設されたばかりのソニー損保Facebookページでは、担当者が顔出しで運用を行なっている。

 普段ウォールでユーザーに向かって喋りかけているのが誰なのか、ユーザーは理解できているでしょうか?相手が誰かわからない発言へは、誰でもコメントしにくいものです。ウォール運用にあたって、普段更新しているのが誰であるのかを明らかにしましょう。顔写真入りの自己紹介ページを作ってもいいでしょう。ウォール上の写真などに、都度都度現れることで印象に残すことも可能です。また、イラストでキャラクターを作成するのもお勧めです。ただその場合でも十分なバッググラウンド設定を行う必要があります(例:伊藤ハム=ハム係長東急スポーツOASIS=くびれちゃん、など)。ユーザーに誰としゃべっているかを意識させる。一つ目のポイントです。

 

・「ユーザーフレンドリー」であること
 ウォールの更新を行なっている人間は、企業とユーザーどちらに近く設定するべきでしょうか?場合によりますが、対話があるほど拡散が見込めるFacebook上に限っていえば、個人ユーザーに寄り添った存在であることをお勧めしています。社内の人間を更新役と立てる場合は、意識的にユーザー側によった存在にする必要があるため、想定ユーザーに近しいパーソナリティを持った人物を設定する必要があります。もちろん会話好きな印象をユーザーに与える必要があります。遠慮がちではいけません。

 

 

・対話を取っていく「スピード」と「深度」について

伊藤ハムFacebookページでは、1時間をまたずフレンドリーなレスポンスが帰ってくる。

「スピード」とは、レスポンスのスピードのことです。ユーザーが投稿したコメントに対して、可能なかぎり早くレスポンスを返す必要があります。「お問い合わせメールに回答まで5営業日」の世界とは速度が違います。Facebookの世界では1日経てば過去になってしまいます。可能なかぎり当日中(しかもなるはやで!)にレスポンスをおこないましょう。即座に返答できない事項でも、「現在調査中」や「担当者へ確認中です。」の返事は、すぐにでもレスポンスすることができるはずです。レスポンスのスピードを見て、ユーザーは担当者が本当に、生身の人間なのかを感じ取っています。
「深度」とは、対話を取る際のコミュニケーションの深さのことです。例えば、あなたが飲食店のウォール更新担当者だったとして、あなたが投稿した新メニューの記事に対して、「新しいメニュー出たんだ。同じものばかり食べてたからたまには違うのも食べてみようかな」ユーザーがコメントを残したとします。あなたはなんと返すべきでしょうか?
「ぜひ!秋の自信作です!おみせでおまちしています。」 悪く無いですが、もう一歩踏み込みましょう。
ぜひ!秋の自信作です!いつもは何を注文されてたのですか?」 会話のラリーを、自然な形で継続できそうな場合は、是非続けましょう。記事の拡散が進むだけではなく、ユーザーにウォールを「対話が可能な場所」だと印象を残す絶好のチャンスです。 伊藤ハムのハム係長の徹底したコミュニケーション姿勢については、イケダハヤトさんの記事に明るいので是非。記事にしてくれたブログに出張してまで、コメントを残す徹底ぶりです。→【フェイスブック企業事例】ハム係長の徹底した全レスっぷりが凄い件

情報発信について

・情報を情報で終わらせない演出方法

プロントのFacebookページでは、メニューの写真はあえて、スナップ撮影されて臨場感を伝えている。

 ファンに伝えたい情報があるとき、ただ文章で伝えるだけで終わっていませんか?積極的に画像・動画を使って印象深いウォール投稿としましょう。

情報をただ更新するだけではなく、伝えたい情報を加工し、演出する必要があります。
例えば、飲食店で新メニューが発売になるとして、その際に商品の画像を添えるだけではなく、そのメニューをつくる様子や、開発のバックストーリーを読み物コンテンツとして、公開して行きましょう。昨今テレビ番組で人気を集めるコンテンツの形として、普段知っている企業の裏側を、工場見学のように紹介するという番組があります(リアルスコープやシルシルミシル、お願い!ランキングなど)。情報を「編集する」力が、大切なポイントです。情報を情報のままユーザーに投げるのはやめましょう。

・担当者の情報量について
レスポンスのスピードでも語りましたが、クイックレスポンスのためにも、担当者はそれなりに自分の所属する企業・その商品やサービスについて知っておく必要があります。「○○のおいしい食べ方(便利な使いかた)を教えてください」「○○にいるんだけど一番近い店はどこかな?」などは、割とよくある質問です。可能なかぎり情報を網羅しておきましょう。個人で抱え込むのが最初から無理な情報量であれば、各部署の担当者とのホットラインを築くことも視野に入れて、ユーザーの質問に備えましょう。

運用リスクについて

・ユーザーはクレームへの「対応」を見ている
運用リスクとして、まず担当者が思い浮かべるのが、炎上リスクです。
ユーザーが苦言を表明する時、その種類について考えておく必要があります。その苦言は、「クレーム」でしょうか?「スパム」でしょうか?

「クレーム」ヘの対応について
クレーム対応で重要なことは、
 ユーザーの意見をしっかりと聞くということです。コメントでクレームが来たのなら、まずはコメント上で受け取った旨をすぐに伝えることが重要です。これは、真摯にユーザーと向き合う姿勢があるという、他のユーザーへの印象付けにもなります。そして、クレームに至ったユーザーの詳細な状況のヒアリングについては、個別にメールなどで対応していくのが良いでしょう。その場ですべてのやり取りを晒すのは、企業にとってもクレームを抱えたユーザーにとっても好ましいことではありません。
「スパム」ヘの対応について
あきらかなスパムにまで、丁寧に取り扱う必要はありません。即削除しましょう。スパムのないウォール環境を守るのも、担当者の仕事です。

・不規則発言への心構え

爆破予告や、自殺予告など、人が見ていることを利用した愉快犯が現れる可能性もあります。何にしても「人が見ている」ことを前提にその場で発言を行なっているわけなので、即削除→ブロック→Facebookヘレポートしましょう。その対応が非難されることはほぼないと言えますが、運用方針について事前にユーザーに同意を得ておきたい場合には、ソーシャル・メディア運用ポリシーなどを、用意しておくのも手です。Facebookページの基本機能である「禁止語句リスト」機能も有効に使いましょう。設定した単語が含まれた投稿を禁じることのできる便利な機能です。
 

アクトゼロのソーシャルメディア運用代行ソリューションについて

アクトゼロでは大きく2つのやり方で、御社のソーシャルメディア運用の成功をめざします。ひとつは「ソーシャルメディア運用代行サービス」もうひとつは「ソーシャルメディア運用担当者育成講座」です。

「ソーシャルメディア運用代行サービス」では、キックオフのミーティングでキャラクターの設定や、更新方針・更新内容のスケジュールを決めた後、日常の更新代行はすべてアクトゼロで行います。もちろん専門の更新担当(アクトゼロでは更新キャストと呼んでいます)が、新しいコメントがないかなど常にチェックし、素早いレスポンスでユーザーとのコミュニケーションを図っていきます。その後は、毎月月例ミーティングを行い、当月の更新方針を常にアップデートしていきます。 

「ソーシャルメディア運用担当者育成講座」では、企業内のソーシャルメディア担当者様に、アクトゼロの運営ノウハウを講義することで、よりよいソーシャルメディアのマネジメントが行える人材を育成します。社内で自分たちで行っていきたい方には、こちらをお勧めします。基礎講座を終えた後、基本的に、更新はご担当者様自ら行なっていくこととなりますが、技術的にサポートが必要になったときにはアクトゼロのプランナーがサポートさせていただくプランをご用意しています。加えて、最新の動向については、別途弊社開催のセミナーにご参加いただくことで、ノウハウのアップデートを行なっていただけます。

詳細は、以下のボタンよりお問い合わせください。詳しい説明を行わせて頂きます。ご連絡お待ちしております。