2013年1月に、Twitterが提供を始めたマイクロビデオサービス「Vine」。スマートフォン向けアプリで、最長6秒の短い尺の動画を撮影・アップロードして、友人たちと共有できるこのサービスですが、日本でも少しずつ流行しつつあります。
Vineの認知度は10代の世代が22.5%と突出しているのが特徴です。(20代:6.5%、30代:4.2%) この理由としては、”TwitterやFacebookに写真投稿するのと同じ感覚で動画を共有できる手軽さがウケている。” ”6秒間という短尺が、いわゆる「一発ギャグ」をやるのにピッタリで、日本のお笑い文化にフィットしている” 等の意見が見られています。当面、Vineのメインユーザーは、10代~20代前半までの若い世代が中心に加速してくことが予測されています。 (参考:動画共有サービス、「ツイキャス」「Vine」が10代に人気 【6秒動画Vine】JKに大人気の理由とは?)
こうした背景を基に、今後、企業によるプロモーション活用が臨まれると考え、弊社では先日、”Vineキャンペーンプランニング・コンテンツ制作”サービスをリリースさせて頂きました。お陰様で、特に新しいweb施策に興味のあるお客様からお問いわせを頂き続けております。
では、Vineを使った企業プロモーションにはどのような事例があるのでしょうか。つい最近までは、海外の事例が中心でしたが、この頃では日本でもVineを活用した事例が続々増えつつあります。今日の記事では、それらの事例をご紹介していきましょう。
まず、キャンペーンや活用事例の内容を整理し、その性質を分別したところ、大きく2つ、小さく3つの5パターンが挙げられるのではないかと考えました。
それぞれのパターンに沿って、日本での最新のプロモーション事例・活用事例を中心に見てみましょう。
ユーザー投稿キャンペーン型
5つの型の中で、最も事例が多いパターンです。お題に沿った動画を、一般のVineユーザーに撮影・ハッシュタグと共に投稿してもらうキャンペーンです。webサイトにはハッシュタグを基に、投稿動画を一覧で表示し、コンテスト形式で優秀者にはインセンティブが贈られることが多いようです。
◆カルピスフルーツパーラー厳選マンゴー プロモーションビデオコンテスト (カルピス)
商品を多くの人に知ってもらう為の、PRプロモーションビデオをVineで作って応募。応募作品の中から、3つの賞を選出し、豪華賞品がプレゼントされるキャンペーンです。
◆ぐーぴたっVineキャンペーン みんなの「腹ぺこ」ごまかし方動画総選挙 (ナリスアップ コスメティックス)
空腹時、お腹が鳴ったときのごまかし方をVineで6秒動画を撮って投稿。抽選で10人にぐーぴたっ3ヶ月分プレゼント。
◆MOTORCYCLE D&E DANCE feat. YOU
韓国のアーティストによるキャンペーン。ミュージックビデオ中のダンスを参考に、Vineでハッシュタグを付けてあなたなりのダンスをアップ。投稿動画を使って、オリジナル・ムービー(Vine ver.)を制作するというキャンペーン。
◆SKE48 Special GALAXY 6秒チャレンジ (SAMSUNG)
ダンスや特技など、3弾のお題に応えた6秒動画をVineを使って投稿すると抽選でSKE48サイン入りポスターが貰えるキャンペーン。SKE48のメンバーによるサンプル動画も公開されています。
動画はこちら→ http://god-6.com/?series=1
ショートムービー型
コンセプトを決め、それに併せたVine動画を制作・公開し、視聴者に閲覧してもらうタイプのプロモーション企画です。Vineを動画公開のプラットフォームとして捉え、ブランドイメージの向上などに繋げるものが多いようです。
◆知ったつもりにならないでリアルに体験した方がいい日本の100 (大塚製薬)
TVCMの世界観の延長で、若い女性たちが「なんとなく知っているけど実際にはやったことがないコト」にチャレンジしていく動画を集めたサイト。楽しそうなチャレンジ動画中の危なっかしい作業が、プロモーション対象である「オロナイン」の存在を想起させます。(詳しくは弊社記事「Vineを活用したキャンペーンが日本でも始まった!オロナインの「知リ100」プロジェクト」をご参照下さい。)
◆Make a THIRSTY Scene (ポカリスエット)
「日常の渇きと、それを潤すポカリスエット」をテーマに、デフォルメされた世界で情景を引き立てる建築模型による、コマ送りムービーを公開。
アンサー型
Twitterで企業側に寄せられた一般ユーザーからの質問やメッセージに対して、Vine動画でレスポンスを行うというプロモーション企画です。
◆WantNewCar<公開終了> (Honda)
アメリカのホンダが、2013年7月15日に一日限りで行ったキャンペーン。サマークリアランスセールのプロモーションとして、Twitterのハッシュタグ#WantNewCarを付けたテキストのメッセージ全てに対し、Honda側が、Vineによる動画でレスポンスをするという企画です。”返答にVineの動画を使う”というところが新しいキャンペーンといえるでしょう。例えば、「ホンダの車を運転したことがありません。どんな感じなの?」という質問に対して、店員(役?)が「こんな感じ!」と言って、6秒の動画でおどけた回答をしています。
説明動画型
テキストと静止画による説明の補完として、Vineによる6秒動画を活用している事例。あくまでVineを動画配信プラットフォームとして利用しています。
◆CNET Japan
CNETはアメリカ初のIT分野に特化したメディア企業で、同名のニュースサイトを運営しています。一部の記事で、内容に関するVine動画を、写真などと同等に記事内容の説明補助として活用し、分かりやすく構成しています。
http://japan.cnet.com/news/service/35044076/
CNET Japan Vineアカウント:https://vine.co/u/956078816890155008
タレント型
YouTubeで動画を発信しているユーザーを「YouTuber」と呼びますが、Vineで活躍している、いわば「Viner」(?)ともいうべきか、Vine上での有名人も少しづつですが発生し始めています。こうした、ファンを既に持っているタレント的な発信者を起用するプロモーションのパターンです。
◆ほうじ茶ラテ☓けみお (Lipton)
雑誌、グラフィティ「HR」所属のモデル、けみおは、女子高生を中心に支持を集めており、Twitterのフォロワー数は37万人を超えています。ツイキャスやVineといったプラットフォームを使いこなし、(若い世代が思う)面白い動画を公開し続けたことで現在の人気ある地位を作り出しています。そんなけみおが、リプトンとコラボした動画を公開しています。
以上、5パターンに分類して、最新のVineのプロモーション・活用事例をお伝えいたしました。まだ、Vineのプロモーション事例はそう多くはないため、新しいものを好むアーリーアダプター層や、Vineのターゲット層である10代の耳目を集めるには有効だと思います。新しいwebプロモーション施策をお考えの皆様、Vineを活用してみるのはいかがでしょうか。