アクトゼロの藤村です。火曜日のプランナーズブログをお届けします。
2011年6月からサービスを開始したLINEのユーザー数が、昨日25日をもって全世界累計で3億人を超えたことが発表されました。
本年7月のユーザー数2億人突破の発表から、たったの4か月でさらに1億人のユーザーを獲得したことになります。
日本ではスマートフォンデバイスの連絡手段として、若年層を中心に広く浸透しているLINEですが、総数3億人のうち、国内外でのユーザーの内訳が発表されていたのでご紹介します。
LINE主要国でのユーザー数の内訳
全世界のユーザー中、日本国内ユーザーはおよそ20%。
主要利用国のチャートを見てみると、LINEの勢力が強いアジア周辺で見ても、他国を圧倒するユーザー数となっています。
各メッセンジャーサービスの主要国内訳を見てみても、LINEのパーセンテージは日本が独走している印象です。英語圏をはじめ欧州や南米などでは軒並み、「WhatsApp」が強い存在感を持っていますが、日本でのシェアはわずか8%。サービス名すら聞いたことのない人が殆どではないでしょうか。
また、中国、韓国がそれぞれ国産のアプリでユーザーを完全に囲い込んでいるというのも面白い傾向だと思います。
アジア圏の人々が心地いいと感じるインターフェースは、より使用言語にこまかく最適化された、ガラパゴス化が必要なのかもしれません。
3.11と「絆」と、SNS。そしてLINE
SNSそのものに対して、楽しい情報を共有する娯楽ツール、連絡を交し合うメッセージツール、という単純な概念のほかに、「緊急時に人と人をつなぐライフライン的な役割」をつよく見出しているのは、東日本大震災以降の、日本人の大きな特徴だと思います。
「災害用伝言板」機能を、世界に先駆けて日本国内の利用者向けに公開したFacebookや、ライフラインアカウント検索を日本国内のみに向けてリリースしたTwitterの動きからもわかるとおり、「緊急時の命綱」のひとつとしてソーシャルメディアを扱う、特殊な日本の価値観は、全世界的にも知られるところです。
「LINE疲れ」「既読無視」という言葉を生み、なにかとうっとおしがられることもある既読システムも、もとはといえばなにかしらのアクシデントの際の安否確認に有効、という理由で搭載された機能でした。
メッセージアプリに安否確認のエッセンスが搭載されるという「日本人のためのメッセンジャーアプリ」としてつくられたLINEが、日本のシェアを独占するのは自然な現象ともいえます。
利用者が多ければ多いほど、「独り勝ち」の推進力の強まるメッセンジャーサービスの傾向から考えても、これからのコミュニケーションツールとして、国内でのLINEの存在感は益々大きくなっていくでしょう。