度々、インドネシアのインターネット事情やSNS事情についてお伝えしていますが、先日、アジアのインターネット系ニュースサイト「TECH IN ASIA」に興味深い記事が投稿されていました。
4 reasons BlackBerry phones will die in Indonesia (but BBM will still reign supreme)
<Blackberryの携帯電話がインドネシアで絶える4つの理由(ただしBBMは首位を支配し続けるだろう)>
この記事が公開された10/22、ブラックベリーから、同社が提供しているインスタントメッセンジャーサービス「BlackBerry Messenger(BBM)」のAndroid・iOS版アプリがローンチされました。インドネシアの携帯電話といえば、ユーザーの最大シェアを握っているのがブラックベリーであると言われています。ところが、この遅れていたBBMのクロスプラットフォーム化がブラックベリーの暗い見通しをもたらすのではないかと上記記事では指摘しています。BBMがAndroid等にプリインストールされることでユーザーの選択肢が増えるだけでなく、ブラックベリー自体の魅力が低下している。ブラックベリーはBBMやその他ウェブサービスに集中すべきではないかと筆者は述べています。
ジャカルタ娘達と河口湖へ
「デラさん、河口湖で紅葉と富士山が観たいんです」 先日、日本に観光に来た、インドネシア人の友人・NさんとMさんを連れて山梨県の河口湖へ行って来ました。(参照:ジャカルタ娘達に聞いた!インドネシアのSNS・スマホ事情 2011.10.17) かつてジャカルタに仕事で撮影に行った際にお世話になったのをきっかけに連絡を取り続けています。ふたりとも30歳。Nさんはゆっくり簡単な日本語で日常会話ができます。日本は2年前に続いて2度目。Mさんは初めての来日です。二人は食品メーカーに勤めており、同じ職場の友人です。
河口湖を背景に筆者と。真ん中がNさん。右がMさん。
常夏のインドネシアでは紅葉が無いので珍しいとはしゃいでいました。
あいにく雲が多く、富士山は見えませんでしたが、ロープウェイに登って湖を眺めたりして楽しみました。山梨名物の「ほうとう鍋」を食べながら、前述の記事について、実際のインドネシア人スマートフォンユーザーである二人に聞いてみました。
味噌味のほうとう、彼女らの口に合ったようでした。
ムスリムのため、彼女らのは豚肉抜きでオーダーです。
◆スマートフォンは何をお使いですか?
私はSAMSUNGのスマートフォンを使っています。この前はBlackBerryを使っていましたが、半年前くらいに機種変更しました。この機種にきめた理由は、BlackBerryはあまり電波が強くなく、街の中で使っていて不便だったから別のメーカーにしようと思ったからです。半年前に買った時はこのスマートフォンも最新モデルでしたが、その1ヶ月位後にはさらに最新の機種が発売されてしまいました。本当に移り変わりが早いですよね。
NさんはSONYのXPERIAを使っていました。
◆BlackBerry MessengerはAndroidのスマートフォンで使っていますか?
はい。もちろん使っています。先月10月、約3週間前くらいにローンチされたばっかりですが、とても便利です。AndroidでもBlackBerryを使っている友だちと連絡が取れますからね。BBMはインドネシアでは最も多く使われているメッセンジャーです。BBMのアプリは無料ですし、とても便利です。このスマートフォンにも早い時期からBBMアプリケーションをインストールしました。
◆BBMが他のスマートフォンで使えるようになって何か変化がありましたか?
最近、ほんとうに多くのインドネシア人が、BlackBerryを離れてAndroidを選ぶ人が増えています。私の友人でも10人以上はここ数ヶ月の間にAndroidに機種変更しています。以前は、BlackBerryを選ぶ第一の理由はBBMを使うことができるという点でした。でも、BBMのアプリがAndroidで公開された今、もはやBlackBerryを選ばなくてはならない理由が無くなりました。BBM以外のアプリケーションも、Androidの方がBlackBerryよりも種類が豊富ですし。
iPhoneはインドネシアでは高価なので、お金を持っている人や、ステイタスを得たい人以外はあまり選択しません。また、アプリ購入にはクレジットカード決済が必要なので不便です。Androidは無料のアプリが多くて便利です。
◆MさんはBBMがAndroidで公開されるのを待っていましたか?
BBMがAndroidで公開されて便利になったのは確かですが、私は別に特別必要として待っていたわけではありませんでした。BBMの他にも、WhatsApp・LINE・mypeopleなど、便利なSNSをいくつも利用していたからです。インドネシア人の多くは、私のようにいくつものSNSを利用して友だちと連絡を取り合っている人が多いと思います。
mypeople。韓国発のSNSで、インドネシアではこのところ人気が急上昇中らしい。
◆普段、SNSをどのように使っていますか?
会社の友人達でLINEのグループを作っています。他愛のないいろんなことをLINEでトークしています。食べ物のことや、旅行のこと、スポーツのことなど…。何でも話していますね。今朝も新宿駅で、人が歩くのが早いということをジャカルタの友だちに紹介したりしました。
今朝も新宿駅でMさんとはぐれた時、LINEで連絡を取り合って落ち合うことができました。駅には無料のWiFiがあって便利ですね。河口湖にも多くの無料WiFiスポットがあって便利です。
本当に外国人観光客が多かった河口湖。あちこちに無料WiFiスポットがありました。
日本でキャリアへのアクセスができない彼女らにとって、便利そうでした。
ちょっと遅い昼食のほうとう鍋で体を温め、新宿駅に戻り、二人と別れました。次は私をインドネシアでバンドゥンという湖のある地方を案内してくれる約束をしてくれました。河口湖の返礼なのでしょう。
インドネシアの携帯ユーザー=BlackBerryという形が普通だと思っていましたが、BBMのクロスプラットフォーム化によって、大分変化がもたらされると思われます。今後も定期的に注目していきたく思います。
山頂の神社に、鳥居の中心を通過すると願いが叶うかわらけ投げがあって挑戦。
残念ながら失敗した二人は「どうせ、私達の神様と違う神様だからいいや!」と
ムスリム・ギャグで強がっていました。