ぼちぼち考えたいマイクロビデオの企業活用 ~今すぐにでも始めたい3つの理由~

週の真ん中、水曜日のソーシャルメディアインサイト、アクトゼロの山田がお送りします。

ここの記事でも数回取り上げている、VineやInstagramといった短い動画(マイクロビデオ)が、徐々に盛り上がってきています。
国内ではまだまだ一般的な認知度は高くはありませんが、海外などでは企業や著名人が利用し始めています。

しかし、一般的に映像や動画というと、取っつきにくい印象で躊躇する方が多いのではないかと思います。
ましてや、企業が活用しようとすると、いろいろと面倒なことが多そうなイメージを…。

しかし、実際はそんなこはありません!
今回は、企業での活用をイメージできるように、今すぐに始めたくなるポイントを3つお教えします。

①特別な投資(機材)は必要ない

企業にとってまず重要なのは、費用面でのポイントです。
すでにスマートフォンをお持ちの方であれば、新たな投資をすることなくVineやInstagramを始められます。
というのも、これらのサービスでは特別なハードウェアが必要なのではなく、スマートフォンのアプリケーションによって提供されているからです。

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当然、使用するスマートフォンによってカメラの性能は異なりますが、身近なデバイスを使用する点で、専門的な映像に関する知識は必要はないのです。
また、アカウントの開設も無料で行えるため、アカウント開設に掛かる費用はもちろん、月々のサービス利用料も必要ありません。これは、ツイッターやフェイスブックと同様です。
登録自体も数分で終わるくらいの分かりやすい操作で完了できるようになっているので、面倒な手続きなしに簡単に始められます。

②既存のSNSアカウントと連携できる

次に、企業で活用することを考えると、集客の手段やどうやってアカウントを認知していただくか、というのが懸念点として挙げられるのではないでしょうか。
VineやInstagramは、単体での利用も当然可能ではありますが、既存のSNSであるツイッターやフェイスブックと連携できることが大きなポイントとして挙げられます。

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すでに、フェイスブックで多くの「いいね!」を獲得しているとすると、「いいね!」している多くのファンに対して、マイクロビデオを展開することができます。
つまり、「新しいことをするたびに、ゼロからこつこつやらないといけない」というジレンマから解放されます。
逆の視点では、マンネリ化しつつあるフェイスブックやツイッターのタイムライン運用に、VineやInstagramを導入して、目新しさを演出することもできると言えます。

今までのソーシャルメディア戦略の延長線上で挑戦できるのは、リスクも少なく非常に魅力的なポイントと考えられます。

③まだ決まった形はなく先行者メリットが享受できる

実は、マイクロビデオの企業の利用事例は、海外はまだしも国内ではほとんどない状況です。

「企業の事例が少ない=決まった使い方がない」とも言え、あらゆる可能性にトライ・アンド・エラーで挑戦することができます。
そして、事例がまだまだ少ないことで、話題作りや目新しく展開することができるため、まだ先行者利益が十分にある状況であると言えます。

少ないながらも、いくつかの企業事例をご紹介しましょう。

まず、海外の事例から、ドリトスです。
この短いビデオの中で、音楽を奏で「Can YOU name this tune performed by Mariachi Doritos? Tweet us to win Easter prizes with ##DoritosNameThatTune」とコメントがついており、ハッシュタグでの広がりを生み出そうとしています。


そして、次のGeneral Electoricは、紙に自社のロゴを描き出し「Innovation starts at the drawing board.」というメッセージを発信しています。短いながらも鋭いメッセージが、効果的に伝わってくる内容になっています。こういったタイプのビデオは、時間の制限の中で表現するという点では、テレビCMなどとの共通点があるのかもしれません。


最後は、国内の事例をご紹介です。
これは、ポカリスウェットのマイクロビデオで、ポカリスウェットを飲んだ「人」の体に、ブランドカラーの“青”が染み渡っていく様子を映像で表現した内容になっています。
ポカリスウェットの商品イメージを端的に表現している効果的なビデオになっていると言えます。


こちらは、特設サイトも準備されており、シリーズ化しそうな内容になっています。ただ、前回公開から時間も経っており、あまり積極的なアクションとは言えにくいかもしれません。

以上のように、機材の導入やサービスの利用にお金がかかるわけではなく、アイデア勝負でいくらでも展開可能な点では、非常に取り組みやすいサービスなのは間違いありません。

ただ、いくつか事例を挙げたものの、まだまだ多くの企業が活用しているとは言えません。
しかし、個人ユーザーのレベルでは、じわじわと広まり始めていることを考えると、本格的に展開するのではなく、少ないカロリーで始めてみてもいいかもしれません。

アクトゼロ / 山田佳祐