気温も上がり春の訪れを感じる今日この頃ですが、花粉症で苦しんでいる方も多くいらっしゃるようです。暖かいのはうれしいのですが、花粉症のみなさんにはなんともつらい季節ですね。
春といえば、いろいろなものが新しく始まる季節でもありますが、先日Facebookが新しいニュースフィードのデザインを公開しました。その新しいニュースフィード対する考察記事を、ニュースサイトなどの至る所で目にします。もちろん、非常に重要なことではあるのですが、このソーシャルメディアインサイトでは、ちょっと冷静に取り上げてみたいと思います。
Facebookの新しいニュースフィード
色々なところで取り上げられていますが、今一度新しいニュースフィードの内容を確認して見ましょう。
大きく変わったのはそのデザインで、PC、スマートフォン、タブレットといった今まで異なる見え方をしていたものが統一され、同じように表示さるようになりました。基本的にモバイルをベースにして左側にメニューが配置されたデザインになっています。
socialbakersの昨年の記事によるとFacebookの全世界でのモバイルユーザー(PCと併用含む)の割合は54%となっており、日本においてはさらに高い70%以上の値になっているようです。このデータは10ヶ月ほど前のものになりますので、スマートフォンの普及がより進んだ現状を考えると、この割合はもう少し増えている可能性もあります。
また、もう一つ大きなポイントとしては、ニュースフィードに表示する記事をタイプ別に選別することができるようになりました。「写真」や「音楽」といったタイプ別に、ニュースフィードに表示させたいものを選択できるようにありました。「すべての友達」といったように、表示されるものを友達に限定することもできるため、企業としては少し厳しい機能にはなります。
このように新しいデザインのニュースフィードは、ユーザーにとってユーザビリティーが向上し魅力的なものに感じます。一方、企業にとっては、記事のフィルタリング機能によって、情報のリーチが減ってしまうことを懸念するかもしれません。
Facebookをなぜ活用するのか?もう一度見つめ直すいい機会に
このようにサービスの仕様変更によって、それを活用する企業に影響が出てしまうことは、潜在的なリスクとして存在しています。第3者サービスを利用することで、新規の開発コストといったものが省けるメリットとのトレードオフで、自社でコントロールできない領域ができてしまいます。
特にSNSに関しては、すでにユーザーが多くいるところにコンタクトできる訳ですから、一から企業がSNSを立ち上げ集客することを考えると、そういったリスクを許容する価値は十分にあるでしょう。
このように、企業がFacebookやTwitterといったサービスを利用する中で、時間を掛けて準備したものが、ある日突然使えなくなるという状況は常に起こりうる可能性を持っています。ぱっと思い出されるのが、Facebookページがタイムライン化された時のことです。その際には、多くの企業が設けていた「Welcomeページ」が全く意味を持たなくなりました。
そういった状況を考慮し、SNSを使うにあたっては、こう考えるべきではないかと思うのです。
「SNSの本質はコミュニケーション。企業にとって重要なのは、SNSの機能に詳しくなることではなく、フォロワー(ファン)とのコミュニケーションを高めることである。」
FacebookやTwitterを活用することによって培われた情報発信の手法や伝えるテクニック、そして、ユーザーとの相互交流。そういったナレッジこそが、企業にとっての大きな財産となります。
すでに、SNSアカウントを運用されている担当者の方においては、「こういう記事は反応がいい」とか「返信をこうすることで、さらに盛り上がる」とか、自然と身についていることも多いはずです。それを、社内で共有し、自社の情報発信やコミュニケーションのあり方を作り上げることが、とても大切なことであると考えます。
仕様変更によって、一喜一憂することもあると思います。でも、そもそもなぜFacebookを使うのか?Twitterを使うのか?その原点に立ち返った時に、恐らく仕様変更だけで大きくブレるような取り組みはしていない企業がほとんどだと思います。だから、動じるな担当者!と言いたい訳です。
といいつつも、仕様変更が発生すると、それがどういったものなのかを理解するとともに、新たなアクションを検討しなければいけないんですけどね…。