まだまだ、寒い季節が続きますが、気付けば4月まではひと月と少しとなります。この前、お正月だったはずなのに…早いものです。
4月の新年度には、フレッシュな新入社員が入社してくる企業も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな新入社員を迎えるにあたって潜むソーシャルメディアにおけるリスクと、企業が取るべきアクションについて考えてみたいと思います。
新入社員はソーシャルネイティブ!
今年企業に新入社員として入社する世代は、中学時代にmixiがサービスを開始し、高校時代にTwitterやFacebookが日本語化されるという流れの中で、SNSを活用することに対して抵抗が少ない、ソーシャルネイティブの世代と言うことができます。
実際、平成23年度に行われた総務省「次世代ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査」の中、「年代別でソーシャルメディアの利用・経験数」を見てみると、10代の「現在1つだけ利用している」と「現在複数利用している」は合わせて72%となり、全世代平均の42%を大幅に上回っています。
こうした世代にとって、SNSを利用した友達との交流は当たり前で、日常生活の中に自然に溶け込んでいます。そういった側面を、ポジティブに捉えれば、SNSを駆使したコミュニケーションや情報の収集に長けていると言うことができます。
しかし、一方で、SNSへの投稿が自然な行動のひとつになっているために、不適切な内容を投稿してしまったり、まだ開示してはいけない表に出してはいけない情報を漏らしてしまったり、といったネガティブな面も実際に表れてきています。
よくあるパターンとして…
・多くの人に見られているという認識がなく、「極秘情報」を投稿してしまう。(例:新商品情報の漏えい)
・プロフィールに会社名を入れていることを忘れ、犯罪行為を投稿する。(例:飲酒運転)
SNSに対して一定の警戒心を持って利用している上の世代と比べ、その危機意識が欠如してしまうと言えます。
基本的に、友達に話しかけている感覚の延長線上で、多くの人が見ているというかもしれないという危機意識の欠如から起きることが多く、悪意のないケースが殆どです。
この「悪意がない」というのがポイントで、こうしたリスクを回避するために企業が取るべきアクションは極めて明確です。
ソーシャルだから特別なのではなく社会人としての自覚を持つということ
新入社員のソーシャルメディアリスクを減らすために最も有効な手段は、きちんとした「教育」であると考えます。
「教育」といっても、堅苦しいものではなく、ソーシャルメディアについてしっかりと理解し、その影響力を認識する機会を設けるということです。
前述の通り、ソーシャルメディア上での不適切な行動は、そのリスクと影響を認識していないために起こることが殆どです。ですから、きちんと判断することができるように、その材料を与えてあげることで一定のリスクを回避することが可能なのです。
そして、ただそれだけでは不安ということであれば、明確な基準を決めて、そのルールに則って使用してもらうようにすると、よりリスクは低減されるでしょう。ただ、見え方として、「規則」を作り上げ厳しく取り締まるのではなく、「ソーシャルメディア利用ポリシー」という形を取り、ソーシャルメディア上での行動規範を示す方が、社員にとっての抵抗感は少ないと考えられます。
結局のところ、本当に重要なのは、「社会人としての自覚を持って行動する」ということです。ソーシャルメディアだから特別なのではなく、実社会における振る舞いと同様、会社の一員として、また社会の一員として、自覚を持って行動するということに尽きます。ソーシャルメディア上だけでの行動を諭したところで、実生活の行いが乱れていれば、その社員が抱えている潜在的なリスクは変わりません。
わたしたちアクトゼロも、いろいろな企業様の社内研修でお話させていただく機会があるのですが、ソーシャルメディア上での行動は、実際に人と面と向かって接するように振る舞うべきだとお伝えしています。心の乱れが、ソーシャルでの乱れ。社会人として責任を持った利用ができるように、企業としてもサポートしてあげてみてはいかがでしょうか。