揺らぐFacebook、企業は利用を続けるべき?

こんにちは、アクトゼロの山田です。
ここ数日、Facebookに関する報道が、世界中を駆け巡っています。ユーザーが最も神経質になるであろう、プライバシーに関するニュースと言うことで、大変な注目を集めています。
一部の企業ではFacebookページを削除するなどの動きも出てきており、これまでにないネガティブな状況にFacebookは置かれています。

何が問題?

今問題となっていることをシンプルにまとめるとすれば、ユーザーの個人情報が流出し、それが政治利用されたのではないかと疑われているというものです。
そもそもの経緯としては、イギリスの大学教授からの依頼でFacebookがアンケート調査を行ったことから始まります。そのアンケートで約5000万人の個人情報が収集されました。この調査は教授が行う学術研究のためとして実施されていたはずなのですが、そこで得られた情報がイギリスのコンサルティング会社に渡っていたことが発覚します。

そして、さらにこの問題を大きくしたのが、そのコンサルティング会社が前回の米大統領選挙時に、候補者の一人であったトランプ氏と契約していたことが分かったことによります。

ただ単に個人情報を流出させただけでもかなりの事件ではありますが、米国の現政権に絡んでいる疑惑が出てきていることから、近年まれに見るスキャンダルに発展しているのです。

まだ具体的な数字は出てきていないまでも、敏感な個人ユーザーの退会や企業の広告の停止等が始まってきていると報道されています。

当初は腰の重かったCEOのザッカーバーグ氏も声明を発表し、事態の収拾に動き出しています。

プライバシー機能を早速強化

この流れを受け、Facebookでは早速プライバシーツールのアップデートが行われています。

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主には一般ユーザーが自身のプライバシー管理を一元的にできるようになり、主に下記の内容が含まれます。

アカウントのセキュリティを強化する:二段階認証などで、アカウント保護対策を強化することができます。この機能を使うと、認識されていないデバイスから誰かがアカウントにログインしようとすると、それが利用者本人によるものかどうか確認が行われます。
個人情報の管理:シェアした投稿をレビューし、必要に応じて削除することができます。シェアまたはリアクションした投稿、友達申請、Facebook上で検索した情報も対象になります。
表示される広告を管理:Facebookがどの情報を参考にして広告表示を判断するかを管理することができます。広告設定では広告の仕組みとオプションについて説明しています。
投稿やプロフィールの閲覧可能範囲を管理:Facebookでシェアするコンテンツのほか、投稿やプロフィールに含まれる情報を、どの範囲まで閲覧可能とするかを管理することができます。

さらに、締め括りとして、今後の対応を下記のように述べています。

詳しく、かつわかりやすい言葉で、どのように利用者のデータを取得し、使用しているかを説明するのも、Facebookの責任です。今後数週間のうちに、利用者への約束も含めたサービス規約の更新を提案する予定です。

企業の対応は?

こうした流れを受け、敏感な企業はすでにFacebookの利用を見直す動きが出てきています。広告の出稿取りやめというのは表からは中々判断できない領域ではありますが、Facebookページの削除は外部からもうかがい知ることができます。
中でも大きくニュースになったのは、起業家のイーロン・マスク氏がCEOを務める「テスラ」及び「スペースX」のFacebookページの削除です。

ただ、今のところ他に目立った動きを取る企業はなく、様子見のところが多いのではないかと思われます。実際、ここ日本においてはまだ実害を受けたユーザーはおらず、各企業もこれまでと大きく変わっていないように見受けられます。

Facebookを辞めたところで、その代わりとなるようなSNSがないということもあって、動きが鈍いのかもしれません。そういった面もあり、Facebookを続けるか否か、プライバシーのアップデートによって安全性がしっかりと確保されているかどうかや、ユーザーの動向がどうであるかを見極めた上で、判断するというのが現実的だと考えられます。

まだまだ、終息の気配がないこのプライバシー問題は、対岸の火事とは思わずに、しばらく注視しておく必要がありそうです。

アクトゼロ / 山田