私たちの暮らしにおいて、Googleはもはや欠かせない存在と言っても過言ではありません。
その提供するサービスを挙げていくと、検索エンジンをはじめWebブラウザやOS、動画、地図、音楽配信、人工知能など多岐にわたります。
Googleのサービスページでも目的別に有用なサービス・プロダクトが紹介されていますが、こちらで紹介されているのは主要なものばかりで、実際には細かなニーズに対応した便利ツールが多々提供されています。
そこで今回は、比較的新しくリリースしたものを中心に、意外と知られていない(かもしれない)便利ツールをリストアップしてみました。
モバイルサイトの読み込み速度を計測する「Test My Site」
モバイルサイトの読み込み速度を計測できるツールです。
スマホユーザーが思わず離脱してしまうような読み込みの遅いサイトを改善するため、こちらを使うと読み込み速度のスコア化や想定離脱数の予測、業種別平均速度との比較などを行えます。また、具体的にどのような処置を行えばよいかレポートを作成してくれるなど、制作担当者にとって願ったり叶ったりのツールです。
(1点ネックとして、Chromeでみるとメモリの使用量をかなり食ってしまうのでご注意を…)
実はこれまでもページの読み込み速度を図るツールは存在していたのですが、モバイルファーストの流れに合わせてより機能を特化したことが伺えます。
また、きちんとスマホに対応したサイトとなっているかを簡易チェックできるモバイルフレンドリーテストというツールもあり、モバイルサイト構築や分析にあたってはこちらも併せての使用をお勧めいたします。
無料でサイトがさくっと作れる「Googleウェブサイトビルダー」
Googleマイビジネスと併せて利用できるツールで、会社やお店など法人サイトが無料で作れます。
基本フォーマットの中にテキスト入力や画像設定するだけでサイトが立ち上げられ、独自ドメインも決められるため公式サイトとしても運営しやすいのが魅力です。また既にGoogleマイビジネスを登録している人であれば、登録情報をサイトの情報にそのまま反映できます(未登録の場合は新たにオーナー情報の登録が必要です)。
これはぜひ使ってみたい…!と弊社サービスのTRANGAでサイトを立ち上げてみたのがコチラ。
設定は本当に簡単で5分程度で完成したものの、デザインのカスタマイズ性は低く、またメタ情報の入力や解析タグの挿入などSEOに関わる設定はまだできない様子でした。このあたりは今後バージョンアップしていくのかもしれませんね。
Googleマイビジネスをはじめたついでに0円でサイトを持ちたい、サイトが完成するまでのつなぎが欲しい、という方にはピッタリなツールではないかと思います。
リアルタイムで解析データを視覚化できる「Googleデータスタジオ」
Googleアナリティクス、Search Console、Google Adwordsなどと連動し、ダッシュボードやレポートにデータをまとめて共有できるツールです。
表示するデータやグラフの形式などは柔軟にカスタマイズすることができ、Googleアナリティクスのマイレポート機能よりも視覚的でわかりやすい印象です。
また1度作れば、そのフォーマットで最新の数値を引っ張ってきてすぐに閲覧できますので、都度レポートにまとめ直す必要がありません。そうしたリアルタイム性を重視するためか、印刷やPDF出力などの機能は付いていないので少々ご注意を。
定型の指標をすぐに見れるようにしたい、主要な数値をチームでリアルタイムで共有したい、という方には非常に便利なツールです。
解説動画と実践テストで学べる「Googleアナリティクス アカデミー」
「Googleアナリティクスは独学で使ってる…」という方にぜひおすすめしたいツール。
アナリティクスとタグマネージャーについて、実現できることやその操作方法について無料で学習できます。
各テーマについてまず解説動画を見て、時にはデモ用の管理画面を操作しながら復習テストを行い、最終試験をパスすれば認定証をゲットできます。
普段からある程度業務で使いこなしているつもりでも、実は知らなかった機能を見つけたり、意外な気づきを得られるかもしれません。
その他、Google Adwordsの認定資格試験やデジタルマーケティングを包括的に学ぶデジタルワークショップなど様々な学習プログラムがありますので、ご興味のある方はチェックしてみては。
人工知能が落書きをプロの絵に変えてくれる「AutoDraw」
こちらはユーザーが描いた内容から、近しいプロの絵をAIがサジェストし、新たなお絵かき体験を提供するツールです。
専用のアプリなどはなく、PCでもスマホでもブラウザ上で簡単に操作できます。使い方イメージについてはこちらをどうぞ。
マウスで描いた歪な線から、自分がまさに表現したいモチーフが出てきた際はなかなかの感動が味わえます。
イラストの著作権について明記はされていないのですが、基本的にフリーで使用でき創作活動を手助けするツールですから、特に請求が発生するような心配はなさそうです。イラストやプレゼン資料の作成にも役立てられそうですね。
Webフォントが無料で利用できる「Googleフォント」
こちらはデザイナーやエンジニアの方には特に有名と思いますが、Google提供による完全無償で商用利用も可能なWebフォントです。
基本的には英語フォント中心ですが、昨年より日本語版のフォントも提供が開始されました。
日本語版の場合はまだ完全にはサポートされておらず試験的な提供です。現状では読み込み速度にやや難があるとされ、また対応する文字数も他社の有償Webフォントと比べて少ないことが見込まれますので(一般的な漢字のみであれば問題ないレベルと思いますが)、そうした注意点もふまえつつ使用する必要があります。
とはいえ、昨今の主流であるレスポンシブデザインに有効なWebフォントが、費用をかけずにすぐ利用できるというありがたい存在ですので、案件内容に応じて前向きな導入をお勧めいたします。
余談ですが、対象のフォントが無いときはこんな顔が出てくるようです。
世界中の芸術作品や活動が探索できる「Google Arts&Culture」
著名なアーティストの作品や芸術運動、歴史上のドキュメンタリー写真など貴重なコンテンツが閲覧できるサイトです。
Google Cultural Instituteが運営しており、世界中の文化遺産をオンラインで紹介することを目的に 、提携している 1,200 以上の代表的な施設やアーカイブのコンテンツを掲載しているとのこと。取り扱うジャンルも幅広く、見ているだけでかなりインスピレーションが刺激されるはずです。
もちろんできれば芸術作品は実際の場で見たいものですが、Webを通じて貴重な文化資源を後世に伝えていこうとするこうした取り組みはぜひ応援していきたいものです。
おわりに
今回は7つほどご紹介しましたが、なにかお役に立ちそうなものが見つかりましたら幸いです。
最近の傾向としては、Googleウェブサイトビルダーやデータスタジオのように、アナリティクスやAdwordsなどの主要サービスと連動して、業務を効率化させるツールがどんどん増えてきている印象です。
また、全体を通じてシンプルなUIがやはり特徴的であり、膨大なデータベースやAIを用いながら、あらゆる人がビジネスや創作活動において気軽にWebを活用できる環境を整えていきたいという姿勢を感じます。
利用者側としてはちょっとおこぼれにあずかるような感じもありますが、こうした便利なツールは積極的に導入しつつ、本業により注力できる形を目指すのが良いのではないでしょうか。