出稿企業の新たな悩みの種?いよいよ始まるFacebook Messenger広告

こんにちは、アクトゼロの山田です。
みなさんは、プライベートにおける日常的な連絡手段として、どういったものを使っていますか?一昔前であれば、携帯メールというのが圧倒的なシェアを占めていましたが、ここ最近はメッセージアプリに多くの人が移行しています。ここ日本で見ると圧倒的に利用者が多いのが「LINE」で公式発表で6800万人が使っており、国民の半数以上が利用する巨大なサービスになっています。一方、世界規模でみると「Whats app」や「Facebook Messenger」が主流となっており、いずれにせよ携帯メールと言うのはもはや過去のものになってしまいました。

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このメッセージアプリに関しては、個々人間での交流手段ということもあり、比較的オープンないわゆるSNSよりもかなりプライベートな空間と言えます。そんなプライベートな空間にもWeb広告の流れが押し寄せています。

いよいよ始まるMessenger広告

広告の表示が始まるのは、Facebookが提供するMessengerで対応するユーザーを順次拡大し、月末に掛けて徐々にユーザーに広告が表示されるようになることが発表されました。現在、12億人を誇る月間アクティブユーザーを抱えるMessenger上に広告が配信されるようになると考えると、非常に大きな規模の広告媒体が誕生したと言っても言い過ぎではないかもしれません。

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具体的な表示方法としては、Messengerアプリのホーム画面内に「広告」と表示された領域が表れ、そこに表示されるようになるようです。

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Facebookのリリース画像を見る限りは、ニュースフィード上に表示される広告と同じような表示形態となっており、ひと目で広告と分かる形態を取っています。いくつかの表示方法をベータ的に試していたようですが、最終的にはこのスタイルがベストだったようです。

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また、この表示イメージを見る限り、やり取りをしている友達のスレッドの一覧の中に広告が入ってきており、かなりパーソナルな空間に広告が入ってきた印象を強く受けます。フィード型広告の場合は、友人などの個人の投稿だけでなく企業の投稿などもある中に表示されるため、そこまでパーソナルな空間としての印象は受けませんが、今回のMessengerにおいては、かなり個人的な領域に入ってきたと感じます。当然、個人の趣向に合わせた広告が表示されるようになるのですが、広告を出稿する企業にとって、ひとつ考えなければならない点が生まれてきました。

クリエイティブのコントロールは必要

このMessenger広告のように、ここ最近のWeb広告における配信面の拡大は、広告主にとって非常に悩ましい問題をはらんでいます。きっちりとセグメントを行ったユーザーに対して、あらゆる面で接触を図り、最終的なコンバージョン導線に載せられるというのは大きなメリットと言えます。

では、悩ましい問題とは何か?というと、それは配信面が多種多様に及ぶようになったために、広告を通じたコミュニケーションのテーマをしっかりと設計する必要が出てきたことに他なりません。一般的なディスプレイ広告での表現と、今回ご紹介したようなメッセンジャーアプリ上での表現が同じもので効果が最大化するとは考えられません。

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極端なイメージですが、前者が駅や街頭などの公共の場所で表示されるものだとすると、後者は親しい人と過ごす飲食店内やカラオケボックス内といったイメージでしょうか。そう考えると、等しい友人との食事中に、いきなり目に入ってくるような広告内容だと、ネガティブな印象を持たれかねません。とすると、他では良い成績を生み出した売り売りの広告クリエイティブでも、メッセンジャー広告では獲得に繋がるどころか、マイナスのイメージを植え付けてしまう可能性もあります。

実際、通常のディスプレイ広告とFacebook等のSNS広告において、その訴求内容や表現を作り分けることが一般化してきています。メッセンジャー広告では、SNS以上にパーソナルなスペースとなるため、その流れがより加速していくことは間違いないと言えます。

企業にとって悩ましいのは、配信面やアプローチ手法が多様化することはウェルカムなのですが、それぞれに最適なクリエイティブを準備することにコストが掛かってしまうという点になります。この少々手間のかかるMessenger広告、まずはテスト的に開始してみて、その効果を確認してみるのが現実的かもしれません。

アクトゼロ / 山田