今日で10月も最後!今年も残すところあと2か月となりました。今年はソーシャルメディアという言葉が大きな意味を持ち始め、多くの企業が活用するようになりました。全ての企業が同じように成功するわけではなく、そもそもソーシャルメディアに合わない企業であることも十分に考えられます。
そういった状況を踏まえ、今回は少し引いた視点に立ってソーシャルメディアの理想と現実を考えてみたいと思います。
すべての企業がソーシャルメディアと相性がいいわけではない
我も我もと、FacebookやTwitterを利用して企業の情報発信を行う最近の流れ。すごく多くのフォロワーを獲得して、活発なコミュニケーションを生み出してい
る企業もあれば、フォロワーの獲得が思うようにいかず苦戦している企業もあります。
ソーシャルメディアのトレンドによって抱いた理想とは逆に、行き詰まる企業も非常に多いのが現実です。
それは、なぜでしょうか?原点に返って考えてみましょう。
その企業の商品やサービスは、果たしてソーシャルメディアと相性がいいものでしょうか?
ここで言う相性とは、ソーシャル上で個人のユーザーが、その商品やサービスを共有したくなるものかということです。もう少し強めに言うと、そもそも共有できるものであるかどうかという点です。
この相性がいいかどうかを計るために分かりやすい基準があります。
それは、日常の「リアル」での会話の中で、オープンに話ができるかどうかというものです。特定の人と話すことはできても、不特定多数の人とは話題になりにくいものは相性が“悪い”と言えます。
人に知られたくない、例えば「ダイエット」や「風俗」等々は、話す相手を選ぶ場合が多く、オープンに話すものではありません。
現実社会の繋がりに近いソーシャルグラフを持つFacebookになると、 この相性は非常に重要なポイントになってきます。
ただ、一般的に趣味として認知されているものは、不特定多数とは話題にならなくても、ソーシャルメディア上での相性は“いい”と考えられます。
「○○さんは、○○が趣味なんだ」と相手に受け取られても、特に印象としてネガティブに映らないからです。
発信できる情報に価値を作り出す
ただ、相性が悪いからソーシャルメディアを活用する方法がないかというと、そんなことはありません。
ユーザーが企業をフォローする理由としては、お得な情報やためになる情報を受け取りたいというものが挙げられます。
Facebookでの数字になりますが、アライドアーキテクツさんの調査では、約4割のユーザーがフォローする理由として回答しています。
つまりどういうことかというと、直接的に企業の名前や商品・サービスを前面に出すのではなく、その企業が属する業界を広義に捉え、話題にして挙げてもらえるレベルまで噛み砕いていくということです。ただ、注意しなければいけないのが、その噛み砕かれた情報が、情報としての価値を失わないようしなければならないということです。あくまでの、ユーザーにとってメリットのある情報やお得な情報といった価値のあるものである必要があります。
そうすることで、ソーシャルメディア上でようやく共有できるものになると考えられます。実際のところこういった設計を行ったアカウントは、フォロワーの獲得や定着には非常に長い時間を要するでしょう。
ただ、それだけの時間を掛けたとしても、必ずしもうまくいくわけ ではないのが正直なところです。
今一度、自社のビジネスがソーシャルメディアと親和性が高いものであるので、客観的に捉えてみることが必要なのかもしれません。