4月もそろそろ終わり、5月を迎えようとしています。今年のゴールデンウィークはなかなか日取りが良いようで、最大で9連休という方もいらっしゃるようですね。この時期は寒からず暑からずで観光にお出かけするには調度良い時期ですね。きっと全国の観光地にも日本人以外の、海外からの観光客の皆さんもおおいのではないでしょうか。観光に関するお仕事をされている方にとっては大きなビジネスチャンスですね。
さて、今日は訪日インバウンドに関するニュースをまとめてお送りしようと思います。
観光庁平成29年1~3月期の訪日外国人旅行者の動向を発表
観光庁が4月19日に発表した速報値によると、訪日外国人旅行消費額は、前年同期比で4.0%増の約9,679億円に、訪日外国人旅行者数は、前年同期比で13.6%増の約654万人に達したと報じました。
韓国・タイ・米国などからの訪日外国人による消費額が前年同期に比べ増加したことが、全体を押し上げた要因であるとのことです。
また、訪日外国人の1人あたりの支出は14万8,066円で、前年同期(16万1,743円)に比べ8.5%減少しました。国籍・地域別にみると、スペイン(24.9万円)・オーストラリア(24.1万円)・中国(22.5万円)の順で高くなっています。この中でも特に気になるのが中国の数字だと思いますが、この22.5万円という数字は、前年比では-14.9%にあたります。そして、中国からの訪日観光客数は1,648,670人と、前年比で+12.0%と増加しています。中国人観光客によるいわゆる「爆買い」が一段落したことがこの数字感からも分かります。
中国人に対するビザ発給要件の緩和
外務省は4月21日、「日中間の人的交流を拡大し,政府の観光立国実現及び地方創生の取組に資する」ためとし、中国人に対するビザの発給要件を緩和する措置を5月8日から開始することを発表しました。緩和措置の具体的な内容は以下の4点です。
1.十分な経済力を有する方とその家族への数次ビザ(有効期間3年、1回の滞在期間30日)の発給の開始
2.東北三県(岩手県、宮城県、福島県)数次ビザの対象訪問地を、六県(青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県)へ拡大。これまで一定の経済力を有する方に課していた、過去3年以内の日本への渡航歴要件を廃止
3.相当の高所得者に対する数次ビザの緩和(有効期間5年、1回の滞在期間90日)
4.クレジットカード(ゴールド)を所持する人に対しての、個人観光一次ビザの申請手続の簡略化
前述のニュースでもお伝えした通り、中国からの観光客数は、前年比で2桁の割合で増加し続けています。ビザ発給用件の緩和によって、この先もより中国からの観光客が増加することが見込まれるでしょう。
関西国際空港、旅客数が2年連続で過去最多
海外からの空の玄関口の一つである、関西国際空港が4月25日に発表した、平成28年度の運営概況(速報値)によると、総旅客数が前年度比7%増の2571万人に達し、平成6年の開港以来の過去最高を2年連続で更新しました。アジアをはじめとした、訪日外国人観光客数の増加が牽引したことによるようです。
国際線の外国人旅客数は13%増の1242万人。LCCの路線が充実したことによって、日本人旅客数も7%増の651万人と4年ぶりに増加に転じて、国際線全体では11%増の1914万人に達しました。国内線の旅客数は3%減の657万人となりました。同時に発表された大阪(伊丹)空港の旅客数は3%増の1510万人。関空・伊丹の2空港を合わせて4081万人となり、初めて4000万人の大台を突破したことになります。(参考記事:「関空 旅客数、2年連続で過去最多 訪日外国人増で」毎日新聞 2017.4.25)
開港当時は大赤字の報道ばかりがされていた関空ですが、LCCや貨物の積極的な誘致により、2016年3月の決算では営業利益が成田国際空港を上回るまでになりました。今後のさらなる成長が楽しみですね。
2016年のAirbnbによる日本経済の押し上げ効果は9,200億円
Airbnbが発表した「日本における経済活動レポート」によると、2016年の日本における利益は4061億円、経済効果は前年比で1.8倍の9200億円の推計となったことを発表しました。
2016年に同社を利用した訪日外国人旅行者数は、前年比で170%増の370万人。2016年に日本を訪問した外国人2400万人なので、そのおよそ15%がAirbnbを利用した計算になります。国別でAirbnbの利用が最も多かった国は韓国で、以下、中国・米国・香港・台湾と続き、都市別では東京が最も多く、以下、大阪・京都・福岡・札幌などと、大都市が続く傾向になりました。
貸し出す側であるホストの、標準的な年間貸し出し回数は89泊で、年間の平均収入額は100万4830円でした。
日本でも定着しつつある民泊。アンケート調査でも、訪日外国人観光客の19%が民泊を利用しているとも伝えられています。私もAirbnbを利用して、快適な部屋(一棟貸し)を体験しましたが、海外からの観光客の皆さんもホテル以外の選択肢として民泊を活用されているようです。
着実に海外からの訪日観光客の数は伸びていますが、中国人観光客による爆買いの落ち着きなどが示すように、訪日外国人観光客が日本の旅行で求める対象が、モノから事、体験にシフトしているようです。民官ともに、更に訪日外国人観光客数を伸ばすための施策やサービスなどが実施・計画され続けているようです。
今後も、訪日インバウンドに関するニュースを定期的にお伝えしたく考えています。