企業のソーシャルメディア活用は、普遍的コンテンツも重要に

こんにちは、アクトゼロの山田です。
新しい季節がやってきて、多くの企業が新年度を迎える4月。組織の改編や方針の見直しなど、大きく変化がある時期でもあります。そんな中、ここ最近、感じているのは、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアの企業利用において、何年も同じような内容でマンネリ化しているアカウントが多いのではないかという事です。
新機能の追加のようなサービス側の変化はもちろん、ユーザーの利用スタイルも常に変化し続けている状況の中、そこに合わせていかなければ、ソーシャルメディアを活用する本来の目的を達成することはできないのではないかと思います。

基本となるのはリアルタイムなコンテンツ

ソーシャルメディアの基本的な立ち位置として、繋がっているユーザーに企業側から情報(投稿)をプッシュさせるという役割をになっています。ユーザーがわざわざ企業アカウントのタイムラインに来なくても、ユーザーのフィードに企業の情報を流すことができるというのは、これまでの自社のWebサイトを中心としたネットマーケティング戦略の考え方を大きく変えるものでした。

ただ、そこで慎重にならなければならなかったのが、友達などの一般ユーザーの投稿の中に企業の投稿も並列に掲載されるという点です。その点で、企業も“売り売り”の宣伝を行うことは御法度とされ、自然な形での情報発信を行うことで、ユーザーからしっかりと反応(エンゲージメント)を得ることが重要視されてきました。さらに、最近のトレンドとして、各サービスのソーシャルフィードの表示形態が、時系列で並ぶ単純なものから、閲覧するユーザーにとって価値のあるものを優先表示するものになってきたこともあり、エンゲージメントの重要度はとても高いものとなっています。

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エンゲージメントを獲得するためには、季節感のあるものや昼や夜といったタイムリーなものを取り入れていくことが鉄板の手法で、同じ時間を共有していると感じてもらうことが、企業とユーザーの距離を縮めるために一役買っています。リアルタイムな情報発信や、同時代性を感じさせる情報発信と言うのが、ソーシャルメディア活用の基本となっています。

例えば、春であれば、桜に絡めた投稿を多くの企業が取り入れており、企業の投稿であったとしても、自然な形でフィード上に登場するようになってきています。また、ハッシュタグと言う仕組みも、時間の共有や話題の共有と言う意味で、欠かせない要素となっており、ハッシュタグの活用も重要になってきています。

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最近のトレンドはストック型のコンテンツ

ただ、ここにきて、各サービスにおいて、同じ時間を共有するというリアルタイムでの投稿コンテンツ以外も、積極的に取り入れていこうという動きが出てきています。例えば、Facebookでは、かなり以前から投稿の内容を「保存」する機能が実装されており、気になった投稿を保存しておいて、後から閲覧できるようにしています。

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また、今最も旬なソーシャルメディアと言えるInstagramでも、保存することに特化した機能が追加されています。Instagramの場合は、Facebookのように、ただ単に気になった投稿を保存するだけでなく、その保存した投稿をグループ化して整理できる「コレクション」と呼ばれる機能まで実装されています。

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このInstagramの保存機能は、昨年末にリリースされ、今回のアップデートでグルーピングできる機能が追加されました。当然のことながら、保存される投稿コンテンツとしては、旬の短いタイムリーなものというよりは、後から見返しても十分に楽しめるようなストック型の投稿コンテンツをそう指定していると言えます。

そうすると、これまでの同時代性を重視したリアルタイムなものを多く取り入れていた運用だけでは、ユーザーのニーズを満たすことは難しくなるのではないかと考えられます。そのため、閲覧時期に左右されないアーカイブしても楽しむことができる投稿コンテンツというものも、企業としては意識する必要が出てきたことになります。特にInstagramにおいては、リアルタイムでの速報性だけでなく、しっかりと写真として作りこまれている投稿も高い人気を得ており、自分の嗜好にあったものをコレクションしたいというニーズが他のSNSよりも強いのではないかと考えられます。

 

ソーシャルメディア戦略はトレンドに合わせた定期的な見直しが必要

このようにコンテンツの設計において、SNSユーザーとダイレクトに繋がれるからこそ、しっかりとその相手が何を求めているのかを意識することが重要で、企業として伝えたいことと、ユーザーが求めていること、その両者のバランスをうまく取りながら、コンテンツを作り出していくことが必要です。
そうなると、一番初めに立てた戦略と言うものは、常に見直しをしていくことが求められるわけです。リアルタイムに楽しむことができるコンテンツと後からでも楽しめるコンテンツ…ソーシャルメディアが定番となったデジタルマーケティング領域において、まさにこうしたトレンドを掴んで取り組んでいくことが求められています。この新しい季節に、今一度その内容を見直してみてはいかがでしょうか。

アクトゼロ / 山田