Twitterは世界的には存在感が薄くなりつつあるSNSサービスですが、日本においてはその人気は依然として高いサービスです。2016年2月時点では3500万人だった月間アクティブユーザーが、2016年末にはその数が4000万人を超えたと公式に発表され、ユーザー数が拡大し続けており、その人気ぶりを証明しています。
人が集まる場は、企業にとってマーケティングの場となる訳で、Twitterを活用した様々なキャンペーンが行われていますが、最近のトレンドとしてTwitterを活用した「インスタントウィン」キャンペーンが注目されています。
インスタントウィンとは
インスタントウィンとは、簡単に言い表すと”その場で当落がわかる懸賞”のこと。この手法自体は昔からよく行われているプロモーション手段で、アナログ的には、スクラッチカードの銀の部分一つを削って、あたりが出ればその場で◯◯をプレゼントするといったものが挙げられます。デジタル的には、商品パッケージに印字されたシリアル番号をキャンペーンサイト上で入力することでユーザーは応募資格を得て、簡単なゲーム(スロットなど)で当落結果を伝えるという手法がよく取られます。応募から当落結果通知までの全ての流れをTwitter上で完結して行うキャンペーンが注目されているのです。
まずは事例をご覧頂いた方が早いので、昨年に展開された日本初のTwitterインスタントウィンキャンペーン、日本コカ・コーラ社「ヨーグルスタンド」の事例です。
\1000名様にその場で当たる/
希少糖使用、甘いのにヘルシー!ヨーグルスタンドが新発売!
応募はフォロー後にリツイートするだけ
詳細はhttps://t.co/moh90Olzl3#飲めばいいじゃんヨーグルスタンド#毎日挑戦https://t.co/ZIcQTliGwQ— ヨーグルスタンド (@YOGURSTAND) 2016年4月4日
該当のTwitterアカウントをフォローした上で、該当のツイートをリツイートすると、数秒~数分後に、当たりかはずれの抽選結果が分かる動画が、ダイレクトメッセージで届くという流れです。応募は期間中、一日一回までならば何度でもRTによって応募でき、当選した場合、賞品がプレゼントされます。上記の事例の場合、スロットゲームの結果、目が揃った動画であれば当たり、目が揃わない動画の場合にははずれと、直感的にわかりやすいゲーム結果の動画で抽選結果を伝えています。
当落の悲喜に関するツイートも期待できるため、プレゼントされる賞品は、高価なものを僅かな人数を対象にするよりも、安価なものを多くの人数を対象にすることが多く、特に飲料・食品といった一般的な消費材の新商品の認知拡大のキャンペーンと相性が良いようです。
Twitterインスタントウィンキャンペーンの優れた点
キャンペーンを実施する企業側にとって、この手法のキャンペーンの優れた点が主に3点挙げられると思います。(同時にTwitterインスタントウィンの事例もご紹介していきます。既に終了したキャンペーンも含まれます。)
1.参加が簡単→大量のRT
キャンペーン参加資格を得るためには、アカウントのフォローと該当ツイートのRTだけで済むため、キャンペーンへの参加の障壁が少なく、ユーザーは手軽に参加することができます。その結果、大量のRTが期待でき、ユーザーのフォロワーに対しても広く認知拡大されることが期待できます。前述のヨーグルスタンドのキャンペーンでは、KPIの7倍以上のリツイート、延べ参加回数50万回を達成したとのことです。(詳しくは「日本コカ・コーラの新ブランド「ヨーグルスタンド」が実施した、日本初のTwitterキャンペーンに迫る」Markezine 2016.9.28 をご参照下さい。)
今日から28日間!当たりがすぐわかる「ビハインド・ザ・スター」キャンペーン。フォロー&この投稿をリツイートで、毎日100名様にプレゼント!https://t.co/DZaOEg4WzT #ハイネケン #192か国 #28日間 #新デザイン缶 #MoreBehindTheStar pic.twitter.com/TDg5Va1jZU
— Heineken Japan (@heineken_jp) 2017年3月13日
2.多くのフォロワーを獲得できる
キャンペーンの応募のためには、アカウントをフォローすることが条件になるため、短期間で多くのフォロワーを集めることができます。特に新製品のTwitterアカウントの場合、当たり前ですが、フォロワーがゼロの状況からのアカウント運用の開始になるため、アカウントを効率よく育てることができます。尤も、キャンペーンの認知拡大のためにTwitter広告の活用は必須ですが、ただ認知拡大で終わるのではなく、フォロワーをしっかりと獲得できるという、より具体的な広告効果が期待できます。
\残り2日/#今夜はカワいいだけじゃないお酒
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大当たりの10名様には小嶋陽菜さんのサイン付き!#毎日挑戦 #こじはる #小嶋陽菜 #皮ごこち pic.twitter.com/dHYIlJ76At— キリンビール / KIRIN BEER (@Kirin_Brewery) 2017年3月14日
3.結果がすぐ分かるのでリピートにつながりやすい
これまでのTwitterキャンペーンの多くは、応募結果が期間終了後に分かるものが多く、その間、ユーザーはただ放置されるだけでした。しかし、インスタントウィンの場合、最短で応募の数秒後には抽選結果が分かるため、次回のリピート参加に対するモチベーションを高く保つことができます。その結果、期間中にユーザーはRTを重ね、より広く情報波及効果が望むことができます。
\残り2日💫総計10,000名にその場で当たる⁉/
4月4日、乳酸菌で体脂肪を減らす機能性表示食品 #カラダカルピス新発売 ♪
応募はフォロー後に公式リツイートするだけ!3月7日AM10時まで実施中😊
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— 「カルピス“水玉通信”」 (@calpis_mizutama) 2017年3月5日
Twitterによるインスタントウィンキャンペーンで、その効果を最大限に発揮させるには、当選者を多く設定する必要があるため、管理や運用の手間はかかるので実施のための費用はかかるものの、その効果は大きなものが期待できます。キャンペーンに適した商材の種類はある程度選ばれますが、こうしたキャンペーンの実施の検討もしてみてはいかがでしょうか。