訪日インバウンド動向ニュース~2016年9月

いつの間にか夏も終わり、当社、株式会社アクトゼロの所在地である東京でも朝晩は大分涼しくなり、すっかりエアコン不要で寝られるような気候になっています。まるで秋雨のような雨が続く毎日で、一雨ごとに秋に向かっていっているような気がします。今年は秋の季節が長くなりそうな分、紅葉などの観光・美味しい食べ物などたくさん楽しめるのではないでしょうか。きっとこれらを目当てにした訪日外国人観光客も多くなる時期なのではないかと思います。10月には中国の大型連休である”国慶節”も控えていますね。

さて、今日は訪日インバウンドに関するニュースをまとめてお送りしようと思います。

訪日外客数 / 前年同月比19.7%増の229.7 万人

JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2016年7月の訪日外客数は、前年同月比19.7%増の229万7千人で、7月として過去最高となるとともに、単月としても過去最高となりました。(これまでの単月最高は、2016年4月の208万2千人)18の国と地域における訪日数でも、単月として過去最高を記録し、特に中国は、今年4月から3ヶ月連続で50万人を超えていましたが、遂に70万人を超える73万1千人を記録しました。

多くの国々で夏期休暇シーズンとなり、訪日旅行需要がピークを迎えたことが要因です。

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気になる熊本地震の影響ですが、一部の国では九州方面の団体旅行の販売不振が見られるものの、特に韓国については、運休していた航路の再開や、訪日プロモーションの成果によって、前年同月比30%増の44万7千人となり、確実に地震前の状況に復調しつつあるようです。

中国のSNS上のクチコミ分析から10月初旬「国慶節」での訪日中国人の消費動向を発表

中国のSNS上のクチコミを基に、約半月後に迫った「国慶節」(10月1日~7日)期間中の訪日中国人の消費予測を株式会社トレンドExpressが発表しました。

中国SNS上で今年の国慶節に日本旅行を予定しているユーザー300名に対して実施した調査の結果、「国慶節に日本でしたいことランキング」のトップは、やっぱり「買い物をしたい」。中国観光客の爆買いの熱も落ち着いてきてはいますが、やはり買い物好きな中国人気質はなお健在のようです。2位以下には「日本料理を食べたい」「着物を着たい」「お寺に行きたい」「温泉に入りたい」等の日本ならではの需要が続いています。

1位の買い物に注目した、「国慶節に買いたいものランキング」は、トップは「コスメ・美容」、以下「医薬品」、「健康食品/サプリメント」、「ベビー用品」が続く結果となりました。中国では最近、二人目の子どもを生む“二人目ブーム”が起きていることもあり、ベビー用品に対するニーズも高まっているのだとか。

2016年 秋の訪日旅行動向、予約数上昇エリアは福岡・沖縄・岐阜

楽天トラベルが発表した、2016年秋の訪日旅行ランキング(2016年9月15日~10月9日の外国語サイト経由の予約人泊数を集計)によると、行き先別の予約人泊数は、1位がやっぱり東京。次いで大阪・北海道・沖縄・京都と続いています。

行き先別での”伸び率”を前年同期比で見てみると、夏の訪日旅行における同ランキングではトップ10圏外だった広島、愛知、大分が大きな伸びを見せて、それぞれ5位、7位、8位にランクイン。伸び率トップは、福岡の+219.7%。

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夏から福岡の好調が続いているようですが、前述した、JNTO(日本政府観光局)の発表による、韓国からの訪日観光客の復調傾向が地理的にも影響しているのではないでしょうか。次いで、沖縄(102.2%増)・岐阜県(99.5%増)・和歌山県(76.4%増)・広島県(72.4%増)と続いています。

行き先別 伸び率ランキングTOP10
1位  福岡県  +219.7%(前年同期比)
2位  沖縄県  +102.2%
3位  岐阜県  +99.5%
4位  和歌山県 +76.4%
5位  広島県  +72.4%
6位  香川県  +69.1%
7位    愛知県  +67.5%
8位  大分県  +66.3%
9位  神奈川県 +66.2%
10位  北海道  +64.2%

観光庁の概算要求2017、5割増の373.6億円を要求 「旅行環境の整備」は倍増

2016年8月30日、国土交通省は2017年度の観光庁関係予算概算要求の概要を公表しました。(参照

予算要求総額は前年度比52%増の373億6300万円。そのうち、3本柱である「ストレスフリーの旅行環境の整備」に前年度比のおよそ倍増である、93%増の約155億万円、「観光産業の革新と国際競争力の強化」に39%増の約123億万円、「地方創生の礎となる観光資源の魅力向上」に21%増の約33億万円を要求しています。

特に「ストレスフリーの旅行環境の整備」では、観光案内所や宿泊施設、空港の環境整備や多言語化・バリアフリー化など、ハード面とソフト面の両方世界最高レベルの環境整備を進める計画となっています。

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益々、好調な訪日インバウンド動向ですが、2020年東京オリンピックに向かって、国も観光産業を成長戦略の軸に据え、その施策をより具体的に大きく進めていくようですね。