地域を沸かせる立役者になる?地方がInstagramを活用した方がいい理由

こんにちは、アクトゼロの山田です。
Instagramのマーケティング利用が進んできているとはいえ、まだまだ一部の業界、例えば、アパレル業界やコスメ業界が多く、それらの業界以外でも自動車や日用品といった一般の消費者に身近な商品を扱う業界に留まっています。当然ながら、Instagramというサービスが持つ「ハイセンス」で「おしゃれ」な世界観に相応しい業界や、そういった世界観に向けてオリジナルのコンテンツを供給できる体力のある企業に限られているわけです。

そんな中、じわじわと増えていているのが地方の自治体や観光協会などで、観光客の誘致や地域活性を目的としたInstagramの活用です。

ひとつの自治体で複数のInstagramアカウントも

いろいろとある自治体のInstagram活用の中でも、特徴的なのが和歌山県です。ひとつのアカウントに投稿を集約するのではなく、目的ごとにアカウントを分けており、和歌山県観光振興課による観光目的のアカウントや食品流通課による県産食品の宣伝アカウントなど、複数のアカウントを有しています。投稿するにあたって県庁内の部署間の調整が大変だから分けちゃったのでは…といった邪推はできるものの、目的ごとにアカウントを分けることによって、投稿コンテンツを一覧で見た時の統一感を保つことができ、散漫にならない運用を行えるというメリットがあります。

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複数に分かれていても、それぞれのアカウントにはフォロワーがそれなりに付いていて、観光アカントで2,000フォロワー、食品のアカウントでは5,000以上のフォロワーを獲得しています。発信している内容はベタなものではあるものの魅力的な写真をしっかりと投稿している印象です。

 

他にも、例えば岐阜県の下呂市が「Gerostagram」というアカウントを開設し、多くの投稿を通じて地域の魅力を発信しています。フォロワーはまだまだ1,000人を越える程度ではありますが、特徴的なのは一般ユーザーを巻き込んだその運用の内容にあります。

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それはどういう事かというと、一般ユーザーのInstagram投稿を積極的に“リポスト”しており、自アカウントだけでなく、地域に関連する投稿を集約しているのです。ただ単にリポストするだけでなく、運用の初期にはキャンペーンと連動させることで一般ユーザーを巻き込んだアカウントの活性化を図るなど、きちんとInstagramを使っていこうという意気込みを感じます。

  そして、最後にご紹介するのが「栃木県 那須町役場 観光商工課」で、このアカウントはとにかく「おしゃれ」で「いい感じ」の写真が満載。Instagramというサービスのど真ん中を射ている運用で、まさに正統派です。フォロワーも1,000人を越え、とにかく安定感のある写真が散りばめられているのが印象的です。 003 一枚一枚の写真が丁寧に撮られているのが手に取るように分かり、そのクオリティの高さから各写真それぞれにコンスタントに「いいね」が150以上、コメントも少ないながらもしっかりと付いています。Instagramの運用としては、まさにお手本となるカウントです。    ※現在は休止しているようで更新が終わっているのが残念です…。

 

写真に撮ってシェアしたくなる“場所”をアピール

 

個人的には、こうした地域活性を目的とした場合、Instagramは非常に適したSNSであると考えています。それは、ただ単に地域の魅力を“いい感じ”な写真で発信することだけに終わらない、大きな意味があると考えているからです。

SNSを積極的に投稿する人のモチベーションの一つに、沢山の友達やフォロワーから好意的なリアクションを受けるというものが挙げられます。自身が投稿したコンテンツが評価されているというのは、何にも代えがたい気持ちのいいものです。
そうした好意的なリアクションを得るために必要なのが、良質なコンテンツ(投稿)。良質と言ってもその切り口はいくつかあって、Instagramに限って言うと、センスのいい写真ということになるでしょう。Instagramで好意的なリアクションを得るためには、センスのいい、質の高い写真を撮ることが必要なのです。

そして、質の高い写真にするための手っ取り早い手段は、「画」になる風景やアイテムといった魅力的な被写体を見つけて写真に撮ることです。地方の自治体が、「こんなに写真映えする場所がありますよ」、「他の地域ではお目に掛かれないレアなアイテムがありますよ」といった発信を行うことは、そうしたユーザーに対して、魅力的な被写体を認知してもらうきっかけになるのです。さらに、ユーザー自身が「自分もこれを撮って投稿したい」と本当に思えば、実際にその地域に観光に訪れることになります。まさに、地域のアカウントに投稿されたものが、その地域に訪れるきっかけになり、訪れたユーザーもいい写真が撮れるという、双方メリットのあるWin-Winの関係と言えます。

一般的な企業におけるInstagramのマーケティング利用では、写真を通じてフォロワーに上質な印象を与え、企業や商品に付加価値を与えるといった視点が多いのですが、“場所”に紐付くものであれば、そこに行くことによってもたらされる価値を、Instagramを通して伝えるという視点が生まれてくるのです。写真という非常にシンプルなサービスでありながら、業界や目的によって、様々な視点が生まれてきます。もし、今Instagramの活用について悩んでいる担当者の方がいらっしゃるとすると、その活用方法はひとつではないということを意識してみてみるのがいいかもしれません。

アクトゼロ / 山田