Facebook LINE

プラットフォーム化が始まったLINE。企業利用におけるFacebookページとの違いを考える。

ソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロ黒沼です。何週か開いてしまいましたが、金曜担当を再開いたします。

ユーザー数の爆発的拡大」や「スタンプの巨大な売上額」など、LINEの快進撃を伝えるニュースが止まりませんが、Android版のLINEアプリ上でプラットフォーム化が一部始まったようなので、ご紹介しつつ。企業活用におけるFacebook都の違いについても少し考えてみます。

Android版アプリがどう変わったか

ガイアックスソーシャルメディアラボさんが、速報で詳しくご説明されているので、そちらもあわせてご覧ください。僕も会社の営業女子にアンドロイド端末を借りてキャプチャを取らせてもらいました。画像をクリックしながらご覧ください。

8/6LINE上のすべてのユーザーに「ホーム」と「タイムライン」機能が登場しました、少々こんがらがりそうなのですが、LINEの「ホーム」機能はFacebookでいう「タイムライン」と機能的には近いものです。自分の投稿したフィードだけが集まった画面ということができます。言葉の意味的には「ホーム」はすごくしっくり来ますね。

画像の右上の「鉛筆マーク」より、新しい投稿を行うことができます。

グローバルメニュー(最下部のメニュー)には「タイムライン」ボタンが追加されました。クリックすることで友人や自分の最新の投稿を見ることが可能です。このLINEにおける「タイムライン」がFacebookでいう「ニュースフィード」画面に当たるわけです。「ホーム」の開き方ですが、LINEアプリの最下部の「その他」ボタンを押すと、画面の右上に「ホーム」機能が追加されていることがわかります。

ほかにも、「友だち」の自分の名前をクリックすることでもアクセス可能です。

 

友達の名前をクリックした時に出てくる選択肢の中にも赤枠のように「ホーム」が追加されています。このへんの流れはFacebookを普段使っている人にとっては、特段使いにくい点はないのではないかと思います。クリックすると、もちろんその友だちの投稿だけが集まる、友だちの「ホーム」画面を見ることができます。

 

企業利用におけるFacebookブランドページとの違い

今回登場したLINEの「タイムライン」と「ホーム」上には、今後企業アカウントが参加してくることが考えられるわけですが、すでにあるFacebookページのアカウントとどのような違いがあるのでしょうか?

機能的に見ると、FacebookとTwitterと同等の情報配信機能を、LINEは備えています。両者の最も大きな違いは、企業アカウントのLINE参加に「費用」がかかるということでしょう。(→詳しくはこちら

Facebook・Twitter上での公式ビジネスアカウント開設は、無料です。コンサルティングや、集客ツールなどを利用することで費用が発生すると考えても、それらを利用せずに取りあえず無料で、はじめることができる気楽さがあります。これにより、企業のブランドページの数が充実し、中小を含めてFacebook・Twitterは多くの企業のビジネスアカウントを抱えるにいたっています。

LINE参加に必要な「費用の壁」は、LINEにアカウントを開設できる企業にとっては「特権」となります。LINEのアカウント一覧の中に、そうそうたる公式アカウント名が並んでいますが、LINEに参加できない企業はここにリストアップされることがないため、LINEユーザーの目に触れることすら出来ません。Facebookページなどと違い、どんな有名企業でもLINE上にアカウントすら存在しないというケースが考えられるでしょう。このことからも、LINEプラットフォームは企業アカウントの存在を「広告」に近い物だと考えていることがわかります。LINEのユーザーに知ってもらう機会は、その「特権」を買うことが出来る企業だけに与えられるのです。圧倒的なユーザー数を抱え、絶賛成長中であるからこそ取れる強気の戦略だと言えます。

もうひとつは、FacebookとLINEのそれぞれのサービスの成り立ちの違いです。

Facebookユーザーは、そもそも「一対多」のコミュニケーションを前提としてつくられたサービスです。自分の投稿は友人の誰かの目に留まるかもしれないし、見過ごされるかもしれないという偶然性と気楽さがあります。一方でLINEはそもそも「一対一」のコミュニケーションを前提として作られたサービスです。基本的に特定の誰かとダイレクトなコミュニケーションを取るために設計されています。目的を持って発言するし、それゆえにレスポンスし無くてはならないという関係性があります。プラットフォーム化が進みつつあるとはいえLINEの主力機能はあくまで「メッセージ」機能なのです。

企業のプロモーション投稿との相性を考えると、より慎重に運用計画を考えなくてはいけないのは、LINEのほうだと僕は思います。如何にパーソナルツールとしてLINEを使っているユーザーにフォローしてもらい、LINEユーザーの拒絶を生まない形でコミュニケーションを取っていけばいいのか、Facebook以上にユーザーを強く意識して検討する必要があるのです。

LINEユーザーに「プラットフォーム文化」がどれくらいのスピードで浸透するか、LINE企業利用の可能性はその一点にかかっています。