Facebookニュースフィードで新たに考慮されるようになったアノ要素とは?

こんにちは、アクトゼロの山田です。すでにゴールデンウィーク真っ只中の方も多いためか、Facebookのニュースフィードを眺めていると、いつもの平日とは違う様々な投稿にあふれています。旅先での投稿や、家族と過ごす時間をシェアする投稿は、やはり連休ならではといったところでしょうか。

 

普段、何気なく見ているこのニュースフィードなのですが、裏側では多くの情報を元に最適化する仕組みが入っており、各ユーザーごとに表示される内容が違います。
Facebookはこの表示するアルゴリズムを常にアップデートしており、つい先日も新たな指標を元に最適化するようになったと発表しています。

 

Facebookが重視するのはユーザーにとって価値のある体験かどうか

Facebookは以前から、時系列による表示ではなく、ユーザーにとって有益である(価値のある)と思われる投稿を「ハイライト」で表示する仕組みを前面に押し出してきました。(当然、時系列での表示にも対応はしていますが…。)

 

この有益な投稿かどうかというのがミソで、様々な要素によって決められます。大きなところでは、“過去の交流”という要素で、「いいね!」や「コメント」といった何かしらのリアクションを取った友達かどうかが考慮されます。

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さらに、多くの友達が反応している投稿(高いエンゲージメントを獲得しているもの)についても、それが他のユーザーにとっても有益であると考えられることから、ニュースフィードの上位に表示されることもあります。その他、投稿された時間や写真や動画といった投稿されたコンテンツのカテゴリも考慮されると言われています。

 

このニュースフィードの表示において常に一貫しているのは、Facebookを利用しているユーザーにとって、ニュースフィード上に表示されるコンテンツが、そのユーザーにとって本当に価値のあるものであるかどうかという視点です。これにより、Facebookというサービスは新陳代謝が図られていると言っても過言ではない気がします。

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このニューフィードの表示アルゴリズムに、今回新たに考慮される要素が加わりました。それは、ニュースフィード上のコンテンツ、例えば、外部サイトのURLをシェアしたものだとすると、そのURLがクリックされた回数や、ユーザーがそのURLのページをどれくらいの時間閲覧したかという要素です。

これはどういう事かというと、Facebookを利用するユーザーにとって、いいね!やシェアだけが興味を示すリアクションではないということで、直接的なリアクションを取らなくても、リンクを開くという行為や、そのコンテンツを消費するために多くの時間を費やすことも、ユーザーの興味関心を図る重要な指標となりうるということです。

imageこれまでのFacebookの運用においては、多くの場合、いいね!やシェアといったポジティブな反応から投稿のリーチやエンゲージメントを獲得することを目的としていました。しかし昨今、ニュースメディアなどが事件や事故を速報的に広める手段としてFacebookを活発に利用してきたことで、必ずしもポジティブな反応だけで投稿の価値を見極めることが難しくなってきたと考えられます。

事件や事故に「いいね!」はもちろん、積極的に自分のタイムラインでシェアしたくない人でも、その内容に興味がある人は当然いるわけですから、その人にとって類似の投稿をハイライト表示させることはとても価値のあることになります。今回の仕様変更は、投稿されたコンテンツと多様化するユーザーの興味関心をより高い精度でマッチングする仕組みを目指したものと言えます。

 

ソーシャルメディアマーケティングの本質は仕様変更で揺らぐものではない

SNSといった外部のサービスを企業が利用する際のリスクと聞いて、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは“炎上”だと思います。しかし、意外に忘れがちなリスクのひとつに、今回ご紹介したようなサービス側の仕様変更があります。
実は、この仕様変更というのが曲者で、炎上とは違った方向性ながら、同じくらいのリスクとして捉えるべきだと個人的には思っています。

 

例えば、企業のオフィシャルのアカウントを開設して運用するにあたって、社内決裁を取り、ガイドラインを作成し、運用マニュアルを整備して、ようやく始まったという担当者の方は少なくないはずです。個人のアカウントならばまだ知らず、企業のアカウントともなると、社内の調整だけでも、相当な労力を費やしていることは想像に難くありません。その流れの中で、決まったガイドラインや運用のマニュアルは、残念ながらそれを作成した時点での「サービスの仕様」に基づいています。将来の仕様変更なんて誰にも分かりませんから、当然と言えば当然です。

 

つまり、仕様変更によって、多くの時間を費やしたものが、全くの無意味になる可能性があるということこそが一つのリスクなのです。仕様変更ならまだしも、最悪の事態として、サービスが終了することも考えられます。

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こういった仕様変更によって一喜一憂する方は多いと思いますが、何よりも大切なのは本来そのサービスを使って何を実現したかったのか、その本質を忘れないことです。サービスに依存してアカウントを維持することが重要なのではなく、ソーシャルメディアはあくまでも目標を実現するためのツールなのです。
つい最近、NHKのTwitterアカウントがフォロー返しをやめるということがニュースになりました。もちろん、賛否両論はありますが、これもTwitterアカウントが果たすべき本来の目的を、再定義した上での決断のように感じています。

 

各サービスのユーザーによって育まれたカルチャーを重視することは必要なことですが、仕様に振り回されて本質を見失うことは避けるべきことです。ソーシャルメディアマーケティングの神髄は、その運用によって生まれた顧客との関係や、交流のノウハウといったところを自社のナレッジ化し、活用していくところにあります。仕様はあくまでも仕様、どんと構えて向き合うことで、真の価値を生み出すことは間違いありません。

アクトゼロ / 山田