Facebookは日本で流行り定着するのか、もしくは一過性のもので終わってしまうのか。
こういった話題は昨年から繰り返し議論されてきました。
すでに日本には国産SNSのmixiがあり、Twitterを既に多くの人が利用しています。
そんな中、後発であるFacebookが日本で存在感を示すのは難しいでしょう。
さらに実名登録というハードルが非常に高いと言われています。
Facebookの特徴の一つとして「いいね!」ボタンを挙げることができると思いますが、「いいね!」ボタンには、シンプルだけど病みつきになる奥の深さを持っています。
実は、その病みつきになる「いいね!」ボタンこそが、Facebookの本質を表し、普及のカギを握る存在であると考えています。
■難しいことを考えなくていい意志表明「いいね!」
誰かに何かを伝えたい時、その情報を相手に伝えるのは結構面倒だったりします。
例えば、インターネットで面白い記事を見つけたとき、友達にどういう風に伝えるでしょうか。
まずは、教えたい記事のURLをコピーするところから始まると思います。
そして、メーラーを立ち上げて新規メールの作成ボタンを押すでしょう。
友達のメールアドレスをアドレス帳から選んで、メールタイトルを入力します。
最後に本文を書きます。あいさつから始まり、URLについての説明が必要でしょう。
すべてを書き終えたら送信ボタンを押して、ようやく完了です。
ざっと、書いただけで結構な手数が必要になります。
では、もしFacebookに登録していて、記事に「いいね!」ボタンが付いていたとしたらどうでしょうか?
教えたい記事に付いている「いいね!」ボタンをクリックします。
以上です。
メールを送る必要もありませんし、URLについての説明も必要ありません。
友達のFacebookのウォールには、「いいね!」を押した瞬間に記事の抜粋とあなたが「いいね!」と言っていることが伝えられるのです。
このように、「いいね!」ボタンは、難しいことを考える必要のない手軽なコミュニケーション手段として非常に有効に機能しています。
■友達の「いいね!」が大きな付加価値に
友達が「いいね!」を押すことは、情報が拡散するだけでなくその情報の信頼度が高くなる性質を持っています。
例えば、とてもグルメな友人が、あるレストランの新メニューについて「いいね!」を押したとします。
その情報を受け取った友人はどういう風に思うでしょうか?
グルメな○○が言うんだから、美味しいに違いない!
と、思うでしょう。
同じようにファッションに詳しい友人が「いいね!」を押した洋服については、おしゃれなものに違いない!と思うはずです。
このように、「いいね!」という情報が伝達していく中で、その情報に友人が進める「信頼」という新たな価値が付加されていることになります。
■「いいね!」される快感が大きなカギに
このように非常に大きな意味を持った「いいね!」ボタンではありますが、さらに連鎖していく特徴もあります。
友達が「いいね!」したことに対して、「いいね!」を表明することができるのです。
これには2つの側面を考えることができます。
1つはさらなる情報の拡散。
もう1つは、「いいね!」される友人。
1つ目は言うまでもなく、「いいね!」した情報がさらにその友人まで伝わる拡散性を持っているということ。いわゆるバイラル効果として、ソーシャルメディアの特徴として挙げられるものです。
2つ目はいわゆる情報を発信した人が、その情報を見た人から「いいね!」されるということを表しています。極めてシンプルに言うならば、発信した情報に対して友人が賛同していることになります。
つまり、ある一定の評価がリアクションとして返ってくるということです。
そして、実は「いいね!」されることは褒められる事に似ていて、非常に気持ちのいいものなのです。その気持ちよさが情報発信のモチベーションに繋がりFacebook中毒者を生み出して行きます。
このように、「いいね!」という切り口でFacebookを見てくると、その本質に情報発信の手軽さや、友人とコミュニケーションを生み出す面白さというものを持っていることが分かります。
現状では、そのような側面が見えにくいため、取っ付き難い印象になっているFacebook。
実際に使ってみると中々面白くて奥が深いものだと気付きます。
その取っ付き難さを払拭できるかどうかが、日本におけるFacebookの運命を握っていると言えそうです。