ここ最近、急激に注目され始めているInstagram。写真などの画像・動画によるSNSで、スマホで撮影した画像をアプリ上で手軽に加工ができ、簡単にアート作品のような画像を共有できるサービスです。
日本でもモデルやアーティストが利用することもあり、いわゆる「おしゃれ好き」なファッション感度の高いユーザーが多く集まっています。また、ユーザーの過半数は10代~20代と、年齢層は若い世代が多いソーシャルメディアという点も特徴的です。
昨日の田中の記事(写真共有はInstagramに軍配・・・Google+が縮小傾向)でも触れていますが、現在利用しているSNSは何かという調査の結果、LINE/Facebook/Twitterという回答が多かったものの、インスタグラムは飛躍的に利用者を伸ばしていることが報告されています。
企業も注目するInstagram活用
こうした動きに対し、ソーシャルメディアに対して感度の高い企業も注目しています。2015年6月に実施された、NTTコム リサーチによる「第7回 企業におけるソーシャルメディア活用に関する調査」によると、今後活用したいソーシャルメディアとして、「Instagram」を挙げた企業は11.7%という数字でしたが、一年前の同じ調査から比べると2倍以上の伸びを見せており、今後の動向が注目されています。ツィッター・フェイスブックは引き続き多くの企業から注目されており、ツイッター・ユーチューブ・ライン等は過去調査から継続して上昇しています。
世界におけるInstagram
世界的にはInstagramの存在感はどのような状況になっているのでしょうか.英ロンドンに本社を置くソーシャルメディア・コンサルティング企業「We Are Social」が報告する「Digital, Social & Mobile in 2015」によると、世界的にはInstagramはTwitterを超える数のアクティブユーザー数を抱えていると報告されています。Faebookや中華圏SNSの強さも読み取ることができます。
米国に限って見てみるとどうでしょうか。Facebookはやはり強いですが、その他はなかなか接戦しており、Instagramは13%という数字になっています。また、同じ画像系のSNSのPinterestが健闘しています。数年前、日本上陸も果たしましたが、今日まであまり普及しているとは言い辛い状況が続いているので、意外に思えます。
ソーシャルコマースの本格化
先日の山田の記事(GoogleにInstagram…一斉に動き始めた「購入ボタン」の謎)でも触れていますが、Instagram・Pinterestの画像画面に購入機能を追加し、EC分野へ参入すると発表されています。
ピンタレストは今月、インスタグラムは今年末までにそれぞれ新機能をローンチ予定。
(ピンタレストは)ローンチ時には米百貨店のメイシーズ(Macy’s)やノードストローム(Nordstrom)、「コールハーン(Cole Haan)」や「ケイト・スペード(Kate Spade)」などのブランドから数百万点のアイテムが展開されるという。一方、インスタグラムは購入ボタンのほかに、インストールや登録ボタンを新たに設置する計画を発表。同社は先月、日本国内での広告展開を発表しており「コーチ(COACH)」などが出稿。広告事業と合わせECを収益の柱にする考えだ。(インスタグラム、ピンタレストが購入機能を追加 フェイスブック、ツイッターに続き広告以外の収益柱に Fashionsnap.comNews 2015.6.3)
海外でも人気のある画像系のソーシャルメディアが、一斉にECの機能を実装しつつあります。ソーシャルメディアは共感のメディアと言われることもあり、なかなか購入や申し込み等のコンバージョンに結びつけづらくありましたが、こうしたことが可能になってくるように思えます。
ソーシャルメディアでECを展開する、”ソーシャルコマース元年”に2015年はなるのかもしれません。