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手厚い報酬でYouTuberを変える!? 新・有料動画サービス「Vessel」

YouTubeに動画を投稿し、再生数に応じた報酬をYouTubeから受け取って生活を送っている人気投稿者「YouTuber」。すっかり、一般のネットユーザーにも馴染みが深くなってきたキーワードに思えます。ただ、数カ月前に、その報酬額が大分下がったという噂が囁かれ、YouTubeに対して不満を持つYouTuberの存在もあるようです。今日の記事は、そんな不満のあるYouTuberには朗報かもしれません。

米国発の新しいストリーミング動画サービス「Vessel(ベッセル)」が、先月24日に一般向けにサービスを公開しました。Huluの創業者で元CEOが立ち上げたこのサービスでは、月額2.99ドルでVessel上に公開されている動画を自由に視聴することができます。既に動画コンテンツを有するコンテンツホルダーが提供するような高品質の動画から、一般のクリエイターが投稿する動画まで、様々な種類の動画が試聴できます。

VesselがYouTubeと異なる点は、月額有料のサブスクリプションのサービスである点以外に、他のサービスよりも”早く”動画を見ることができるという点です。Vesselに投稿する動画コンテンツは、公開から最低72時間はVessel以外での公開を禁止しています。この、72時間人気の動画コンテンツをVesselが独占して先行公開することで、月額料金を支払うユーザーを集めることができるのではないかという目論見のようです。

72時間の独占の代わりに、Vesselはクリエイターに対してYouTubeと比べて高い報酬を提示しています。「動画再生1000回あたり約50ドルを受け取れる」と説明しているようで、これはYouTubeで受け取る平均金額の20~25倍程度になると言われています。こうした条件を背景として、欧米の人気YouTuber達が徐々に活動の場をVesselに移す現象が発生し始めています。

現状では、言語は英語のみの対応ですが、英文の内容は平易に書かれていますし、webサービスを使い慣れていれば直感的に問題なくアカウントを作成することができます。

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ニックネーム・本名・性別・誕生日を入力。その後、興味のあるジャンルやフォロー先の紹介を経てアカウント作成は進んでいきます。

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手続きの最後にクレジットカードの情報を入力するフォームが出現します。初月1ヶ月は無料ですが、2ヶ月目以降、月額2.99ドルが必要になってきます。

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アカウント作成時に選択した興味分野を中心に、様々な動画がレコメンドされます。

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再生画面がこちら。至ってシンプルなプレーヤーになっています。クリエイターによるお菓子のレビュー動画のようでした。日本の方だと思いますが、完全に英語で欧米人を対象にした動画のようでした。

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 大きな報酬を得るためには、人気となるような面白い動画コンテンツを公開しなければならないのは、どのプラットフォームにおいても共通したことではありますが、同じ労力をかけた作品を公開する時に、その報酬が大きい方を選択するのは当然の事実だと思います。

ただ、以前に黒沼が、一つのプラットフォームに依存する危険性を指摘したように、webの業界の流れは早く常に変化していきます。現状ではYouTubeよりも報酬が高いとされているVesselも、いつ内容が変更されるかは分かりません。

 

参考:
http://www.advertimes.com/20150325/article187358/
http://ascii.jp/elem/000/000/964/964504/