先日、このソーシャルメディアインサイトでウォールにおける「体験」の重要性を記事にしました。今回は、その「体験」の具体的な成果について詳しく書いてみようと思います。実際、記事内で述べたように、なんとなく写真を投稿に絡める有効性は分かるんだけど…という方も多いと思いますので、実際の数字を挙げて見ていきましょう。
インサイトの反応率とは?
ウォールの投稿に対してどれくらいのリアクションがあったのか、という点を判断する時に最も分かりやすいのが、Facebookのインサイトで見ることができる「クチコミ度」というものになります。これは、ウォールに投稿された記事がどれくらい表示されたのか(インプレッション)と、どれくらいリアクションがあったのか(話題にしている人)を、記事単位で見ることができる項目で、記事を見た人の中で、「いいね」や「シェア」をした人の割合が「クチコミ度」で表示されています。クチコミ度が高いということは、きちんと情報が伝わっていることの裏返しですし、コミュニケーションを図る上での一つの指針として捉える事もできます。
まずは、インサイト上での「クチコミ度」の見方を簡単にご紹介します。
管理人となっているFacebookページを開くと、右側に「過去のインサイトを見る」という項目が表示されます。
次のページでインサイトのトップに進みます。
表示されたページの真ん中あたりに、「ページの投稿」という項目があります。
このエリアで、投稿ごとにどれくらい表示されているのか、どれくらいの反応があったのか、というのを見ることができます。
この項目の要素を簡単に説明すると…
「日時」…投稿された日時
「投稿」…投稿された内容
「リーチ」…投稿を見た人のユニーク数
「アクションを実行したユーザー」…記事をクリックしたユーザー数
「話題にした人」…投稿に対して「いいね」した人、シェア人、コメントした人、クエスチョンに回答した人等のアクションを起こした人の合計数
「クチコミ度」…「リーチ」数における「話題にした人」の割合
この「クチコミ度」によって、投稿した記事に対してどれくらいの割合でリアクションがあったかを見ることが可能になります。
ちなみに、ここに表示されるデータは10件のみですので、より詳細なデータが必要な場合は、右上の「エクスポート」から詳細なデータを取得することができます。ぜひお試しください。
表現方法で変わるクチコミ度
このクチコミ度の項目において、投稿内容に「写真」等の表現方法を加えることで、どれくらいの変化があるのでしょうか?
2つのFacebookページの事例を元に、数値を見てみましょう。
下記の表に、Facebookページのクチコミ度を集計したものをまとめました。
A社は標準的な企業Facebookページで、商品やサービスの情報発信を行っています。
B社はFacebookページにオリジナルキャラクターを投入して、キャラクター目線で商品の情報を発信しています。
A社、B社ともに、ひと月分の投稿内容を集計して、平均リーチ数と写真がある場合とない場合のクチコミ度の平均値を算出しました。リーチ数はページの「いいね」数に連携するため、ひとつの参考として入れています。
両社とも、写真を投入した場合の方が、写真がない場合よりもクチコミ度が高くなるという結果になりました。
これは、写真と言う明確なイメージを訴求することで、より「リアル」な情報と認識され、主体的なイメージになったことで具体的なアクションに至ったと考えられます。
さらに、もう一つ特筆する点として、キャラクターを介するという演出をすることで、クチコミ度がぐっと上がっている点が挙げられます。B社は、投稿内容に連動したキャラクターの様々な写真(画像)をウォールに投稿し、情報とキャラクターが強く結びついた演出をおこなっています。
メッセージを受けてとる立場で考えた場合、「企業名」でのメッセージより、特定の「キャラクター」からのメッセージとなることで、対話相手が明確になり、当事者としての感覚を抱きやすくなると考えられます。当事者としての意識付けから、「いいね!」や「コメントの投稿」といった自発的なアクションに結びついています。そういった傾向が、上記の表からも読み取れかと思います。
メッセージと連動した写真を投稿してより効果的に
このように写真やキャラクターを活用した投稿が、ただのテキスト情報の投稿を行うようりも、より多くのコミュニケーションを生み出すことが分かりました。
しかし、ただ単純に写真を使えばOKではないですし、キャラクターを作ったからOKというものでもありません。それらは単に表現方法のひとつに過ぎませんので、あくまでも、その中に含まれるメッセージの質も忘れてはいけません。
そしてもう一点、注意しなければならないのが、キャラクターを使用した際に、キャラクターの人気だけが先行してしまう可能性があるという点です。これは、意図した情報がきちんと伝わらず、キャラクターと触れ合う場としてのみ機能してしまうという本末転倒なパターンです。
いずれにせよ、写真やキャラクターといった表現を使うことで、コミュニケーションを取りやすくなることが分かりました。
まずは比較的手軽なところ、写真を活用することから、実践してみてはいかがでしょう?