金曜日のネットマーケティングレポートをお送りします。
アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。
今週も世界で話題のバイラル動画広告をご紹介します。人気ゲーム「アサシンクリード」シリーズ最新作のプロモーション用に制作された、フランスの街角を舞台としたフリーランニング(パルクール)の動画広告です。アサシンクリードシリーズは、主人公が自由を守るアサシン集団の一員となって、世界を洗脳しようと画策するテンプル騎士団のターゲットを暗殺していくアクションゲーというアクションゲームです。まずは、ゲームのトレイラーをご覧ください。
Assassin’s Creed Unity E3 2014 World Premiere Cinematic Trailer [US]
今回の作品では、舞台がフランス革命当時のパリです。今作より4人同時プレイとなったこと、ゲームが様々なギミックを使った暗殺アクションであることなどが短く印象的にまとめられたものとなっています。
Assassin’s Creed Unity Meets Parkour in Real Life – 4K!
そして本件の動画広告です。トレイラー同様ノートルダム寺院からスタートし、こちらでは現代のパリが舞台となっています。
フランス革命当時の民衆への圧制よろしく、現代のパリでも貴族がホームレスから小銭を奪っています。
そこに、アサシンクリード内のキャラクターの格好をした4人が登場します。
その姿を見た貴族は慌てて逃げ出します。
パリの街なかで、子どもたちを押し分けて逃亡を図ります。
華麗なパルクールで4人のアサシンが追いかけていきます。
小道へ逃げ込みますが、その頃アサシン達は…
屋根の上を回りこんでいました。
エッフェル塔や
ルーブル美術館の前などパリの名所を駆けまわります。
ついに貴族は追い詰められて、暗殺されてしまいます。
モンマルトルの丘に立つ4人のアサシンの後ろ姿で動画は終わります。
ゲームに興味が無いライト層を惹きつけるフリーランニング(パルクール)の妙技
もともとアサシンクリードシリーズを知っているプレイヤーであれば、黙っててもゲームのトレーラーを見に来てくれます。しかしそこまで熱心ではないゲームファンへアプローチするために、ゲーム内容の中からフリーランニングの要素を切り出し、現実のパリの街で撮影したところにこの動画広告のキモが有ります。観光地として知られるパリの名所を、フリーランニングで駆けまわっていく集団の様子は、ゲームに興味の無い消費者にも、大きなインパクトを残し、そのうちのいくらかを実際の購買へとつなぐはずです。
現にこの動画広告は大きな話題を呼び、2014/07/22動画公開後1週間ほどで650万再生を達成しています。
同様にゲームの主人公の「特殊な能力」を現実の世界に再現することで成功した動画広告の例として、同じUbisoft制作の「AMAZING STREET HACK」が有ります。
AMAZING STREET HACK
スマートフォンを使った天才ハッカーとして、ゲーム上に再現されたシカゴの街を生きていくゲーム「ウォッチドッグス」の発売時に公開された動画広告で、こちらもYouTube上だけで1350万再生と大きな話題を呼びました。
どちらの動画でもゲームに興味が薄い層をも取り込む形で動画広告が制作されています。ゲーム業界のマーケティングの現場で、フリーランニングやサプライズなどの「驚きのポイント」を用意しつつ、ゲームの世界観を上手く消費者にアピールする、優れた動画広告が次々と生まれているのです。