金曜日のネットマーケティングレポートをお送りします。
アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。
今日も海外のバイラル動画広告を紹介していきます。今回はテレビドラマの視聴情報をSNSで共有できるアプリ「tvtag」によるバイラル動画広告です。
Walter White in Space
人気海外ドラマシリーズ「Breaking Bad(ブレイキング・バッド)」の主役、ウォルター・ホワイトのバブルヘッド人形を使った科学実験動画となっています。ちなみに、ブレイキング・バッドは悪事に手を染めるのような意味。
打ち上げは、ユタ州で行われました。
今回の主役ウォルター・ホワイトの人形とカメラボックスです。
このゴム風船の浮力だけを使って宇宙を目指します。
リフトオフ!風に揺られてウォルター・ホワイトが飛んでいきます。
風に流されるように岩場をさまよっていきますが、
人形は時期に高度を増していきます。
ついに地平線が見渡せる高さになりました。
そしていよいよ地球の全景が見え始めます。
しかしここで風船の寿命が!飛散する風船の残骸がストップしているように見えて、すごく宇宙的です。ここから、逆に高度を落としていきます。
見慣れた砂漠へ逆戻り。
打ち上げスタッフに無事発見されました。85,000フィートの高さまで到達出来ました。
「ハイゼンベルグ万歳!TV万歳!」ハイゼンベルグは、ウォルター・ホワイトの劇中での別名です。
tvtagのロゴで終わります。
演出と切り口で拡散結果が大きく変わるバイラル動画広告
実はこの打ち上げ実験、tvtagによって発明されたものではありません。Youtubeに投稿された動画の中で初期に有名になったのは、こちらの動画。
Toy Robot in Space! – HD balloon flight to 95,000ft
2010年12月に投稿された動画で115万再生しています。その後ビールやハンバーガー、iPhoneなどが、まったく同様の構成で飛ばされています。
そんな中、今回のビデオは7/14の公開から、たった10日余で150万再生を達成しました。他の動画と、何が違ったんでしょうか?3点ポイントが有ると思います。
一つ目はタイトルの秀逸さです。
ブレイキング・バッドはアメリカにおいて21世紀最高のドラマという評もあるほど、人気の高い作品です(日本では何故か人気無い)。その登場人物である「ウォルター・ホワイト」が宇宙にいくというタイトルだけで、まずは視聴者に再生させるだけのパワーが有ります。
二つ目はドラマチックな映像演出。
ロケット打ち上げにふさわしいロケーション。風船準備のBGMに合わせて編集された流れるようなシークエンス。風船打ち上げ後の適度に入るカット編集など、類似の動画と比べても映像の快感にあふれています。
三つ目は事前の「注目集め」です。
この打ち上げイベントを実施するにあたって、tvtagはユーザーを対象にTwitterで誰を宇宙に飛ばすかの投票キャンペーンを行いました。Twitter上に20万人のフォロワーを抱えるtvtagですが、ソーシャルキャンペーンを行いフォロワーたちにツイートで投票を促すことで、事前の話題作りを完成させています。
ウォルター・ホワイトはドラマ中で「ブルースカイ」という名前の高品質ドラッグを開発することで、裏社会の大物として堕ちていきます。その辺りもかかってるという意味でも、原作ファンを喜ばせるよく考えられたキャンペーンだなと感心しました。また来週です。