無料通話やチャットなどが楽しめるSNS「LINE」が、世界中に勢力を伸ばしているようです。アジア地域はもちろん、中南米・ヨーロッパ地域でもユーザーが急拡大し、現在(2013.8.22)では世界で2億3000万ユーザーに達しているようです。日本国内でも4700万ユーザーを抱える一大サービスとなっています。
フィリピン・インドネシア・タイ・マレーシアにおいて行われた、東南アジア地域のスマートフォンアプリのトップ10ランキング調査でもLINEは上位に登場しています。特にタイではFacebookを押さえ、人気トップを誇っています。
私が興味を持って注目し続けている国、インドネシアでもLINEの人気ぶりをよく耳にはさみます。インドネシアでのプレス向け発表会では、インドネシア国内でのダウンロード数は2300万件を突破したことを公表しています。
インドネシアでは、スマートフォンではBlackberryの普及率が高く、同端末間でメッセージのやりとりができる「Blackberry Messenger(BBM)」が人気の他、Facebookユーザー数も約4800万人ともいわれ、SNS大国となっています。
ジャカルタ市内のバス内でも多くの人がスマホを操作する姿が。
こうした環境の中、LINEはグローバルでのマーケティング活動を強化し、ローカライズしたサービスを展開することによって、インドネシアでもユーザー数を急拡大させています。インドネシア最大手の通信企業Telkomsel社は、政府系の企業(日本でいうとNTTdocomoに近いでしょうか)で、LINEと業務提携を行っています。LINEなどのSNSアプリを自由に使える料金プランをキャンペーンとして実施しています。キャンペーン期間は、およそ一ヶ月に渡るイスラム教の「ラマダン」と呼ばれる断食の時期に限定だとか。
現地で人気の若手女優を起用したTVCMなどの広告も積極的に展開しています。
現地企業のLINEを活用したコミュニケーションも行われています。断食時や熱病時の水分補給に適しているという宣伝の結果、インドネシアのどこでも見かけるまでに普及した「ポカリスエット」は、ポカリマンという独自のキャラクターのスタンプを配布しています。POCARI IDと友だちになると、スタンプを無料でダウンロード出来るというプロモーションです。
今年の初め、現地の友人であるNさんに聞いた所、LINEよりもWhatsAppの方が人気があると聞きました。(最近どうよ?海外ではLINEよりも主流のWhatsApp 2013.1.28) 当時は、Nさんの職場では、友人である同僚のほとんどの人はWhatsAppを利用しており、 LINEは4人程度しか使っていませんでした。
それが、9ヶ月経った今、改めてNさんに聞いてみると、今では職場の友人の全てがLINEを使っていると言っています。(そういえば、最近、NさんとのやりとりもLINEばかりでした。) 待ち合わせ時や遊びに行くとき等のちょっとした連絡や、日常的なコミュニケーション・おしゃべりで使っているとか。スタンプも可愛いのが揃っていてお気に入りのようです。
Nさんが送ってくれた、友人とのLINEでの連絡の一例。
「空港に寄ってから行くけど」「了解!」みたいなやりとりのようです。
インドネシアでもユーザーの拡大を見せるLINE。短期間の間に、スマートフォンによるコミュニケーションに急激な変化をもたらしているようです。今後の動向にも注目しようと思います。