ネイティブweb動画世代が消費のボリュームゾーンに成長した時

SNSの要素を持ちながら、webで動画を配信・視聴する、YouTubeやニコニコ動画などといった動画共有サイト。すっかりネットユーザーである私達の生活にはお馴染みのサービスとなっており、企業のプロモーションでも使われるシーンが多くなってきています。今日は、若い世代のメディア接触傾向から、こうしたweb動画の施策がいかに重要かについてお伝えしようと思います。

メディア接触時間:若い世代で逆転現象が始まっている

2012年メディア定点調査
(株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 )より
 【メディア接触時間・性年齢別比較 <東京地区>】
 
上のグラフは、1週間の間に、どのようなメディアにどれだけの時間、接触したかを世代別に表したものです。ここで注目したいのが、赤枠で囲んだ世代(男性15~19歳・20代 女性15~19歳)です。この3カテゴリーでは、インターネット接続の合計時間が、4マスと呼ばれるテレビ/ラジオ/新聞/雑誌の合計時間を上回っています。男性30代でもほぼ均衡しています。日常の生活の中で、特に若い世代の人々は、長時間インターネットに接触している傾向が見られます。

2009年メディア定点調査
(株式会社 博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所 )より
 【メディア接触時間・性年齢別比較】

ちなみに、上のグラフは2009年に行われた同様の調査結果です。ネット接触時間が4マスを超えている世代は見受けられません。この3年間で大きな変化が見られたことになります。

若い世代はネットで何をしているか?

では、そんな若い世代の人々はインターネットをどのように利用しているのでしょうか。

平成24年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)
平成25年1月 内閣府 

上のグラフは、10~17歳の青少年に対して行われた、PC・携帯電話それぞれでのネット利用目的についての調査の結果です。青枠で囲まれた、メール・サイト閲覧(調べもの)に次いで、赤枠で囲まれた「音楽や動画の閲覧・ダウンロード」が比重を示していることが分かります。ストリーミング・ダウンロードを合計すると、高校生の世代では他のカテゴリーを抜いて、動画閲覧することが最も長時間となります。

(出典は前グラフと同じ)

ちなみに、上のグラフは、上記調査で行われた、携帯電話の所有率および所有機種を示したグラフです。高校生ではほぼ全員、中学生でも2人に1人は何らしらの携帯電話を持っています。その中でもスマートフォンを持っている割合が、中学生では携帯を持っている人のうち4分の1、高校生に至っては半数以上となっています。

まとめと考察

つまり、現在の若い世代、特に高校生を一文で端的にまとめると、「一日のメディア接触時間のうち、多くの時間をスマートフォンでインターネット接続して動画閲覧を行なっている」といえるのではないでしょうか。

一旦、若い時期に形成された生活習慣や傾向はそのまま引きずって成長するものだと思います。メディア接触傾向もそういえるのではないでしょうか。私は先日35歳になりましたが、私の世代である30代の、周囲の人間を見るとまだテレビをよく見る人が多いように感じます。スマホやタブレットPCが流行っている昨今ですが、この記事を書くにはキーボード付きPCが必須だと思っていますし。(若い世代では逆にキーボードは要らないと感じている人すら居ると耳にします。)

つまり、こうしたネイティブweb動画世代が、やがて30代・40代の、消費のボリュームゾーンに成長した時、現在以上に、企業プロモーションの舞台・表現として動画が重要になってくるといえるのではないでしょうか。

ご担当の皆様、今のうちから準備しておいても早くはないと思いますよ!

Photo by MIKI Yoshihito