無線回線で映像伝送・どこからでもUstream可能な「TVUpack」

先日、Ustreamに使えそうな機材を発見し、早速、実機のデモを拝見してきたのですが、かなり使えそうな面白いものでした。今日は、スターコミュニケーションズ株式会社様の「いつでもどこでもハイビジョン映像伝送」を可能にした「TVUPack」をご紹介いたします。

このTVUPackは、撮影した映像を、3G等の無線回線などを通して発信し、別の場所に設置されたレシーバーで映像を受信するもの。受信した映像は、たとえばテレビ放送やネットライブ中継に利用できます。

<Ustream配信の見地からの利点>
・移動を伴う撮影が必要なUstream配信時の確実性を向上
・事前のネット回線の確保・準備が不要
・現地からUstreamを直接配信する必要が無いので現場に配信PCを持っていく必要が無い
・配信技術者が現場に行く必要が無く、配信技術に明るくない人でも現場対応可能
・ひいては移動にかかるコスト/人件費のカットにも繋がる

リュック型のトランスミッター上部には、USBの受け口が10個付いています。ここに各キャリアのデータカードを刺して通信します。複数キャリアに対応することで電波状況のリスクを回避したり、複数の回線を束ねることで太い回線を作り出し、ハイビジョン動画の伝送も可能としています。(実際には最低でも2回線あれば可能なようです。)各回線のコントロールなどは全て自動的に調整してくれます。また、電波状況が悪くなると画質を落とすことで必要な帯域を確保し、中継が途切れない工夫もされています。

下部には、エンコーダーと配信機材が仕込まれています。カメラからの接続には、HDMI・Firewire・コンポーネント・コンポジットなど、想定できる接続形態はほぼ全て準備されています。バッテリー1個で1時間弱程度の配信が可能とか。バッテリーは2個接続でき、実際には1個づつ使われるため、空になった方のバッテリーを交換することで、長時間中継でもシームレスに配信可能です。モニターには、配信中の映像が映し出される他、データカードの電波状況や通信状況もモニタリング出来ます。

レシーバーは、基本的にスターコミュニケーションズ様社内スタジオに設置されており、短期利用の場合はここから映像を受信・Ustream配信作業を行うことになります。長期利用の場合は、レシーバーの貸出も行っているようです。撮影から受信までの伝送にかかる遅延は、電波状況によってバッファの設定の長短があるようですが、標準で4秒で設定されているとか。


(リュック型ケースの横には冷却用ファンが仕込まれており、熱対策もOK。)

撮影した地点から直接Ustreamに配信するのではなく、安定したネット環境のある別の拠点まで映像を伝送し、そこからUstreamに配信することを実現するこのソリューションは、これまでUstream配信時に抱えていた「配信現場の通信環境によるNG」という最大の不安を解消してくれるのではないでしょうか。今後、弊社でもUstreamの企画などで活用していきたく思います。

※記事中の画像は、スターコミュニケーションズ様のご好意で掲載させて頂いています。転載等はご遠慮下さい。

記事協力:スターコミュニケーションズ株式会社 取締役 岩下聖司様

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