先週発表されましたが、YouTubeが課金制の有料チャンネルを開始しました。
YouTube、課金制の有料チャンネルを試験的にスタート 月額1ドルから(iTmedia)
引用:
Google傘下のYouTubeが、サブスクリプション制の有料チャンネルのパイロットプログラムをスタートした。UFCやセサミストリートなどのパートナーチャンネルが月額0.99ドルからの番組配信をスタートした。一部のチャンネルは日本からも定期購入できる。
http://www.youtube.com/channels/paid_channels
YouTubeの利用が有料になるのではなく、月額の定額課金制でお好みのチャンネルが見放題になるというもの。衛星放送で、観たい映画やスポーツなどの専門チャンネルごとに契約して、料金を支払うイメージです。まだ、海外発信のチャンネルのみですが、本日(2013.5.13)現在で54チャンネル開設されており、うち29チャンネルは日本からも購入できます。料金は、1チャンネルあたり、200~500円/月額程度です。多くのチャンネルでは、年間契約すると月額支払よりも割引される料金体系になっています。
試しにチャンネルを登録(定期購入)してみた
試しに、日本からでも定期購入できるチャンネルを一つ、登録してみましょう。選んだのは「National Geographic Kids」。自然科学のドキュメンタリーチャンネルの、子供向けのものです。番組のナレーション・テロップ等は勿論英語ですが、子供向けの簡単なものなのでリスニングの勉強にはちょうど良いかもしれません。
YouTubeチャンネル National Geographic Kids
有料チャンネルの新規契約や解約などの手続きはすべて、YouTubeのパソコン向けWebサイトにで行われます。まずはPCから個人のgoogleアカウントでYouTubeにログイン。このチャンネルは、月額契約だと400円、年間契約だと3000円と、年間契約すると1800円も安い設定になっています。
決済は、google Walletで行われます。事前に、google Walletで、クレジットカードの設定をしておく必要があります。
ほとんどのチャンネルには、14日間の無料試用期間が設けられています。ですので、契約時には0円と表示されています。2週間後、月額の400円がクレジットカード決済されるようです。為替変動などによって金額が変わることもあるようで、1ドル100円台を突破した為替相場の円安動向の今後が気になるところです。
無事、登録・契約が完了しました。これで、このチャンネルの動画は見放題になります。何本か視聴してみましたが、小学生の頃に見たような、NHK・Eテレの教育番組を連想させる内容でした。
ちなみに、YouTube からコンテンツを購入できるのは 18 歳以上のユーザーと年齢制限があるので、大人が契約して子供に見せる前提なのでしょう。(現実的に考えれば当たり前ですが…) YouTube のコンテンツ レーティングによって、成人向けコンテンツのコンテンツ所有者は、言語表現・ヌード・性描写などの項目でランク分けをする必要が求められています。(現状、露骨なポルノチャンネルはありませんでした。)
登録はPCから行う必要がありますが、視聴自体はその他のデバイスからも可能です。Androidスマートフォンからでも、問題なく視聴できました。(プリントスクリーンの問題で、再生画面が真っ黒ですが、実際にはしっかり動画が表示されています。)
試しに、YouTubeから一旦ログアウトして、有料チャンネルのYouTube動画のURLを叩いてみると、定期購入のアナウンスとともに、数分間、プレビューできるようになっていました。大抵の動画は、本編の冒頭2分程度まで再生できるようです。
有料チャンネルの開設
現状、海外のチャンネルのみですが、今後、日本向けのチャンネルも増えていくと言われています。
チャンネルの開設には、「Paid Channels Sign Up Form」から行います。「計画中の有料チャンネルのジャンルや対象年齢」など、いくつか質問が設けられていますが、恐らく、所有するコンテンツ数や質・コンテンツの追加頻度等の、コンテンツホルダーの審査が行われるのでしょう。
有料チャンネルのパートナーは、月額最低0.99ドルの料金をYouTube側に支払うことによって、一般ユーザー向けに有料チャンネルによる配信ができるようになるようです。(Youtube: パートナー向けに有料チャネルの開設サービスの提供を開始(Digibo) なので、ニュースサイトの多くは、「有料チャンネルの料金は月額0.99ドルから」という表現をしているのですね。
日本で、課金制のweb動画といえば、ニコニコ動画が連想されます。また、定額で映像コンテンツ見放題が好評のHuluなど、PC・スマホ等で映像を試聴するサービスが一般となりつつある中、「チャンネルパートナーからの強い要望を受けて立ち上げた」(前述のiTmedia)YouTubeの有料チャンネル。流れとしては自然ですが、大分対応が遅かった印象があります。
web動画サービスの最大手で、ユーザーも多く抱えるYouTubeでの有料チャンネルサービスは、映像コンテンツを所有する権利者にとって直接的な収益手段の一つとして有効に活用できるのではないでしょうか。
Photo by webtreats