”ジャカルタ日本祭り”レポート・前編

インドネシアはfacebookを始めとしたSNS大国であり、また、世界第四位の人口数を背景に、急速な経済成長を遂げており、海外市場として魅力ある国として挙げられることが多いと思います。また、親日国としてもよく知られ、産業・経済・文化など、様々な面で日本と関わりが深い国の一つです。

先週、私はインドネシア・ジャカルタで開催された「ジャカルタ日本祭り2012」を訪問してきました。そこで、インドネシアの皆さんが、日本の文化と親しむ様子についてお伝えしようと思います。

「ジャカルタ日本祭り」とは?

毎年、9月前後にインドネシアの首都・ジャカルタを中心に1週間に渡って行われ、今年で4回目を迎えます。様々な場所でイベントが繰り広げられますが、最も盛り上がるのは、最終日の”クロージングイベント”です。市街中心部に位置する、モナス(独立記念塔)の公園に設けられた会場の大小のステージで様々なイベントが行われるのですが、日本の和太鼓やお神輿が出て、インドネシアの皆さんが日本の文化に触れられるお祭りとなっています。昨年は最終日だけで3万人を超える参加があったのだそうです。

モナス。頂上部分は展望台になっていてジャカルタ市街を見下ろせるのですが、待ち時間が常に1時間以上あるとの話で、登頂は断念しました。

実行委員会の事務局の方に一連のイベントの取材許可を頂き、いざ取材へ! (以下の写真は、すべて関係各所に許可を頂き、取材させて頂いております。)

「日本とインドネシアの食文化交流」

9月29日(土)。ジャカルタ中心部から少し南に位置する、スミットマスというビジネスビルの1Fの「basara」というお店。インドネシアの豊富な食材を使った日本料理が自慢でインドネシアの要人も贔屓にするという、とても素敵な和食レストランが今日の会場でした。

こちらのイベントは、国際交流基金とNPO法人日本料理文化交流協会との共催で行われた、日本の料理をインドネシアの皆さんに伝えるイベントです。参加者は調理科の課程をもつ高校生とその教員が中心です。まず前半は、こちらのレストランの高井料理長が、「絆鍋」と題した、2色の味の鍋料理を紹介。片方は日本の出汁を使ったあっさり味、もう片方はインドネシア風味で味付けされピリ辛味。

 参加者の皆さんは真剣な表情で解説に耳を傾け、熱心にメモを取る姿も多く見られました。

 代表して味見をした女性に感想を聞いてみると、「酸っぱいと思っていたけど、酸っぱくなく、さっぱりしていて美味しい。インドネシア人の口にも合います。このような美味しい物があるならば、日本人に生まれたかった」とのことでした。

後半からは、日本からこの日のためにインドネシアへ来られた、「青柳」の近石さんが担当で、和食の料理人が教える、”ピカチュウ”のキャラ弁調理講座(!)です。なんでも、今年、パリで行われたJAPAN EXPOでこのキャラ弁を披露したところ、大人気だったのだとか。そもそも弁当という文化自体、日本独特なもので、キャラ弁となればなおさらそうなのでしょう。本格的な和食の板前さんが、チキンライスを作ったり、ピカチュウを可愛く作るコツを伝える様子が新鮮でした。

テレビ局などの多くのメディアも、日本の料理が出来上がる様子に注目していました。ここからは、参加者の皆さんが実際にピカチュウをお弁当箱の中に再現していく実習です。

 中には微妙な?ピカチュウも居ましたが、皆さん、楽しみながら作れたようです。右の彼は「ピカチュウ賞」として選ばれた最もよく出来たチャンピオン。記念品がプレゼントされました。

インドネシアの皆さんが喜ぶ様子に嬉しそうだった近石さん。「弁当に使った食材は全てインドネシアで手に入れられるものです。日本人ならではの細かい作業が伝えられたのではないでしょうか。キャラ弁作りは、意外と男性の方がハマることが多いのです。プラモデルやフィギュアを作る感覚に似ているからだと思います。キャラ弁は、仕事が休みの日に娘と一緒に作って研究しています。ピカチュウの他に、スヌーピーなんかも可愛くできますよ」と、コメントを頂きました。

 Japan week – Atrium Plaza Senayan

「basara」からほど近い、スタイリッシュなショッピングモール「プラザ・スナヤン」。日本の”そごう”も軒を連ねる超大型のショッピングモールです。インドネシア内にはこのような大型ショッピングモールが数十店舗があり、今も増殖中なのだそうです。

こちらの催事広場では、9/25~29の間を”Japan week”と称し、日本にまつわるイベントを連日行なっていました。相撲の展示や、日本に関する写真展、観光案内のコーナーなどがありました。

中央のステージでは、戦隊ショーや、ドラえもんショーが繰り広げられました。ドラえもんはインドネシアの子供の間で昔から根強い人気があるのだとか。司会のおねえさんはインドネシア語のため言葉の意味はわかりませんが、子供たちと一緒に呼び込むキャラの名前は、「ジャイアン」「スネ夫」「のび太」と、日本で聞き慣れた名前そのままでした。

インドネシアのお子様もノリノリです。しかし、すごい見学の人でした。

イベントの次第を見てみると、他に折り紙のワークショップや、JKT48の撮影会とライブ、風呂敷や和紙人形のワークショップ、剣道のデモンストレーションなどなど、このJapan week中には多彩な催しが行われたようです。

明日の”クロージングイベント”下見へ

夜、翌日のクロージングイベントが行われる会場の下見をしてきました。モナスが、様々な色にライトアップされています。

 昼間は殆ど人が居なかったのですが、この時間、外は風が吹いており、涼しさに誘われたかのように沢山の人が広場に集まっていました。そして人が集まるところには商売有り。おびただしい数の露天が連ねています。露天は、なんだか怪しげなものも多く、この露天に注目するだけで面白いレポートが書けそうな気がします。夜のモナス広場がこうなっているとは知りませんでした。

 会場には、立派なやぐらが立っていました。明日の晩、インドネシア人・日本人がともに盆踊りを踊るそうです。インドネシア人はもともと踊りが好きな国民性らしく、盆踊りもすぐに覚えてしまうのだとか。明日は帰国便の関係で夜まで居られず、その様子をレポートできないのが残念です・・・。音響機器の調整のため、「東京音頭」がずっとかけられていました。異国ジャカルタで、モナスを背景にした完璧な盆踊り会場に胸が踊ります。

 

メインステージ。非常に立派なステージが設営されていました。明日、ここを舞台にどんなイベントが繰り広げられるのでしょうか?

照明の調整が行われる中、明日の出演者たちのリハーサルが行われます。日本からは人気のR&B歌手、May J.さんが出演。こちらのライブの様子もレポートしたかったのですが、それも帰国便の都合で叶わず・・・。しかし、朗報が!May J.さんが司会をつとめるテレビ番組「J-MELO」(NHK)の中で、この様子が放送されます。詳しい放送予定が判明次第、お知らせ致しますので是非、ご覧下さい。

以上、”ジャカルタ日本祭り”レポート・前編をお送りしました。次回、祭りの中で最大のイベント”クロージングイベント”の様子をお伝えします。