新日本プロレスもサブスクリプションサービス提供開始。先行するWWE、今起きているプロレスコンテンツの世界戦争

アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。今日はプロレスの世界で起きているサブスクリプション型動画コンテンツのサービス競争についてお送りします。

2014年12月1日新日本プロレスとテレビ朝日は、サブスクリプション課金(月額固定の費用で見放題)型オンライン動画サービス「NJPWWORLD」開始のオンライン記者会見を行いました。

captNJPWWORLD公式サイト

会見冒頭、新日本プロレス木谷高明オーナーは、プロレスリングの世界で新日本プロレスは世界2位の団体。しかし、世界1位のWWEとの格差はとても大きい。業界内で1位と2位の差がこんなに大きいビジネスはない、2位にとっては1位のビジネスを参考にすることで大きなチャンスがある。もちろん新日本のプロレスの内容は世界一だ。と語りました。テレビ朝日で長年放映されてきた新日本プロレスの番組「ワールドプロレスリング」のアーカイブから最新の試合まで月額999円で視聴可能で、サブスクリプション型のオリジナル動画配信サービスを開始することになります。

先行するWWEのサブスクリプション動画配信サービス

capt2

 米プロレス界最大のプロレス団体WWEは2014年2月より、サブスクリプション型のオリジナル動画配信サービス「WWE Network」をスタートさせました。月額9.99$の課金で過去のテレビ放映プログラムや、ペイパービュープログラム、選手の密着ドキュメンタリーなどが見放題となっています。日本からはまだ見れませんが、アメリカ以外にもカナダ・オーストラリア・ニュージーランド・香港・シンガポール・メキシコ・スペイン・デンマーク・フィンランド・アイスランド・ノルウェー・スウェーデンなどから視聴可能です。今はまだ視聴不可能な、イギリス・日本などでのサービス提供もすでに予告されており、WWEはプロレスにおける世界覇権をこのサブスクリプションサービスWWE Networkを通じて実現させようとしています。

アメリカ・日本以外にプロレスが盛んな国といえばメキシコが連想されます。メキシコではルチャ・リブレ(自由な戦い)という現地語で空中戦を活かしたプロレスが独自の文化的な広がりを持っていました。

しかし、2011年ころからアメリカのWWEのテレビ放映が始まって以降、ルチャ・リブレの人気は落ち込んできているようです。

さてルチャ人気低下の理由について聞くと、いまメキシコではもの凄いWWEブームでWWEのTV番組の視聴率がうなぎ昇り。で「WWEを見たらメヒコのルチャなんか安っぽくて見ていられない」とかつてのルチャファンが口を揃えているとか。
(中略)WWEはかつて全米いたるところにあったプロレスの会社をすべて飲み込んでしまったわけだが、今度はメキシコをも食ってしまうというのか。
ジミー鈴木の復活Blog:ルチャリブレの危機 

今回のサービス名「NJPWWORLD」は、今後の新日本プロレスの海外展開を念頭に置きつつ、プロレスコンテンツ業界で国境を越えて進出してくるWWEを迎え撃つためのサービス名なのです。

[アクトゼロ/黒沼(@torukuronuma)]