今や、その影響力はテレビに並ぶと言われているweb動画のプラットフォーム、YouTube。2005年にそのサービスは開始され、現在では世界で毎月 10 億人以上のユニーク ユーザーが、毎月 60 億時間以上の動画をYouTubeで視聴していると言われています。
同時に、自分で制作した動画をYouTubeに投稿するクリエイターも増加しており、今では、1分あたり約100時間分の動画がYouTubeにアップロードされていると言われています。ただ、YouTube用の動画を制作する際に困るのが、「BGM」をどうするか?という問題です。当然、市販の楽曲には著作権があるので、そのまま利用することができません。(アップロードした時点で、YouTubeで自動的に検知され、動画自体を公開することができません。)
こうした問題を解決するために、昨年、2013年9月にYouTubeは、動画作成用の無料音源集 YouTube オーディオライブラリを公開しました。
YouTubeオーディオライブラリー(https://www.youtube.com/audiolibrary/music)
公開当初は150曲の楽曲でしたが、現在、その数は増え続けています。ライブラリではジャンル・スタイル・楽器・長さなどのカテゴリーで楽曲を選択したり、キーワードで検索することができます。視聴して気に入った曲は、「お気に入り」に登録することも可能です。ダウンロードした曲は、使用料の支払いや個別の利用許諾なしで永久的に無料で使用することができます。しかも、太っ腹なことに、オーディオライブラリーの楽曲は、YouTubeに公開する動画以外に使用することもできるのです。
YouTube 動画に限らずどのような制作目的にも無料で永続的に利用できるようになります。収益化も可能です。(2013.9.30 YouTubeパートナー&クリエイターオフィシャルブログより)
つまり、ビジネスでのプレゼンテーションや、イベントのBGM等にも活用することができるのです。活用方法は他にもいろいろ考えられるのではないでしょうか。
そして、先月6月26日には、このオーディオライブラリに、「効果音」(SE = Sound Effect)を集めた「音声」タブが追加されました。音楽同様に1000以上ものSEが著作権フリーで無料で使うことができます。SFとファンタジー・アラーム・アンビエンツなど、20のカテゴリ分けて提供されています。
BGMもSEも、実際聞いてみましたが、なかなかクォリティーが高く、商用利用でも問題無いレベルだと思います。通常、著作権フリーの楽曲は20曲程度収録されたCDが数千円~数万円で販売されているので、これに匹敵した品質の楽曲がフリーで活用できるのは、制作側にとって非常に有難いことです。
唯一、難点を挙げるとすれば、(特にSEが)少し、欧米風のイメージなので、日本の映像作品には少しマッチしないかもしれないと思いました。今後、日本ならではのSEも増えると、私達日本人の制作する作品での活用の幅が広がると思います。
6月26日の改変では、今までご紹介した効果音の追加の他に、自分のチャンネルのパフォーマンスをチェックしたり、コメントに返信したりできるモバイル版チャンネル管理ツール「YouTube Creator Studio」のモバイルアプリ版の公開(Androidのみ。iOSもまもなく公開される見込み)・60fpsの動画のサポート・ファンからの金銭的な寄付、「Fan Funding」などの機能も追加される予定です。(2014.7.3 YouTubeパートナー&クリエイターオフィシャルブログより)
YouTubeによる、動画投稿者のサポートがますます手厚くなってきています。YouTubeが投稿者に対し、より面白い・魅力のある動画の制作を期待している結果といえるでしょう。
Photo by Just Ard Vancouver Film School webtreats