みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。
このブログではソーシャルメディアを始めとして、最近ではWeb動画を活用したマーケティングについて、積極的に記事にしています。
企業の中には、これからソーシャルメディアアカウントを始めるところもあると思いますし、動画マーケティングの取り組みはより大きな流れになっていくと予想しています。
いわゆるコンテンツマーケティングというフレーズも耳にするようになり、新たなWebマーケティングの形を模索する動きもすでに出てきています。
そして、すでにしっかりとしたコンテンツマーケティングに取り組んでいる企業もあります。
「mb! by Mercedes Benz」
実はここでご紹介する「mb! by Mercedes Benz」は、最近始まった取り組みではありません。
昔から運営をされているのですが、この取り組みは今後の企業が目指すべき一つの形を表しているような気がしているのです。
「mb! by Mercedes Benz」は、その名の通り、自動車メーカーのメルセデス・ベンツが運営するWebメディアです。いわゆる自社のメディアといったところです。
元々、英語圏や本国ドイツを中心とした展開となっていたのですが、遅れて日本語にも対応しました。
このサイト内には様々なコンテンツが用意されており、自社の事だけをコンテンツ化しているわけではありません。
例えば、音楽というジャンルがあるのですが、「mix tape」というシリーズで展開されていて、様々なアーティストの楽曲が集められたコンピレーションアルバムとして配信されています。
ちなみに、このアルバムは、無料でダウンロードすることができます。
他にも、小説が配信されていたり
職人などの文化を取り上げたり
さまざまなジャンルの“人”が取り上げられています。このように、最先端のアートや音楽、ライフスタイル、そして、クリエイティブな人物を取り上げるコンテンツが殆どとなっており、一見すると自動車メーカーが運営するサイトとは分からないかもしれません。
もちろん、メルセデス・ベンツがラインナップしている自動車も絡んでいるのですが、燃費だとか室内が広いとかいったような、“広告”的なコンテンツ作りはほとんどなされておらず、ブランドや製品の周辺に存在するストーリーを伝えることが主になっていると思われます。
どちらかというと、メルセデス・ベンツというブランドが身にまとっている空気感を、クオリティの高いコンテンツとして形にしたように感じます。
上品で知的な内容にまとめられている印象を強く受けます。
ソーシャルメディアの延長線上にあるもの
繰り返しになりますが、「mb! by Mercedes Benz」では、メルセデス・ベンツが販売する自動車を直接的に宣伝するコンテンツ用意されていません。
様々なカルチャーの中に製品を溶け込ませることによって、間接的にメルセデス・ベンツの製品が持つカラーを引き立たせるようにコンテンツが練り込まれています。
メルセデス・ベンツの自動車で移動する空間を演出する“音楽”の提案や、自社の製品をに携わった人のストーリー等。
何かに通じていると感じませんか?
そう、ソーシャルメディアの運用に近いのです。商品を宣伝するのではなく、商品によってどう生活が変化していくのか、また、どのような社員たちが携わっているのか、そういった周辺の“空気”を含んだ情報を発信し、コミュニケーションを生み出す方法は、まさにソーシャルメディアに近い形と言えます。
自社でコンテンツを作りだし、そこから消費者とのコミュニケーションがはじまる流れは、まさにコンテンツマーケティングと呼べるものです。
ソーシャルメディア上で直接的に消費者と関係を築くことが、ソーシャルメディア活用の最終的なゴールではありません。
そこから発展し、企業自身のメディア化が進み、第三者サービスに依存しない形で、消費者と関係を構築して、コミュニケーションを生み出すことにあるように思います。
TwitterやFacebookは一つのチャネルとして、引き続き、重要な位置づけであることは間違いありません。
そこで得たコミュニケーション手法を発展させ、自社のメディア化に繋げていく必要が出てきていると感じています。
そして、すでに一部の企業では、取り組みが始まっているのです。
アクトゼロ / 山田