スカイマークのCAさんの制服(ミニスカート)に対するオトコたちの本音

みなさん、こんにちは。アクトゼロのプランナーズブログ、木曜日は山田がお届けします。

ここ数日、航空会社のスカイマークが、ニュースなどに取り上げられて、少し話題になっています。
その話題の中心となっているのが、客室乗務員の“制服”に関するもので・・・、スカートの短さについて賛否両論が巻き起こっています。

発端は昨年末、新型機(エアバスA330)の就航を記念する取り組みとして、ミニスカートの制服を期間限定で導入すると発表したことから始まります。
その後、ニュースなどでは取り上げられることはなかったのですが、最近になって再び注目を浴びる事態になっています。
それはなぜかと言うと、客室乗務員などで作られる「客室乗務員連絡会」が見解を発表したことに起因しています。

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結構長い文章ではありますが、要約すると「安全上相応しくない」、さらに「性的嫌がらせ」を誘発して機内の秩序を乱す可能性があるため、スカイマークに対して再度検討を求める内容です。
このような見解を発表し、さらに国土交通省へも指導するように働きかけを行ったことから、いくつものニュースに取り上げ荒れることになったのです。

スカイマーク側は、このような申し入れに対して、了承を得た客室乗務員にのみ導入するとしており、保安上も法律上も問題ないという考えを表明しています。
さらに、状況をややこしくしているのが、「客室乗務員連絡会」(上部組織「航空労組連絡会」)にスカイマークは参加しておらず、スカイマークに所属する客室乗務員からの訴えでないということです。

Twitter上ではどう見られている?

では、実際のところ、一般の方々はどう見ているのか。その傾向を、ネット上の声を参考に見てみたいと思います。
いつもの通り、「Insight Intelligence」を使って、Twitter上の傾向を読み解いてみます。

まず、昨年12月1日から直近3月17日分までの期間において、「スカイマーク」を話題にしているツイートの推移を時系列で追ってみると、大きな山が2つできていることが分かります。

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一つ目の山が12月12日、二つ目の山が3月8日となっており、ミニスカートの制服がお披露目されたタイミングと、「客室乗務員連絡会」の見解がニュースになったタイミングと一致します。
普段のツイート量が100件/日以下がほとんどなのに対し、この2日間は普段の数倍から十倍程度の盛り上がりがあったことになります。

また、該当期間を通して、スカイマークに言及しているユーザーの属性としては、以下のように、男性比率が6割以上、20~30代が8割を占めています。

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それでは、盛り上がった2日の日を、それぞれに見ていきましょう。

まずは12月12日、就航する新型機とミニスカート制服について、初めてニュースになったタイミングです。
ツイート全体のコメント傾向を図るために、ネガティブ・ポジティブの分析の結果を見てみると、ポジティブなツイートが55%と過半数を超えており、ネガティブなものは30%を下回る程度に留まっています。
この日におけるツイートは、過半数の人がポジティブな反応を示していることになります。

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さらに、ポジティブ、ネガティブに含まれるそれぞれのツイートを見てみると、制服に関するツイートは非常に少なく、ネガティブな発言ははほんの数ツイートしか見られませんでした。この日のツイートの多くが新型機に関するもので、シートの幅や機体に対するコメントが多く見られました。制服自体はインパクトはあると思うのですが、実際にはそこまで盛り上がっていない印象を受けました。

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この日ツイートしている属性を、期間全体のものと比べてみると、男性の割合が一割ほど増え、30~40代の割合が数%ずつ増えています。年齢層が高めの男性に関心が強かったようです。

そしてもう1日、3月8日のツイートを見てみましょう。
こちらは、「客室乗務員連絡会」が遺憾の意を表明したタイミングですが、ネガティブ・ポジティブの面では、中立なコメントのツイートが減少し、それぞれの割合が増える結果となっています。

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ネガティブが増えることで、ポジティブが減ると思われましたが、ポジティブなツイートの割合も増えているというのが、少し意外な印象です。

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ツイートの内容については、前回とは打って変わって、ほとんどが制服に対するもので、ポジティブ・ネガティブともにはっきりとコメントするツイートが多く見受けられました。

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ツイートしているユーザー属性でも変化が見られ、女性の割合がぐっと高くなっているとともに、年齢層も20代が増え、若い女性のツイートが増えていることが予想できます。

このように、ツイート数では同じような盛り上がりに見える12月12日と3月8日の2つ日間ですが、その内容をみると大きく異なる傾向が表れていたことになります。
特に、良くも悪くもスカイマークが改善を求められたことから、広く“制服”が注目されるようになったと言うこともできそうです。

Yahoo!ニュース「意識調査」の傾向、Twitterとの違いは?

この制服に関しては、Yahoo!ニュース内にある「意識調査」のコーナーでも取り上げられ投票が行われており、下記のような結果を見ることができます。

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投票数は、トータルで11万以上の投票があり、ミニスカートの制服に「問題はない」が約60%を占め、「問題がある」の約35%を大きく引き離す結果になっています。
この数値は、Twitterでのポジティブ、ネガティブの傾向にかなり近いものとなっており、投票型の結果と、ユーザーが自発的に発信しているコメントが連動しているという興味深いデータと言えます。

ただ、男女比ではYahoo!での投票の方が、男性が少し多い傾向があるようです。このあたりは、Yahoo!ニュースを利用しているユーザー層に引っ張られるため、あくまでも相対的な評価になります。

とはいえ、Twitter上でのデータとYahoo!での意識調査の傾向が似ているという非常に面白い結果になりました。

実際のところ、この「ミニスカCA」という施策は、ネガティブな反応を受けやすいものではあると思います。ただ、TwitterやYahoo!上の傾向を見てみると、ネット上での反応はポジティブなものが多い傾向が読み取れました。
この制服の着用が「強要」されたり、実際にスカイマークに所属する社員からの正式な「抗議」があったりした場合は、確実にネガティブな意見に偏ってしまうでしょう。

話題性を生み出すという点においては、「ミニスカCA」によってもたらされた情報の広がりは、一定の結果を生み出していると言えます。
一時期よく聞かれた“炎上マーケティング”のような極端なものでなくても、賛否両論を巻き起こすというのは、注目を集めるための手段としては十分だと感じます。
ただ、確実にネガティブに捉える方もいらっしゃるわけですから、自社のファンを作っていくというソーシャル時代には、相応しくない古臭い取り組みのようにも思います。
みなさんは、この制服の一件について、どのようにお感じになりますか?

一個人としては、マーケティング手法云々を別にすると、とても乗ってみたいです。前向きに。

アクトゼロ / 山田