企業利用に新たな可能性~Facebookページ規約の変更点まとめ~

週の真ん中、水曜日のソーシャルメディアインサイト、アクトゼロの山田がお送りします。

7月にFacebookページの利用規約が変更されたことをお伝えいたしましたが、再度、8月末にも改定されました。前回の改定は、その前の改定からかなりの時間を挟んでいたことを考えると、今回は短いインターバルでの改定となっています。

企業が多く利用するFacebookページにおいて、利用規約は最も重視するべき項目になりますので、改定された項目を取り上げ、そのポイントを解説します。

1. Facebookページの管理

Facebook規約

Facebook規約

上から順に変更点を洗い出していくと、まず「II. ページの管理」の中に、「D. タグ付け」という項目ができていることに気づきます。

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Facebookへの投稿時、例えば写真を投稿しようとすると、その写真に写っている人のFacebookアカウントをタグ付けといって、関連付けることができます。
そのタグ付けによって、写真に情報が付加され、タグづけられたユーザーの友達にも、そのことが通知されます。
つまり、投稿を行う際にタグ付けを行うことで、新たな広がりを作り出せるのです。

規約の改定によって、タグ付けを正確に行うように定められました。つまり、写っている人以外を写真にタグ付けすることはNGとなってしまいます。
当然といえば当然の内容ではありますが、正確なタグ付けを心がける必要があります。実際のところ、企業が使う際に、あまり利用頻度は高くない機能かもしれません。

2. プロモーション

いろいろとある規約の項目の中で、企業にとって一番重要になるのが、「プロモーション」という項目です。今回の改定では、この項目が大きく変わっています。
以前は多くの決まりごとがありましたが、その内容が大幅に整理されて、Facebookページ上できることが大きく増えていると言えそうです。

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プロモーションの項目を順に追っていくと、まず「1」では、プロモーションを行う際には、仕組み作りを行うように書かれています。

プロモーションの公式ルールを定めて運用すること、参加資格を設けること、賞品や賞金の提供はきちんと合法的に行うことが定められています。
文言や表現は異なるものの、前回から引き続き盛り込まれている内容になります。

「2」の項目も、引き継がれている内容です。ここには、企業が独自に展開するFacebook上のキャンペーンに、Facebook社が関係ないことを明示することが書かれています。

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そして、「3」は、FacebookページやFacebookアプリ上で行うとうことが書いてあり、「4」は、プロモーションは自己責任で行うようにとの規約となっています。

プロモーション規約は以上です。
あれ?これだけ?っと思われた方、鋭いです。

実は、以前まではNGとされていたいくつかの項目が、規約から外れています。
その項目とは、以下の内容です。

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Facebookページへの「いいね!」や、スポットへのチェックイン、アプリとのつながり以外のFacebook機能を使った何らかの動作を実行することを応募の条件とすることはできません。
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今までは、ページへの「いいね!」やチェックイン、アプリ連携など以外の機能を応募条件として使うことはできませんでした。例えば、ページのタイムラインに投稿することを応募の条件とすることは、NGとされていました。しかし、今回の規約に明記されなくなったことで、この条件は何ら問題ないことになります。使ってはいけない機能が明言されなくなったことで、あらゆる機能の活用を検討することができるようになりました。

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「いいね!」ボタンなどのFacebook機能をプロモーションの投票手段として使用することはできません。
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Facebookアプリ上やキャンペーンサイト上で投票コンテンツを実施する際、これまではFacebookの「いいね!」機能を使って、順位を付けることができませんでした。
しかし、この一文が規約からなくなったことによって、投票手段として「いいね!」を使うことができるようになったと言えます。「いいね!」数に応じた投票コンテンツは、増えそうな予感がします。

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Facebookのメッセージ、チャット、プロフィール(タイムライン)またはFacebookページへの投稿など、Facebookを通じて当選者に通知することはできません。
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そして、この項目がなくなったことで、メッセージやチャットなどで、プレゼント等の当選通知を送ることができるようになります。
ただ、ファーストアクションでは、Facebookページ側から、ユーザーにメッセージを送ることができないため、一度、応募の際に、ユーザーからFacebookページ宛にメッセージを送っていただく必要があります。
また、タイムラインでの当選通知も同様に行えるようになりました。

改定前の「プロモーション」項目

改定前の「プロモーション」項目

このように、今回の規約の改定では、主に「プロモーション」という項目が変更になっています。
その中身を見てみると、大幅な緩和と言える内容であることから、企業の「プロモーション」利用を促進させようとする狙いが読み取れます。

冒頭にも述べたように、企業がプロモーション活動でFacebookを活用するためには、この規約はとても重要なものです。規約の改定内容によっては、すでに準備していたキャンペーンプランを変更しなければならないケースも、多々発生するのではないかと思っています。

当然、Facebook広告も含めた企業のFacebook利用は、Facebook社の収益に大きな影響を与える部分であることから、今後も短い期間で大きく変わっていく可能性があります。
そういった点から、規約について定期的に確認していくことは必須と言えます。引き続き、このソーシャルメディアインサイトでも追っていきますので、小まめにチェックしていただければと思います。

アクトゼロ / 山田佳祐