YouTube上で進む、企業と国内YouTuberのコラボレーション

金曜日のソーシャルメディアインサイトをお送りします。アクトゼロの黒沼(@torukuronuma)です。

YouTuber(ユーチューバー)と呼ばれる人々をご存知でしょうか?YouTube上で視聴者の人気を集めるパフォーマーないしクリエイターの呼称で、その延長でYouTube上の広告収入で生活する人を指すことも有ります。

もともと英語圏は視聴者のパイが大きいため、広告収入プログラムで上がる収益によって金銭的に成功したYouTuberは、主に海外で「登場」しました。なかには、億万長者といっていいような収益を個人で稼ぎだすスターも現れています。

国内の状況としては、一部のYouTuberはそれだけで食べていける程度には稼げているものの、大多数のYouTuberは本業を持ちつつ副業のような形で活動しているというのが実情です。そんな中、YouTubeプラットフォーム上の広告収入だけではなく、YouTuberと企業間で直接契約を結ぶことで、一般企業の商品紹介やブランド訴求を目的としたコラボ動画が制作され始めています。今回はそんな中でも「演技」という表現の中で、幾つもの企業コラボレーションを果たしているYouTuber「劇団スカッシュ」の事例をご紹介します。

「劇団スカッシュ」について

劇団スカッシュ劇団スカッシュオフィシャルサイト

劇団スカッシュは、2002年旗揚げの劇団で男性4名が中心メンバーとなり演劇活動を行っています。その活動の一環で、YouTube上で「SQUASHfilms」名義で2008年活動を開始。メンバーそれぞれの企画のもと動画を公開し続けることで、2013年現在チャンネル登録数60,000人を数える人気YouTuberです。

では実際にコラボレーションが行われた動画を見てみましょう。

楽天スマートペイ、ダスキンターミニックス、アイフルとのコラボレーション

楽天の新決済サービス「スマートペイ」の認知拡大を目的とした動画で、シリーズ全体で10万再生させることに成功しています。
動画の最後で、YouTubeのアノテーション機能を使うことで、最終的にはスマートペイのサービス紹介動画へと誘導をさせています。

ダスキンの害虫駆除ソリューション「ターミニックス」のサービス紹介動画です。こちらも再生回数はシリーズ全体で22万再生を超えています。

最後に「アイフル」提供の困った人を助ける「アイフルマン」シリーズでは、国内の他YouTuberの動画との連携企画もありシリーズ全体で、40万再生近く見られています。一連の動画はアイフル公式チャンネル「アイフルTV」のコンテンツとしても公開されています。

まとめ ― コラボ動画の再生数をどう評価するか

先日のエントリ「ユーザーに最後まで見てもらえるYouTube「TrueView動画広告」のつくりかた」でご紹介したTrueView動画広告では、30秒以上の長さの動画の場合、再生開始から30秒が経過した時点で課金対象となります。その場合の単価が(広告内容によっても変化しますが)視聴完了ごとに「10円」前後だと言われていますす。

先ほど紹介したアイフルの案件の場合、3分程度のコラボ動画が40万再生近くされていることを考えると、同じことを動画広告で実現しようとすると広告費だけで400万円ほどかかるということになります。実際にはTrueView動画広告に流すための、広告動画を別途「制作する費用」加わってくるので、通常の広告出稿よりも視聴リーチという点で、コラボ動画の方が有効な上、話題性次第ではもっと割が良くなるケースも出てきそうです。

さらに言えば、コラボ動画はアーカイブとして公開後もアクセスを漸増させて行きますし、アノテーション機能による他動画や外部サイトへのトラフィック誘導も計算すると更にメリットは多そうです。(※現状、外部サイトへのアノテーション機能は一部チャンネルにのみ実装されています)

まだ始まったばかりの新しい動きですが、今後も、国内のYouTuberと企業の間でコラボレーションが進んでいきそうです。

<アクトゼロではYouTuberと連携したコラボレーション動画の企画制作・拡散施策を行っています。是非お問い合わせください>